2024年では18.8%…携帯電話の買い替えをした世帯の割合(最新)

2024/10/23 02:43

このエントリーをはてなブックマークに追加
2024-1013通話機能はもとよりインターネットへのアクセスを介した多様な機能の実装で、魔法の情報ツール的な存在となりつつある携帯電話。中でも、機能面では従来型携帯電話よりはるかにパソコンに近いスマートフォンの存在は、人々の生活を大きく変化させつつある。今回はそれら携帯電話の世帯ベースでの買い替え動向について、内閣府が2024年4月9日に発表した【消費動向調査】の結果内容をもとに、実態を確認していくことにする。

スポンサードリンク


2024年は18.8%の世帯で携帯電話の買い替えが


「消費動向調査」の詳細、実測値で3月分から抽出している理由、「買い替え」の定義に関しては、先行記事の【携帯電話の買い替え年数】にて解説済み。詳細はそちらを参考のこと。また「買い替えをした世帯の割合」に関する説明はやはり別記事【カラーテレビの買い替えをした世帯の割合】で解説済み。要は新規購入ではなく買い替え、世帯単位でした・しないかの割合。

まずは総世帯、つまり全世帯における世帯単位の携帯電話買い替え状況。2024年は18.8%とあるので、2割近くの世帯が携帯電話の買い替えを経験していることになる。

↑ 携帯電話買い替え世帯率(総世帯、世帯単位)
↑ 携帯電話買い替え世帯率(総世帯、世帯単位)

直近の2024年は前年2023年と比べるとわずかながら高い値となった。ここ数年は23%ぐらいで安定していただけに、2023年の落ち込み方はイレギュラー的な減り方のように見えたのだが、直近2024年でもほぼ同じ値がつづいており、イレギュラーなものではないようだ。携帯電話の買い替えを躊躇するような出来事でもおきているのだろうか(景況感の後退が考えられるが)。

一方、今件値には新規購入世帯はカウントされていないことに注意。他の耐久消費財と比べると値が高めのように見えるが、単価が安いことに加え、世帯構成人数が複数の場合、誰か一人でも買い替え経験者がいれば該当世帯となるため、高めの値が出るのは道理が通る。

これを買い替え理由別に見たのが次のグラフ。一部で総計が上記グラフとは異なっている場合があるが、それは計算結果と表記上の都合によるもの。またいくつかの属性で0.0%が出ているが、これは皆無ではなく表示ケタの限りでは四捨五入で0.0%との計算結果が出たまでの話(調査の上で対象世帯数がゼロの場合は無表記でグラフには反映している)。

↑ 携帯電話買い替え世帯率(総世帯、世帯単位、買い替え理由別)
↑ 携帯電話買い替え世帯率(総世帯、世帯単位、買い替え理由別)

新機種は漸次発表・発売されており、かつてのiPhoneシリーズ一強のような勢力状態ではなくなっている。格安スマホへの乗り換えが「その他」の項目を押し上げている可能性はあるが、詳細までは分からない。「故障」の回答が多いのは、手持ちの端末が以前から何らかのトラブルを抱えていたが、新機種発売を機会にといった判断結果による可能性はある。さすがに「住居変更」での買い替え事例はほとんどない。

また2024年の詳細を見ると、「故障」「その他」が増えて、その分が全体の値を押し上げているのが分かる。「上位品目」は落ちこんでおり、買い替えをしたくなるような新機種に恵まれなかったように見える。

最後は直近年における主要属性別。

↑ 携帯電話買い替え世帯率(総世帯、世帯単位、属性別)(2024年)
↑ 携帯電話買い替え世帯率(総世帯、世帯単位、属性別)(2024年)

年齢階層別では50代が最も高い値を示し、それ以上の年齢では漸次値は低くなる。また、世帯年収別ではおおよそ高年収世帯ほど高い買い替え率が出ている。

二人以上世帯と単身世帯では!?


携帯電話はある程度買い替え世帯数も多く、計算上のぶれもあまり気にせずともよい状況にあることから、単身世帯(世帯主のみ)と二人以上世帯(世帯が二人以上で構成)それぞれの動向をざっと確認しておく。

まずは全般的な買い替え率。

↑ 携帯電話買い替え世帯率(世帯単位、世帯種類別)
↑ 携帯電話買い替え世帯率(世帯単位、世帯種類別)

二人以上世帯の方が当然世帯単位の携帯電話数が多くなるので、買い替えの可能性も高くなる。結果として、買い替え世帯率も高くなるのはものの道理。二人以上世帯では2割台の割合で携帯電話の買い替えが行われている。

続いてこれを買い替え理由で区分したのが次のグラフ。

↑ 携帯電話買い替え世帯率(世帯単位、買い替え理由別・世帯種類別)
↑ 携帯電話買い替え世帯率(世帯単位、買い替え理由別・世帯種類別)

どの属性も単身世帯より二人以上世帯の方が高い値を示している。個々の属性内全体に占める各理由別の比率は大きな違いはない。やはり二人以上世帯の方が全体の値が大きいのは、単純に世帯構成数=買い替える可能性のある人の数が多いからなのだろう。

最後は直近年における各種属性別の動向。

↑ 携帯電話買い替え世帯率(世帯単位、世帯種類別・属性別)(2024年)
↑ 携帯電話買い替え世帯率(世帯単位、世帯種類別・属性別)(2024年)

男女別では世帯種類を問わず男性の方が高い値が出る。世帯主年齢階層別では30代が高い値となり、それより年上はおおよそ値が漸減する動きを示している。ただし二人以上世帯ではいくつかの年齢階層でイレギュラーな値が出ており、29歳以下では該当世帯数の少なさが原因、40-49歳・50-59歳の高さは世帯内の子供による買い替え需要が影響しているものと思われる。

そして世帯年収別では低年収世帯で低めの値となる。これは世帯種類による傾向の違いはない。



携帯電話は新機種の展開に伴う買い替え需要が大きいため、iPhoneの新機種発売やau、ドコモの参入といった大型のイベント発生時における買い替え状況の動向を見たいところだが、残念ながらデータが2014年分以降しか公開されていないため、今回のような形となった。今後新たな、携帯電話市場を大きく揺るがすようなイベントがあれば、それを反映した値が示されるに違いない。もっとも本文で言及の通り、iPhoneの絶対優勢状況は薄れつつあるので、iPhone関連のイベントだけで大きく買い替え率が動くことはなくなるかもしれない。

また、新型コロナウイルス流行の影響で多くの携帯電話販売店では規制が取られる形となったが、少なくとも買い替えのデータに限ればその影響は生じていない。あるいは新規契約者に影響が出ているかもしれないが、今件データからはその実情は把握できない。

ともあれ、今後も逐次新データを盛り込み、状況の精査を重ねることにしよう。


■関連記事:
【携帯電話の買い替え年数(最新)】
【メールにチャットにソーシャルメディア…小中高校生のコミュニケーションツールの利用状況(最新)】
【小中高校生の携帯電話保有状況(2014年)(最新)】

スポンサードリンク



このエントリーをはてなブックマークに追加
▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2025 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー|X(旧Twitter)|FacebookPage|Mail|RSS