小中高校生の携帯電話などインターネット利用機器の利用状況(最新)
2024/04/03 02:38
インターネットの普及は大人だけでなく子供の間にも大きな変化をもたらしつつある。従来型携帯電話やスマートフォン、タブレット型端末にとどまらず、携帯ゲーム機や据置型ゲーム機、さらにはテレビなどに至るまで、アクセスできる環境は広がりを見せ、子供達がインターネットの世界に触れる窓口を解放している。それでは今の子供達のうちどれほどが、それらのインターネット接続可能機器を利用しているのだろうか。今回は内閣府が2024年3月に報告書を発表した、【令和5年度青少年のインターネット利用環境実態調査結果】を基に、その実情を確認していくことにする。
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小学生は家庭用ゲーム機がトップ
今調査に関する調査要項は先行記事の【インターネット利用端末は小学生では家庭用ゲーム機、中高生ではスマートフォン(最新)】を参考のこと。
次に示すのは小中高校生それぞれの、インターネットへのアクセスが可能な端末によるインターネット利用率(質問票では「インターネットを利用している機器をすべてえらんでください(いくつでも)」とある)。所有権がなくてもインターネットを利用さえしていれば回答には該当する。
なお次以降のグラフは、グラフ間の比較もできるように、基本的に縦軸の区分は統一している。さらに各値はそれぞれの学校種類の全体比であることに注意。例えば小学生のスマートフォンは42.9%とあるが、これは小学生全体のうち42.9%がスマートフォンでインターネットを利用していることを意味する。
まずは小学生。
↑ デジタル機器利用状況(小学生、複数回答、該当機器でインターネットを利用、全体比)(2023年)
トップは家庭用ゲーム機の75.8%。ほぼ同じ値で学校配布・指定のパソコンやタブレット型端末が続き、テレビ、そして自宅用パソコンやタブレット型端末。従来型携帯電話の利用率は低く、14.5%でしかないが、その多くは保護者が防犯用として持たせているものと考えられる。
スマートフォンは42.9%。小学生では家庭用ゲーム機、テレビ、自宅用パソコンやタブレット型端末よりも低いが、それでも4割強の値が出ている。
続いて中学生。
↑ デジタル機器利用状況(中学生、複数回答、該当機器でインターネットを利用、全体比)(2023年)
小学生と比べると家庭用ゲーム機の値は下がり、テレビも下がる。一方でスマートフォンの値は大きく伸び、中学生時点ですでに8割近くとなっている。中学生の時点で、インターネットを使うためのデジタル機器でもっとも使われているのはスマートフォンなのが現状。パソコンやタブレット型端末では自宅用が46.8%、学校配布・指定のものが72.0%。かなり高い値ではある。
従来型携帯電話は3.6%でしかない。防犯用としての利用もほとんどないようだ。
最後に高校生。
↑ デジタル機器利用状況(高校生、複数回答、該当機器でインターネットを利用、全体比)(2023年)
スマートフォンの値がさらに伸び、ほぼ全員となっている。他方家庭用ゲーム機は落ち込み、パソコンやタブレット型端末も落ちる。従来型携帯電話は2.1%でしかない。
おおよそこれらの流れから、インターネットに接続できる機種の利用状況は、小学生は家庭用ゲーム機がメイン、中学生はスマートフォンがメインで、学校配布・指定のパソコンやタブレット型端末が続き、家庭用ゲーム機がそれに続く、高校生ではスマートフォンがほぼ全員に使われている実情を示しているのが分かる。
スマートフォンの流れの詳細を確認する
本来今記事は携帯電話の保有=利用状況の経年推移として【小中高校生の携帯電話保有状況をグラフ化してみる(2014年)】を更新する流れのものだった。ところが「青少年のインターネット利用環境実態調査」が2014年版以降大きく調査内容が変わり、更新の形で精査が難しくなった項目が多々生じる形となった。今記事もその1つで、別途の流れによる記事構成となっている。
次に示すのは広義の意味でのスマートフォンの利用率。通常のスマートフォン以外に格安スマホ、子供向けスマホ、携帯契約切れスマホも該当し、それらも含めてとにかくスマートフォンでインターネットを利用している人の割合。
↑ スマートフォン利用率(全体比)(2023年)
↑ スマートフォン利用率(全体比、前年比)(2023年)
男女別ではすべての学校種類において女子の方が高い値を示している。防犯のために持たされている場合もあることや、女子の方が早熟でデジタル機器への関心も強い、さらにはインターネットなどの口こみツールに敏感なのが原因だろう。
現状では小学生の6割強、中学生の8割台、高校生ではほぼ全員がスマートフォンを使ってインターネットにアクセスをしている。ほんの数年前では信じられないような実情ではある。
また前年比では小学生の女子で大きな増加を示し、男子は小中学生ともに減少。もっとも、小学生の女子における増加以外は、実質的に誤差の範囲と見てもよいだろう。この勢いだとあと1、2年で小学生の女子におけるスマートフォン利用率も8割に届くかもしれない。
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