正社員より非正規社員の方が少ない「自分の仕事は社会に役立っている」感
2015/05/01 08:25


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今調査は2015年3月30日から31日にかけて20代から50代の就業者(自営業・自由業、アルバイトやパートを除く)に対してインターネット経由で行われたもので、有効回答数は1000件。10歳区切りの世代構成比率、男女比は均等割り当て。調査実施機関はネットエイジア。
単に雇用主から職務を与えられて業務を果たすだけでなく、社会の構成員の一人として社会に貢献する役割を果たす、少なくともその意識を持って職務を遂行する、するべきであるといった発想が、昨今、特に震災以降浸透しはじめている。就業活動の可視化や社会問題の露呈化が顕著になってきたこと、価値観の多様化や情報伝達手段の容易化など、原因は多種多様におよぶ。また世間一般に問題視されている事象をビジネスとして注目し、解決するという新たなビジネスモデルの創出との考え方もある。さらには労働行為の意義に対する意識の変革との見方もされている。
今調査対象母集団に対し、自分の仕事が社会の役に立っていると感じているか否かを聞いたところ、全体では6割近くが肯定的、4割強が否定的な見解を示す形となった。

↑ 自分の仕事が社会の役に立っていると感じる
実際には職種によっても大きく考え方、見方は異なるため一概には言えないが、正社員よりも非正規社員の方が、自分の仕事に対する社会貢献の認識度合いが低いことが確認できる。特に「全く思わない」の回答率が正規・非正規間では2倍近い差が出ているのが印象的。
他方、公務員や団体職員といった公的就業様式にある人は、多分に自身の仕事に対し、社会的貢献の意義を覚え、就業している実態が確認できる。「世のため、人のため」を言葉通り実践しているとの想いを、多くの人が抱いているわけだ。
個人ベースでの就業に留まらず、自分が属している組織の事業そのものが社会の役に立っているか、さらにはその組織が社会貢献活動に力を入れているか否かとの認識でも、大よそ同じ図式が成り立っている。つまり組織レベルでも、正社員よりも非正規社員の方が社会貢献度の認識は低く、公務員や団体職員はずば抜けて社会貢献の意識が高い。

↑ 組織の事業が社会の役に立っていると感じる

↑ 組織が社会貢献活動に力を入れていると感じる
存在自体の社会への役立ち感は正社員で6割強だが非正規社員では5割強、公務員などでは8割超となり、強い社会感の下に就業しているのが分かる。組織としての社会貢献活動に関する認識はやや値が低めだが、それでも公務員や団体職員では5割超が肯定的な意見を有している。同時にこの意識こそが、公務員などの存在意義の一つでもあると考えれば納得もいく結果ではある。
ちなみに個々の就業に対するやりがいの持ちようだが、自分の仕事が社会の役に立っていると感じている人は圧倒的にやりがいを覚えているものの、そうでない人はやりがい認識は2割を切る結果が出ている。

↑ 仕事にやりがいを感じている
やはり自分の存在、行動が社会に貢献しているとの認識があればこそ、仕事へのやりがいも強いものとなるのだろう。
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