進学か、就職か、それとも…高校生の「将来の進路」を探る(最新)
2018/10/30 05:11


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男子も女子も進学がトップ
今調査の調査要項については先行記事【果物の皮を包丁でむいたり、ぞうきんを絞ったり…いまどきの子供事情を探る】を参考のこと。
冒頭で触れた通り、高校2年生にもなると、具体的に自分自身の進路をイメージする必要が生じてくる。ましてや今件の調査期間は2月から3月と、実質的に3年生に進学する直前。それなりの確信を持った上での進路設計をしておかないと、最後の1年でベストを尽くすことも不可能となる。
次に示すのは高校2年生における、自分自身の進路としての希望を答えてもらった結果。択一回答なので、最優先・第一希望的な内容となっている。

↑ 卒業後の進路としてどれを希望するか(択一、高校2年生)(2016年度)
男女とも最多回答は進学。男子は66.5%、女子は78.7%。次いで就職が男子25.8%、女子15.9%。男子よりも女子の方が進学希望者が多く、12.2%ポイントの差が出ている。
アルバイト、家事手伝い、その他はいずれもごく少数で、それぞれ1%足らず。女子の家事手伝いの回答率が0.0%(回答者がゼロでは無いが計算上0.0%となる)なのを意外に思う人もいるかもしれない。また「決めていない」との回答率は男子6.0%、女子4.0%。高校2年の終わりの時点でまだ進路について、これだけの人が思い悩んでいる計算になる。
これを経年変化で見たのが次のグラフ。

↑ 卒業後の進路としてどれを希望するか(択一、高校2年生)
男子は上下にぶれながら大きな変化はないものの、女子は確実に進学希望率が増えているのが分かる。また女子は調査時点で「決めていない」の回答率も漸減しているのが特徴的。進路に関して固い意志を有する女子が増えてきた、と解釈するのがよいのだろう。
塾通いと進路の関係
よい機会でもあるので、各回答者の塾通いの現状と希望進路の関係を算出しておく。あくまでも相関関係であり因果関係を示すものでは無いが、興味深い結果が出ている…のだが、残念ながら現時点では直近分2016年度のクロスデータは発表されていない。そこでクロスデータが取得できる最新調査分となる2012年度の値で精査を行う(2016年度分の値公開が確認されたら、再精査を行う)。

↑ 卒業後の進路としてどれを希望するか(択一、高校2年生、週に塾がある日数別)(2012年度)
塾通いをしていない人は進学希望率が低く、就職率が高い。進学するつもりが無いので塾通いをしていないと考えれば道理は通る。その分、就職希望率は25.7%と群を抜く形で高い。
また、塾通いをしている人はその頻度による差異はほとんど無く、進学希望者が大部分で、就職を選択肢に選ぶ人もごくまれ。決めた進路「進学」を確かなものとするため、塾に通っていると考えるのが普通だろう。ただし毎日塾通いをしている人に限り、進学希望率がいくぶん低めで、代わりにアルバイトや家事手伝い、「決めてない」などに分散する、稀有な結果が出ている。単なるイレギュラー値かもしれないが、興味深い話ではある。
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