小中高校生の携帯電話やパソコンでのインターネット利用状況(最新)

2018/04/14 05:10

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2018-0413ほんの数年前までは大人ですらアクセスすることが一つのステータスだったインターネットも、利用料金の廉価化やインフラの整備、利用機器の汎用化に伴い、多くの人が気軽に扱える、むしろ生活の上では欠かせない存在としての立ち位置を占めるようになりつつある。その浸透ぶりは子供達の間にも、スマートフォンを筆頭に顕著な形で表れている。今回は内閣府が2018年3月30日付で確定報を発表した、【平成29年度青少年のインターネット利用環境実態調査結果】の報告書データから、小中高校生におけるパソコンや携帯電話を用いたインターネットへのアクセス状況を確認していくことにする。



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パソコン利用者は9割以上がほとんど、スマートフォンも約9割強


今調査に関する調査要項は先行記事の【小中高校生のネット機器利用状況】を参照のこと。

次に示すのは小中高校生で主なインターネットアクセス機器として浸透しているデスクトップパソコン、ノートパソコン、従来型携帯電話、スマートフォンの4種類における、各媒体を利用している人のうち、どれほどの割合でインターネットを使っているかを示したもの。例えば小学校男子の従来型携帯電話の値は36.0%とあるので、小学生男子で従来型携帯電話を利用している人のうち、その携帯電話でインターネットを使っている人は3割強となる。なお「インターネットを利用」とは該当端末でインターネットを利用してウェブサイトやコンテンツを見たり、文章を書きこんでいる場合。インターネットを利用せずに、機能を使っている場合は該当しない。

↑ パソコン・携帯電話におけるインターネット利用状況(2017年、学校種類・男女別、各媒体利用者限定)
↑ パソコン・携帯電話におけるインターネット利用状況(2017年、学校種類・男女別、各媒体利用者限定)

パソコンは学校種類・男女別を問わず大よそ9割がインターネットを利用すると回答している。元々子供が自分のパソコンを所有している状況は想定しにくく、家族との共用、あるいは借受の形で利用していることから、インターネットへのアクセスが前提となる調べもの、動画の視聴などを、保護者監視・目視の前提で利用しているのだろう。

他方従来型携帯電話は学校種類別では高学年、男女別では男子の方がインターネット利用率が高い。パソコンやスマートフォンと比べて利用率が低いのは、防犯用として持たされていることもあり、インターネットの利用を必要としない、ノータッチとさせるパターンが多いからだろう。学校種類が上になると利用率も上がるが、それでも性能がハードルとなり、高校生でも5割から6割台でしかない。

スマートフォンでは小学生の利用者でも9割強がインターネットを利用している。見方を変えれば1割近くはスマートフォンを利用しているが、インターネットへはアクセスしていないことになる。これも保護者がリスクを考慮した上で、利用を差し止めているものと考えられる。大よそ音声による連絡用、よくて内蔵アプリなどインターネットへのアクセスを必要としないアプリのみの利用を許諾しているのだろう。

もっとも、学校種類間における差異はあまり無い。小学生では92.2%だが、中学生で96.4%、高校生では98.5%とほぼ全員。スマートフォンを利用できる環境にある時点で、ほとんどの人はインターネットも利用している・利用の許可を受けていると表現した方が適切かもしれない。

これを端末利用者では無く、各属性に対する比率で算出したのが次のグラフ。各端末の普及率が大いに反映される形となる。例えば小学生男子全体で、従来型携帯電話を使ってインターネットにアクセスする人は1.5%のみ。元々従来型携帯電話を利用している人が少ないため、最初のグラフの結果から値が大いに削られる次第である。

↑ パソコン・携帯電話におけるインターネット利用状況(2017年、学校種類・男女別、各属性全体)
↑ パソコン・携帯電話におけるインターネット利用状況(2017年、学校種類・男女別、各属性全体)

パソコンとスマートフォンは利用者の大半がインターネットを利用していることもあり、大よそ端末自身の利用率がトレースされる形となっている。高校生は89.4%、女子に限れば90.8%が、スマートフォンを利用してインターネットにアクセスしていることになる。パソコンで普及率の高いノートパソコンですら高校生全体で17.7%、女子に限っても19.3%に過ぎない状況と比較すれば、いかに高校生の間でインターネット=スマートフォン的な状況が一般化している実情が分かる。

また、パソコンと携帯電話との立ち位置を見ると、小学生ではノートパソコンとスマートフォンの差異は数%ポイントでしかない。ところが中学生となると一気にスマートフォンの躍進で差は約3倍にまで広がる。とりわけ女子の伸び方が著しい。パソコンも小学生と比べて値は増加しているが、その伸び方はゆるやかなものである。

特殊なスマホや従来型携帯電話では?


今件記事は元々【高校生は実質パソコンより携帯が上…小中高校生のインターネット利用状況(2014年)(最新)】を更新するスタイルの記事だったが、「青少年のインターネット利用環境実態調査」が2014年調査・2015年公開分から大きく仕様を変えてしまったため、多くの項目で経年観察が不可能となってしまった。今項目もそれに該当するため、2014年調査・2015年公開分以降はこの形態での記事として展開している。

そこで2014年分から新設する形で値が計上された、スマートフォンや携帯電話の細分化された派生機種についても、インターネットの利用状況を確認しておく。

↑ 携帯電話におけるインターネット利用状況(2017年)
↑ 携帯電話におけるインターネット利用状況(2017年)

それぞれのスマートフォン、従来型携帯電話の内情がよくわかる結果となっている。普通のスマートフォンと比べると、機能限定・子供向け、携帯電話の契約が切れたスマートフォンは、インターネットへのアクセスができなくてもよい、あるいはさせたく無いとの保護者の思惑がそれぞれ相応に反映される値となっている。また従来型携帯電話では、防犯目的専用端末とも評することができる機能限定・子供向け携帯電話では、端末利用者内においてインターネットを使っている人は2割近くでしか無い。そして普通のスマートフォン以外は元々利用者率が低いため、全体に占めるインターネット利用率も極めて低いものとなっている。

例えば格安スマートフォンを使ってインターネットを利用している人は、今調査対象母集団のうち3.2%。約31人に1人の割合。来年以降どこまでこの値が伸びるのか、注目したいところではある


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