YouTube、ニコ動、そしてInstagram…動画や画像共有サービスの利用状況(最新)

2023/11/15 02:42

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2023-1107インターネット回線の高速化、各インターネット端末の映像処理能力の向上と映像処理技術の進歩、そして機動力に長けたスマートフォンの普及は、動画や画像を共有するサービスを飛躍的に浸透させることとなった。言語の壁すら取り払う動画や画像の共有化は、言葉通りワールドワイドな世界を展開させるツールとして広がりを見せている。今回は日本で主流の動画共有サービスであるYouTubeとニコニコ動画、さらには画像の共有サービスとして名を知られるようになったInstagramに関して、総務省が2026年6月23日に情報通信政策研究所の調査結果として公式サイトで発表した「令和4年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」の公開値を基に、利用状況を確認していく(【情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査】)。

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87.1%が利用する動画共有サービス、YouTube


調査要項などは今調査に関する先行記事【主要メディアの利用時間】を参考のこと。

次以降に示すのは、各サービスの利用をどの種類の端末から行っているかに関する回答値。回答時点で該当サービスを動画・画像の閲覧のみで利用しているか、書き込みや投稿をしているか(設問では単に「書き込む・投稿する」とあるので、動画共有サービスにおいては動画の実投稿以外にコメントの記述などまで含むと回答者が判断したとする)。そして利用する際の端末はパソコン(ノートパソコン、デスクトップパソコンを問わず。またタブレット端末も今件では含んでいる)か、携帯電話(従来型携帯電話、スマートフォンを問わず)かについて尋ねている。また単純な利用状況は「いずれからも利用していない」の値から逆算したもので、厳密には家庭用ゲーム機などから「のみ」の利用者もいることから、値はもう少しばかり上乗せされるはずではあるが、報告書でもこの計算式で利用者が算出されていることから、今回はこの値を採用する。

まずはYouTube。なおグラフ中の携帯とは携帯電話のことを意味する。

↑ YouTubeの利用状況(利用スタイル・端末種類問わず)(2022年)
↑ YouTubeの利用状況(利用スタイル・端末種類問わず)(2022年)

↑ YouTubeの利用状況(複数回答、利用スタイル別、属性別)(2022年)
↑ YouTubeの利用状況(複数回答、利用スタイル別、属性別)(2022年)

全体利用率は87.1%。男女別では男性の方が高く、年齢階層別では20代がもっともよく利用しているが、10代や30代もほぼ同率、50代までは8割超えを維持している。60代でもほぼ2/3は利用している。

利用端末を見ると実のところYouTubeは概して携帯電話メインのサービスとなりつつある(その多くはスマートフォンだろう)。男女別では携帯電話の利用状況において女性の方がいくぶん閲覧率が高いが、パソコンでは男性の方が閲覧率はかなり高い。元々パソコンの利用率自身男性の方が高いため、当然の結果ではあるが、見方を変えれば男女別の全利用における比率では、女性の方が携帯電話経由の利用割合は高いことにもなる。また閲覧ではすべての年齢階層で携帯電話経由が上な状態なのも注目に値する。

書き込み・投稿者の割合はさほど多くなく、パソコンで2.5%、携帯電話で4.1%。YouTube利用者の大勢は閲覧側にあると見てよい。

20代は28.1%なニコニコ動画


続いてニコニコ動画。

↑ ニコニコ動画の利用状況(利用スタイル・端末種類問わず)(2022年)
↑ ニコニコ動画の利用状況(利用スタイル・端末種類問わず)(2022年)

↑ ニコニコ動画の利用状況(複数回答、利用スタイル別、属性別)(2022年)
↑ ニコニコ動画の利用状況(複数回答、利用スタイル別、属性別)(2022年)

全体では1割台。男性の方が利用率が高く、年齢階層別では10-20代の利用率が高く、30代以上は利用率が大きく下がる。YouTubeと比べて汎用性の低さ、投稿される動画の傾向の違いなどが原因か。

利用端末別では興味深い動きが確認できる。全体ではパソコンと携帯電話では携帯電話の方が利用率は高い。男女別では閲覧に関して男性は女性よりも積極的にパソコンを使っている実情がうかがい知れる。年齢階層別では20代が閲覧だけでなく、投稿でもそれなりの値を示している。投稿は10-20代が積極的に行っているようだ。他方、30代以降は閲覧の値が低くなり、投稿率もほとんどなくなる。

オシャレな画像サービスInstagram


最後は動画ではなく画像共有サービスのInstagram。他のソーシャルメディアとの連動性も高く、かつてのポラロイドカメラ的な使われ方もされている。2012年4月にはFacebookが買収したが、その後も独立性を保ち、他サービスとの連動性も維持されている。

↑ Instagramの利用状況(利用スタイル・端末種類問わず)(2022年)
↑ Instagramの利用状況(利用スタイル・端末種類問わず)(2022年)

↑ Instagramの利用状況(複数回答、利用スタイル別、属性別)(2022年)
↑ Instagramの利用状況(複数回答、利用スタイル別、属性別)(2022年)

全体利用率は50.1%。半数以上が使っている。男女別利用率では女性の方が高く、6割近くで男性の1.4倍ほどの割合。年齢階層別では10-20代が主流で、この年齢階層では7割台の人が利用していることになる。

利用スタイル別では圧倒的に携帯電話経由が多い。また、閲覧だけでなく投稿率も高いのが特徴で、10-20代では4割近い投稿率を示している。30代でも携帯電話経由の閲覧率は5割台、投稿率も23.3%と、決して低くない値を示している。



日本で利用できる動画・画像共有サービスは今回例示した以外にも多数存在する。また最近では録画した動画ファイルの共有ではなく、リアルタイムでライブ配信をするストリーミング系サービス(例えばツイキャス、ニコニコ生放送、YouTube liveなど)も注目を集めている。これらもさらに利用率が高まれば、あるいは調査対象項目として加わるかもしれない。

冒頭で動画・画像共有サービスの拡大の理由をいくつか挙げたが、最大の要因はやはりスマートフォンの普及にある。今後さらに端末の利用率は上昇することから、動画・画像共有サービスもまた同様に、その利用状況は活性化することだろう。

余談ではあるが、ある意味一番注目されている、ニコニコ動画に関する前年分からの動向を計算し、グラフ化しておく。

↑ ニコニコ動画の利用状況(複数回答)(複数回答、前年比、利用スタイル別・属性別、ppt)(2022年)
↑ ニコニコ動画の利用状況(複数回答)(複数回答、前年比、利用スタイル別・属性別、ppt)(2022年)

10代で伸びが見える一方、30-40代での落ち込みが目にとまる。利用者の世代交代が進んでいるということなのだろうか。

これが単年の動向に過ぎないのか、それとも継続的な流れなのかは、来年以降の動向を見極めることで判断しよう。


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