中国と日本、経済的にはどちらが重要? アメリカ人に聞いてみると……
2015/04/13 14:33
太平洋戦争終結70周年を迎える今年、多数の調査機関が日米関係に係わる調査を実施し、その結果を発表している。先日もアメリカの民間調査会社Pew Research Centerが日米両国国民の相手国への考えの実態をまとめた【Americans, Japanese: Mutual Respect 70 Years After the End of WWII】を発表している。今回はその中から、主に経済面においてアメリカ側が考えていることを確認していくことにする。
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アメリカにとって日本と中国、経済的にはどちらが大切か
今調査の調査要目は先行記事【戦後70周年を迎えた日米間の相手への考え方の共通認識と違う点】を参照のこと。
次に示すのは経済面から見て、日本と中国のどちらとの関係を強化するべきかを尋ねた結果。合わせて日本人に対し、中国とアメリカ、どちらの国との関係を強化した方が経済的にプラスとなるかも尋ねている。
↑ 中国と日本(アメリカ)、どちらとの関係を強化した方がアメリカ(日本)にとって経済的に重要か
日本では8割近くがアメリカを選び、中国は1割でしかない。一方でアメリカでは中国を選ぶ人が43%、日本は36%となり、中国優勢の結果が出ている。
これを属性別に見たのが次のグラフだが、結構はっきりとした差異が出ているのが分かる。
↑ 中国と日本、どちらとの関係を強化した方がアメリカにとって経済的に重要か
人種別では白人の場合は日本優勢、それ以外では圧倒的に中国優勢。世代別では歳を経るほど日本が優勢になり、若年層では中国びいきな状況が見て取れる。興味深いのは支持政党別の動きで、現在のアメリカ大統領であるオバマ氏が属する民主党を支持する人は多分に中国びいきだが、対抗政党の共和党では逆に日本びいきの人が多くなっている。次回の大統領選挙で大統領が輩出される政党が変われば、日米関係にも小さからぬ変化が生じる可能性はある。
日本は貿易面で信頼できるのか、関係は強化すべきなのか
中国の台頭でややアメリカにおけるポジションをやや危うくしている感のある日本だが、具体的にはどの程度信頼されているのだろうか。調査期間に随分と間が開いているが、貿易面での信頼度合いを尋ねた結果が次のグラフ。
↑ 日本は貿易面で信頼できる相手か
前世紀における信頼性の無さもたいがいなものだが、直近の2015年における急激な信頼の上昇ぶりも大いに気になる動き。もっとも前世紀末期、特に1980年代から1990年代中頃までは、いわゆる日米経済摩擦(貿易戦争)が過酷な状況にあったため、このような結果が出たのも仕方がない話かもしれない。
他方、日本の競合的な相手となる中国に関しては、全体的には37%のみが信頼できるとし、出来ないとする意見は48%にも及んでいると説明している。ただし世代間格差や人種間格差は大きく、若年層・非白人層ほど中国への信頼度は高いとのこと。
属性による違いはあれど、全般的には日本と比べて経済的なウェイトは高いものの、信頼度の点では注視が必要となる中国の台頭により、アメリカは日米関係について、これまでと比べてどのような価値観の変化を見出しているのだろうか。
↑ 中国の軍事的・経済的台頭に伴い、日米間の関係維持は……
軍事的要因が入っているのも一因だろうが、重要性を増したとの意見が6割を超え、減ったとの人は6%でしかない。変わらないとの意見29%も合わせ、少なくともアメリカの国民レベルにおいては、日米関係の悪化・軽視化を望む人はごく少数であるとの認識で問題あるまい。
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