高校生は平日でも1日4時間近く…小中高校生のスマホ経由でのインターネット利用時間(最新)
2024/04/04 02:34
機動力に長け、本体そのものが持つ機能に加え実装するアプリケーションの活用とインターネットのアクセスを通じて得られるサービス・情報の力を組み合わせることで、魔法のツールと化すのが携帯電話。特にスマートフォンはこれまで携帯電話の主流だった従来型携帯電話から大きな進化を遂げ、携帯電話の概念を「携帯できる電話」から「携帯型総合情報端末」へとシフトさせる役割を果たしている。今回はそのスマートフォンにスポットライトを当て、現在の小中高校生がどの程度の時間を、機能を最大限に引き出す源となるインターネットへのアクセスに費やしているかについて、内閣府が2023年3月に報告書を発表した【令和5年度青少年のインターネット利用環境実態調査結果】から確認していくことにする。
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今調査に関する調査要項は先行記事の【インターネット利用端末は小学生では家庭用ゲーム機、中高生ではスマートフォン(最新)】を参考のこと。
本来この記事は以前発表分の同一調査結果を元にした【女子高生は1日2時間半…小中高校生の携帯経由でのネット利用時間をグラフ化してみる(2014年)】を更新する形で行われるはずだった。ところが2014年度分から調査要項が大きく変わり、利用機種区分も細分化されたため、「携帯電話」とのざっくりとした分類での利用時間計測が不可能となってしまった。また従来型携帯電話は端末利用者そのもの、そしてインターネットの利用端末としての利用者が減り、精査をするには十分な回答数が得られない状態となっている。
そこで2014年度分・2015年発表分以降は携帯電話の中でまとまった回答数があり、精査が可能なスマートフォンの利用時間状況を確認している。なお直近年における小中高校生のスマートフォンを使ったインターネット利用率は次の通り。小学生42.9%、中学生78.7%、高校生97.4%となっている。
↑ デジタル機器利用状況(小中高校生、複数回答、該当機器でインターネットを利用、学校種類別)(2023年)(再録)
次に示すのは「スマートフォンでインターネットを利用している人」における、平日の平均的なスマートフォンによるインターネット利用時間。
↑ スマートフォンによるインターネット利用者における平日のインターネット利用時間(1日あたりの平均時間)(2023年)
青系統色ほど短時間、赤系統色ほど長時間となるように配色したが、おおよそ学校種類が上になるに連れて赤系統色が増える=時間が延びていることが分かる。平日で1日4時間以上の利用者は赤系統色となるが、小学生は1割足らず、中学生は2割台、高校生では4割強にまで増える。男女差はあまり出ていない。
この動向を、平均時間を算出することで確認できるのが次のグラフ。
↑ スマートフォンによるインターネット利用者における平日のインターネット利用時間(1日あたりの平均時間、分)(2023年)
小中高校生と綺麗な形で利用時間が延びている。また男女差は小中学生では女子が長めだが高校生では男子の方が長くなっている。高校生は「ながら利用」が含まれるとはいえ、1日のうち16.4%ほどをスマートフォンによるインターネット利用に費やしている計算になる。仮に睡眠時間を8時間とすれば、起きている時間のうち1/4近くに該当することになる。ながら利用もあるとはいえ、保護者が心配になるのも理解できるというものだ。
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