ゲーム機はほぼ普及済み?…ゲーム機の所有・利用状況(最新)

2025/05/13 02:44

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2025-0413従来ならゲームセンターでしか遊べなかったようなデジタル系ゲームを、家庭用テレビを表示画面に用いることで自宅でもプレイ可能とし、しかもソフトの入れ替えで多様なタイトルが楽しめる、据置型ゲーム機。そして表示画面を液晶などで小型化し、本体と合わせて持ち運びができるようにした携帯ゲーム機。子供だけでなく大人にも受け入れられ、エンターテインメント分野に大きな影響を及ぼす存在となった。昨今ではインターネット接続機能が半ば当たり前となりオンラインゲームも多数発売され、一方で同様のゲームが遊べるスマートフォンとのし烈な市場の覇権争いが繰り広げられている。それではそれらのゲーム機は、現在どのような所有状況となっているのだろうか。今回は総務省が2024年6月21日に情報通信政策研究所の調査結果として公式サイトで発表した「令和5年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」の公開値を基に、据置型ゲーム機と携帯ゲーム機を合わせた「ゲーム機」の世帯普及状況や利用実態を確認していくことにする(【情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査】)。

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ゲーム機の普及率は2/3強だが遊んでいる人は4割足らずに過ぎない


調査要項などは今調査に関する先行記事【主要メディアの利用時間(最新)】を参考のこと。

次に示すのはゲーム機(据置型ゲーム機と携帯ゲーム機の双方。回答用紙には「ニンテンドースイッチ、 PlayStationシリーズなど」とある)の所有および利用状況。自宅にある・無いを回答者に答えてもらい、ある場合には回答者自身が利用しているか、それとも利用していないか(置いてあるだけなのか、家族の別の人が使っているかは問わない)、無い場合には自宅に欲しいか、必要ないかを答えてもらっている。単純にあるか無いかの回答だけでなく、ある場合には利用状況を、無い場合には所有希望の有無まで尋ねることで、細かい需要を確認できる。

↑ ゲーム機所有状況(自宅、属性別)(2023年)
↑ ゲーム機所有状況(自宅、属性別)(2023年)

↑ ゲーム機所有状況(自宅、「無い」、属性別)(2023年)
↑ ゲーム機所有状況(自宅、「無い」、属性別)(2023年)

全体では自宅所有率は67.6%。しかし利用率は37.7%にとどまっている。かつて使っていたが今はほこりをかぶっているとのケースもあろうが、むしろ子供が使っているが保護者である回答者は遊んでいない事例が多いのだろう。実際年齢階層別ではおおよそ低年齢ほど利用率では高い値を示している。10代では所有率87.9%、利用率70.7%。

就業形態別ではパート・アルバイトの人はフルタイムの人よりも所有率・利用率は低い。金銭面で余裕があるからだろうか。他方、自分で自由に使えるお金に余裕があることが多く、そして時間ではかなりの余裕があり、ゲームへの興味も深いであろう学生・生徒が一番高い値を示している。他方、無職の値は低いが、これは多分が高齢者であるため。世帯年収別では、600-800万円未満の層までは大体低世帯年収ほど低所有率・低利用率を示している。一方で都市規模別では規則性のようなものは見られない。

非所有者の状況だが、属性に限らずほとんどの人がゲーム機は必要ないと回答している。かろうじて30代の「無い・欲しい」率が1割に届きそうな程度。現在自宅にゲーム機がある人がもう一台、あるいは買い替えで購入する可能性までは推し量れないが、少なくとも現在一台も無い世帯において、新たに購入される可能性はほとんど無いと見てよい。一言で表現すれば世帯ベースでは飽和状態にある。



今件はあくまでも回答時の状況で、しかも13歳以上の回答者に限られている。大学生や社会人になり一人暮らしを始める=新世帯で暮らすようになる場合の環境変化、13歳未満の子供の利用状況や所有願望は反映されていないため、現在ゲーム機を持たない人で、新規に欲しがる人も少なからずいるだろう。

しかし少なくとも現状では多分に、ゲーム機は飽和に近い状態であることは否定できまい。新規需要の多分は「故障などによる現行利用機が利用できなくなった場合」「新型機への乗り換え」にあるものと考えられる。さらに今後の動向を見守る必要があるが、タブレット型端末やスマートフォンの普及で、稼働率が低下する、つまり自宅にあるが使っていない人の割合がこれまで以上に増える可能性は大いに考えられる。

来年以降の動向に、大いに注目したいところだ。


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