LINE94.9%、YouTube97.2%…学生・生徒のソーシャルメディア利用状況(最新)
2023/11/16 02:31
先行記事【動画や画像共有サービスの利用状況】で動画共有サイトの利用状況を確認した際、特に10代から20代の利用率が高い状況が見受けられた。一方で昨今では学生などにおける、いわゆる炎上事案がソーシャルメディアなどで増加していることもよく知られている。そこで今回は総務省が2023年6月23日に情報通信政策研究所の調査結果として公式サイトで発表した「令和4年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」の公開値を基に、学生や生徒におけるソーシャルメディアの利用状況について確認していくことにする(【情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査】)。
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LINEは9割台、Twitterは6割超え
調査要項などは今調査に関する先行記事【主要メディアの利用時間(最新)】を参考のこと。
次以降に示すのは、各サービスの利用をどの種類の端末から行っているかに関する回答値。回答時点で該当サービスを閲覧しているか、書き込みや投稿をしているか、そして利用する際の端末はパソコン(ノートパソコン、デスクトップパソコンを問わず。今件ではタブレット型端末も含む)か、携帯電話(従来型携帯電話、スマートフォンを問わず)かについて尋ねている。単純な利用状況は「いずれからも利用していない」を元に逆算したもので、厳密には家庭用ゲーム機などから「のみ」の利用者もいることから、値はもう少しばかり上乗せされるはずではあるが、報告書でもこの計算式で利用者が算出されていることから、今回はこの値を採用する。
さらに今回の対象の年齢は特に記載されていないが、職業区分で「学生・生徒」とあり、調査対象母集団自身が13歳以上であることから、中学生から高校・大学(院)、さらには短大や専門学校生も含めた学生や生徒であるとする(中高生は「生徒」で、大学生などは「学生」)。なおグラフ中の「携帯」とは携帯電話(経由)を意味する。
↑ ソーシャルメディアの利用状況(コミュニケーション系、複数回答、学生・生徒、利用スタイル・端末種類問わず)(2022年)
↑ ソーシャルメディアの利用状況(コミュニケーション系、複数回答、学生・生徒、端末種類問わず、利用スタイル別)(2022年)
学生などに限ればLINEが9割台の利用率でトップ、次いでTwitterが6割強、Facebookは1割台。mixiは2.3%でしかない。
端末種類別利用率だが、パソコンは高い値でもLINEの2割近くでしかない。携帯電話(多分にスマートフォン)経由の利用が圧倒的に多い。また利用スタイルもサービスにより大きく異なり、Twitterは携帯電話経由の場合、閲覧の人の方が投稿の人の2倍以上。Facebookでは実に5倍近く。
また全般的に携帯電話経由の閲覧利用者が多いのも特徴の一つ。スマートフォンがあればおおよそのサービスにはアクセス可能である、むしろそちらに主軸を置いているサービスも多々あることから、わざわざパソコンを使うまでもなく、またパソコンに(プライベートで)触れる機会が無い人も多数いるのだから、当然だろう。ましてや学生・生徒となれば、自分自身のパソコンを持っている人は大人と比べればごく少数になる。家族全体の保有、あるいは保護者のを借り受ける形で利用しているパソコンで、個人的内容のやりとりが多いソーシャルメディアの利用は、気が引けてしまうに違いない。
学生らにユーチューバーが受ける理由
続いて動画や画像の共有サービス、具体的にはYouTube、Instagram、TikTok、ニコニコ動画、Snapchatを同じく学生・生徒に限り、その動向を確認していく。
↑ ソーシャルメディアの利用状況(動画・写真系、複数回答、学生・生徒、利用スタイル・端末種類問わず)(2022年)
↑ ソーシャルメディアの利用状況(動画・写真系、複数回答、学生・生徒、端末種類問わず、利用スタイル別)(2022年)
YouTubeはほぼ全員、Instagramは7割近く、TikTokは6割強、ニコニコ動画は1/4強、そしてSnapchatは4.5%が利用している。端末などの利用状況を見ると、いずれのサービスでも携帯電話経由の閲覧利用率が高く、パソコン経由はそれ以下の値を示している。特にYouTubeでは9割近くが携帯電話経由で閲覧していると答えている。これだけ大勢の利用者がいれば、いわゆるユーチューバーが学生・生徒に受け入れられるのも理解はできる。
投稿動向はといえば、Instagramはそのサービスの特性上、携帯電話経由による投稿率が非常に高く、全体の36.9%もの人が投稿しているのが印象的。
大学生ともなれば自らのアルバイト代から本体代や通信料をねん出する場合が多々あるが、高校生まではおおよそ保護者から本体代・通信料を出してもらうことになるため、中学生の時点では家庭での負担をかんがみ、スマートフォンを利用できない・させてもらえない場合が多い。各種調査結果でも高校生は9割を超えている一方で、中学生でも少しずつ普及率は上昇しているが、高校生のような普及率を示すのは難しい。
学生における各種ソーシャルメディアや動画や画像の共有サービス にされまの動向の視点で見ると、今後も各サービスに対する魅力が変わらなければ、利用可能端末の利用率が上昇する以上、携帯電話経由での利用は漸増する。しかしそのスピードはこれまでと比べれば緩やかなものとなるに違いない。
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