ちょっと気になるアメリカでのFacebook利用の内情
2015/01/13 11:25
少なくとも西欧諸国圏では断トツ、日本でもいつの間にか主要ソーシャルメディアの一つにのし上がる形となったFacebook。サービス本国となるアメリカではとのような使われ方をしているのだろうか。今回はアメリカの民間調査機関Pew Research Centerが発表した調査結果を基に、同国におけるFacebookの利用スタイルに関して、フレンズ登録者数やその傾向、利用頻度の観点から見ていくことにする(【発表リリース:Social Media Update 2014】)。
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今調査の調査要項は先行記事の【Facebookは伸び悩み、PinterestやInstagram、Twitterはグンと成長…米ソーシャルメディア利用実情】を参考のこと。
FacebookではTwitterのフォローのようにフレンズ登録をすることで、その人の書き込みなどのアクションを追いかけることができる。利用文化的にはTwitterと比べると身内感・グループ感の意味合いが強く、単に他人の書き込みを読むというよりは、一体感を持つコミュニティの一員として加わった意味合いが強い。「Facebookは主婦の公園での寄り集まり。緊密な関係になれるが、ちょっと堅苦しい間柄となり、また他人に気を使ってしまう」「Twitterは『孤独のグルメ』の主人公・井之頭五郎氏の立ち位置や、彼が足を運ぶ食堂など。他人と同じ場で食事をして、その他人の食べ方なども見聞をするが、あくまで他の人は他人に過ぎず、深入りはしないで済む」と例えれば分かりやすいかもしれない。
そのフレンズ登録者の数だが、ゼロの人はほとんどいないものの、登録者数が100人以下の人は39%、250人以下の人は19%、500人以下の人は22%となり、随分と多いように見受けられる。タイムラインが非常に煩雑なものとならないか、少々不安を覚える。あるいはTwitterのような流し読み・読みそこないがあっても構わない的な使い方なのだろう。
↑ Facebookのフレンズ登録者状況 (2014年、米、Facebook利用者限定)
ただしそれらの多くはネット上で知り合った人が該当しているようだ。現実の友達(など知り合い)でもある人のみをカウントすると、100人以下が7割を占め、250人以下は13%ほどでしかない。例えば趣味のサークルにおける知人、部活動や学校の関係者、会社の同僚を登録するのなら、肉親も合わせれば100人ぐらいは手が届くかもしれないが、それ以上はあまり想定しにくい事例となる。
具体的にフレンズ登録者にはどのような人が居るかを聞いた結果が次のグラフ。両親・子供のような一番身近な親族は意外に少なく、5割を切っている。
↑ 自分のフレンズ登録者の中に次の属性の人はいるか(2014年、米、Facebook利用者限定)
無論子供が居ない人は子供を登録できるはずもないなど、論理的に不可能な場合もあるが、それに該当する人は1割前後でしかない。あまりにも身近すぎるとかえって気まずいところも生じるため、あえて登録しないのは、どの国でもあまり変わらないようだ。
一方、両親や子供以外の親族、例えば兄弟姉妹、叔父や叔母などを登録している人は9割以上。それなりに連絡を取りたいが、現実として身近にいるとは限らない人に対するアプローチ方法として、Facebookは有効活用されている。また今の、あるいはかつての友達との連絡手段としても愛用されている。
興味深いのは「ネットで初めて出会った人」が39%に留まっていること。見方を変えるとFacebook利用者で約6割は、現実で会ったことがある人としかFacebookのフレンズ登録をしていないことになる(ネットで初めて出会ったが、その後リアルで対面する、付き合いを持つ場合もあるため、実際にはもう少し上乗せされる)。他方上記のグラフの通り、現実で対面したことがあるか否かで大きく登録者数が異なる実情を見ると、ネット上のみでの知り合いを登録している人は、多くの人を登録しているであろうことが想像できる。
ちなみにFacebookのタイムラインや各Facebookページなどでアクティブな行動、例えば「いいね!」を押して共有したり、自ら書込みをしたり、投稿をしているか、その頻度を聞いたところ、積極的な行動派は2/3、残り1/3は消極派、さらに7%は絶対しないとする回答が得られた。
↑ Facebook利用の際にどれ位の頻度で共有やコメント、投稿をしているか(2014年、米、Facebook利用者限定)
利用者の2/3が積極的に書き込みを行い、コンテンツを創生していく。その内容は多種多様に違いないが、Facebookが全体像として大きく拡大し続けていくのも十分理解できるというものだ。
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