海外ニュースの情報源として、各メディアはどこまで信頼されているか(最新)
2023/11/24 02:43
インターネットによって情報に関する距離感は一部地域をのぞいてほぼ意味をなくし、国際化の進展に伴い他国の情勢が自国に影響を及ぼす可能性がますます増大する昨今。海外のさまざまな状況を伝える海外ニュースへの聞き耳は、これまで以上に感度を高くする必要が求められている。今回は総務省が2023年6月23日に情報通信政策研究所の調査結果として発表した「令和4年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」の公開値を基に、この海外ニュースを取得する際に、主要メディアは情報源としてどれほど信頼されているのかについて確認していくことにする(【情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査】)。
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海外ニュースで最も信頼されるのは新聞、次いでテレビ
調査要項などは今調査に関する先行記事【主要メディアの利用時間をグラフ化してみる】を参考のこと。また信頼度などの計算方法は【国内の政治や経済問題の情報源として、各メディアはどこまで信頼されているのだろうか】で確認のこと。要は高い方が信頼されている、低い方が信頼されていない、1.50が信頼されている・されていないの境目と読めばよい。
まずは調査対象母集団全体の平均値。
↑ 普段利用している情報源における信頼度(海外ニュース)(2022年)
新聞がトップ、テレビがそれに続き、ラジオがいくぶん低いものの、実質的にはテレビと同レベルの状態。4マスでは唯一雑誌が低いが、これはコンビニの棚などでよく見かける一般大衆誌までも含めて雑誌全般との認識で回答されているからだと考えられる。
インターネット系ではインターネットニュースサイトの信頼度は高く1.67。次いでソーシャルメディア、動画配信・共有サイト、ブログ・その他サイトと続くが、ニュースサイト以外は基準値の1.50を割り込んでおり、どちらかといえば信頼できない範ちゅうに該当することになる。
年齢の差で違いが生じる!?
続いて各属性別の違いを確認する。まずは男女別。
↑ 普段利用している情報源における信頼度(海外ニュース、男女別)(2022年)
ほとんどの情報源で女性の方が高い値となっている。これは利用傾向そのものも多分に影響していると考えられる。もっとも男女どちらとも、テレビやラジオ、新聞、インターネットニュースサイトが信頼できる範ちゅうで、それ以外は信頼ができない領域であることに変わりはない。
続いて年齢階層別。
↑ 普段利用している情報源における信頼度(海外ニュース、年齢階層別)(2022年)
おおよそ全体値で信頼できる範ちゅうにあるメディアは、年齢が上になるに連れて信頼度も高くなる傾向がある。一方で元々値が低いメディアは年齢が上になるに連れて信頼度も低くなる動きを示している。
先行記事でも似たような傾向が出ているが、10代の信頼度が他の年齢階層(近接する20代や30代)と比べると突出する形で高いメディアが多数あるのは、幼い時からメディアとの接触に積極的となる一方(今件調査結果では元からその情報に関する情報取得元として該当メディアを利用していない場合、平均値の算出には考慮されない)、虚報や誤報の類との接触経験が少ないため、他の年齢階層と比べて純朴な状態で情報に接している結果かもしれない。特に、いわゆる4マスへは高い値が出ている。
続いて就業形態別。
↑ 普段利用している情報源における信頼度(海外ニュース、就業形態別)(2022年)
特に際立った傾向は無い。無職の値が他の就業形態と比べ、多くの情報源で低めに出ているのが目にとまる程度。
最後は世帯年収別。
↑ 普段利用している情報源における信頼度(海外ニュース、世帯年収別)(2022年)
全体値で信頼できる範ちゅうにあるメディアはおおよそ高世帯年収ほど信頼度が高く、範ちゅうにないメディアは高世帯年収ほど信頼度が低くなる傾向がある。ただし雑誌は全体値で信頼できない範ちゅうにあるが、それでも高世帯年収ほど信頼度が高くなる。4マスの一員だからかもしれない。この動きは、世帯年収そのものでメディアの信頼度に影響が生じると見るよりは、年齢階層に引っ張られていると見た方が妥当性はある。
国内の政治経済に係わる先行記事でも触れているが、世帯年収区分や学生・生徒による変化はあるものの、おおよそ信頼度の変化は世代(年齢階層)によるところがある。各メディアに慣れ親しんだ期間の違いがそのまま、それぞれに対する信頼度に浅からぬ影響を与えているかもしれない。その仮説が正しければ、今後10年単位の変化の中で小さからぬ信頼度のシフトが生じることもあり得よう。
もっとも10年単位でメディアそのものの姿かたちも大きな変化を示すに違いないのだが。
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