「一人回転寿司をしたことがある」41.0%(最新)
2024/04/25 02:38
世帯人数の少数化、一人暮らし世帯の増加、食生活の変化、さらには成人の一人における食事を肯定的に認識する社会的風潮により、いわゆる「ひとり飯」なる食のスタイルが世間一般に認められつつある。外食店ではその「ひとり飯」での利用が前提となるタイプの店もあるが、家族連れ、グループ利用が前提な店も多く、後者の店での個人利用は気恥ずかしさの点で「利用ハードルが高い」と言われている。今回はその認識が強い店の代表格として知られている回転寿司における「ひとり飯」の実情について、マルハニチロが2024年3月25日に発表した回転寿司に関する消費者実態調査などから確認していくことにする(【発表リリース:回転寿司に関する消費者実態調査2024】)。
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今調査に関する調査要項は先行する記事【利用者70.5%、そのうち月一以上は39.7%…回転寿司の利用実態(最新)】を参照のこと。
まずは「一人回転寿司店」をしている人はどれほどいるのだろうかについて。これまでに一度でも経験をしたことがある人の割合を示したものだが、全体では4割強との結果が出ている。見方を変えるとそれなりに日常生活において回転寿司店を利用している人でも、6割近くは「一人回転寿司店」をしたことが無いとなる。ただし「一人回転寿司店」の必要性は一人暮らし、夫婦世帯の構成員でも営業職などでは比較的高いものとなるなど、多様な条件によって値に変化が生じると推測されるため、男女や年齢階層のみの属性は影響を与える一要素に過ぎないと見た方がよい。
↑ 一人で回転寿司店に行ったことはあるか(月一以上回転寿司店利用者限定、属性別)(2024年)
全体では41.0%だが男性に限れば20代以降は4割超え、40代から50代では過半数となっている。ちょっとしたご褒美としてお昼ご飯に、仕事帰りに居酒屋で一杯、あるいは外回りの営業などの際の食事になど、利用機会は男性の方が多いように見受けられる。男女を問わず10代は少ない値となっているが、お財布事情を考えると、学生が「一人回転寿司店」を行うのは難儀するであろうことから、仕方がない感はある。
今件結果は男女別の区分の限りでは、女性は男性と比べて、一人で回転寿司を利用することを敬遠していると読み取れる。男性よりも就業中・就業後に立ち寄る機会が少ないのも一因だが、女性の「ひとり飯」がしにくい場所であるとのイメージがあるのも否定はできない。いわゆる「一人牛丼屋」に近い部分もある。
しかしながら昨今では食の多様化、近接他業種の事業広域化を受け、回転寿司店も多様なメニューを導入し、今や回転寿司店のシステムを採用したファミリーレストラン的な実態の店も多い。さらに店内の様相もこれまでの回転寿司のイメージではなく、カフェスタイルのようなところもある。
↑ カフェ利用で回転寿司店に行ったことはあるか(月一以上回転寿司店利用者限定、属性別)(2024年)
実態としてカフェ代わりに回転寿司店を利用した経験がある人は少数派だが、20代を中心に若年層において高い値が出ているのは注目に値する。
回転寿司店のカフェ的な品ぞろえの充実の動きもあるいは、コーヒーやスイーツを好む若年層が足を運びやすい雰囲気を演出するための施策の一つなのかもしれない。
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