寄付、献血、ボランティア…就業者の社会貢献活動経験とは
2015/05/01 11:16


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今調査は2015年3月30日から31日に渡って20代から50代の就業者(自営業・自由業、アルバイトやパートを除く)に対しインターネット経由で行われたもので、有効回答数は1000件。10歳区切りの世代構成比率、男女比は均等割り当て。調査実施機関はネットエイジア。
寄付行為や献血、援助物資の提供、ゴミ拾いや雑草刈りなどのボランティア活動をはじめとした各種社会貢献活動に関し、これまでに参加した経験があるか、そして今後1年間の間に参加するつもりがあるのか否かを尋ねた結果が次のグラフ。今調査対象母集団が一定の職を持つ有職者を対象としていることに注意。

↑ 社会貢献活動の参加経験・今後1年間の参加意向(複数回答)
寄付経験者がもっとも多く5割近く、次いで献血が1/3強、物資の援助が1割強と続く。公共の場の美化、見守りや声掛け、交通安全運動が上位についているが、経験率は1割前後とさほど高くない。その他、被災地ボランティアや福祉施設などの介護補助、消防団への参加なども項目として挙げられているが経験者は数%に留まっている。社会貢献活動の具体例は山ほどあれど、少なくとも(自由時間があまり多いとは言えない)就業者にとって、比較的容易に行われているのは寄付や献血、良くて物資援助までであることが分かる。
一方、今後1年の間に参加したい、つまり比較的高い行動意欲を持っている社会貢献活動としても寄付や献血行為は高めの値を示しており、優先順位にはあまり違いが見られない。被災地ボランティアやボランティア支援活動、文化の保護・伝承活動でいくぶん参加経験と比べて高めな結果が出ている程度。「特になし」、つまり今後1年間で新たに社会貢献活動の積極参加意欲は無いとする意見は46%に登っている。
元々経験が無く今後もするつもりが無い人に加え、経験はあるが今後は少なくともしばらくはする気が無い人がそれなりに居る(全体の18.5%)のは気になるところ。そこでこれまでに参加経験が無い人、または今後1年で参加意向が無い人に、その理由を聞いた結果が次のグラフ。

↑ 社会貢献活動に参加したことがない、今後1年間に参加したいと思えない要因(複数回答、未経験者・今後参加意向の無い人)
「全体」の回答値はあまり意味が無く、注目したいのは「経験あり・意向なし」、つまりこれまでに社会貢献活動への参加意欲があり実行したにも関わらず、今後はしばらくするつもりが無い人、そして「経験なし・意向なし」、すなわちこれまでにも参加意欲は無く今後についても気概を持たない人の動向。
「経験あり・意向なし」だが自分自身のことが精いっぱいで社会貢献までリソースが回せないとの意見が多数に及んでいる。自分の周りの生活で手一杯、時間が確保できない、活動資金が用意できないなどが上位を占めている。興味関心が薄れた的な意見はさほど多くは無い。いわば「したくても出来ない」人が多分に及ぶ。
一方で「経験なし・意向なし」では興味関心が沸かないとの意見が6割近くを占めており、社会貢献活動への気概そのものが無く、これまでもこれからもするつもりが無い人が多分を占めているのが分かる。自分の身の回りで精いっぱいとの意見も1/3ほどいるが、実経験者の回答率と比べれば半数程度でしかない。
実経験者における今後しばらくの間の非参加意向に対する理由は多種類に及ぶのに対し、未経験者の理由はシンプルで上位選択肢に回答が集約している感がある。社会貢献活動のさらなる活性化を図るには、「経験済の人の再参加」「未経験者の参加促進」を別途に考え、それぞれの施策を講じるのが適切ではないだろうか。
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