日米戦争勃発から今に至るまで、日米間でもっとも重要な出来事ってなんだろう?

2015/04/13 08:26

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今年は第二次世界大戦・太平洋戦争が終結してから70周年を迎えることもあり、あちこちで戦前、あるいは戦後から現在に至る歴史を振り返る調査が実施されている。アメリカの調査機関の一つPew Research Centerでも先日2015年4月7日付で、日米両国民における双方の国に対する考え方などを調査した報告書【Americans, Japanese: Mutual Respect 70 Years After the End of WWII】を発表した。今回はその中から、戦中から現在に至るまでの間、どのような問題が日米関係にもっとも大きな影響をもたらしたかについて見ていくことにする。



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今調査の調査要目は先行記事【戦後70周年を迎えた日米間の相手への考え方の共通認識と違う点】を参照のこと。

対象期間を75年、つまり日米戦争が始まってから現在に至るまでに仕切り、その間に起きたさまざまな両国間における事象のうち、どれが一番重要な出来事かについて、回答者個人の見解として語ってもらった結果が次のグラフ。

↑ この75年間に渡る日米関係において次のうちどの事象がもっとも重要な出来事だと思うか(2015年)
↑ この75年間に渡る日米関係において次のうちどの事象がもっとも重要な出来事だと思うか(2015年)

個人の考えによって多種多様な想いがあるだろうが、この4選択肢においては日本人は日米安保条約、アメリカ人は太平洋戦争と東日本大震災がもっとも高い値を示すこととなった。その最大値を示した項目の違いだけでも、日米双方の相手国への想い、認識の違いが見えてきて興味深い。

具体的に日本人から見ていくと、最大の日米安保は36%、次いで東日本大震災が20%、太平洋戦争はその次に留まり、日米貿易戦争は14%でしかない。日本人の多くにとって太平洋戦争や日米貿易戦争はすでに歴史上の事象でしかなく、現在も外交・軍事面で大きな影響をもたらしている日米安保、そして数年前にその安保体制の実態を改めて認識させることになった東日本大震災が、日米間のつながりにおいて重要な事象として印象に残っていることが分かる。

他方アメリカ人から見た日米関係だが、最重要事案として挙げられているのが太平洋戦争と東日本大震災で同率の31%。アメリカの人から見れば地震は太平洋戦争と同じぐらい、日米間の関係において重要な出来事であったとの認識がある。報道姿勢などもあり、日本ではやもすればあまり大きく取り上げられていない感もあるアメリカの助力だが、アメリカ自身にとっては大いに心に刻まれたものであることが分かる。また、震災と係り合いのある日米安保も高めで23%。日米貿易戦争を挙げた人は日本より少なく8%でしかない。

属性別の詳細データの公開は無いが、ごく一部のものとして、アメリカの高齢者は太平洋戦争に関する回答率が高く40%を示しているが、最低値は若年層では無く50歳から64歳層の24%であるなど、明確な世代間のギャップは無いとしている。

アメリカにおいても東日本大震災は、日米関係において大きな出来事であることが、今件から再認識出来る。それだけでも、大いに注目すべきものといえよう。



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