アメリカでは伸び悩み、でもまだ圧倒的立場にあるFacebookの実態

2015/01/12 19:02

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先行する記事【Facebookは伸び悩み、PinterestやInstagram、Twitterはグンと成長…米ソーシャルメディア利用実情】で解説の通り、先日アメリカの民間調査機関Pew Research Centerが発表した調査結果によると、同国におけるFacebookの利用者率は伸び悩みを示していることが分かった。一方でFacebookは今なお圧倒的な立場にあることも事実。今回は主要ソーシャルメディアの利用頻度と重複利用度合いの観点から、その実態を確認していくことにする(【発表リリース:Social Media Update 2014】)。



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利用頻度が極めて高いFacebook


今調査の調査要項は先行記事の【Facebookは伸び悩み、PinterestやInstagram、Twitterはグンと成長…米ソーシャルメディア利用実情】を参考のこと。

次に示すのは今回の調査結果でスポットライトが当てられている5つのソーシャルメディア、Facebook・Twitter・Instagram・Pinterest・LinkedInの利用者それぞれにおける、該当サービスの利用頻度。各サービスを単に利用しているか否かではなく、どの程度の熱中度で利用しているかが分かる。

↑ ソーシャルメディアの利用頻度(米、2014年、各利用者対象)
↑ ソーシャルメディアの利用頻度(米、2014年、各利用者対象)

写真や映像の撮影アプリInstagramが、その機能上利用頻度が高くならざるを得ない事例のように、それぞれの特性によって利用頻度は異なってくる。ただし多分に使い手側の熱中度合いでコントロールされる部分も多い。例えば就職活動や仕事のやり取りなどで多用されるLinkedInだが、極論としてそれこそ毎時間のようにアクセスし、リアルタイムに近い返答をするのも一つの利用スタイルではあるものの、実際には多くの人が週一未満でしかアクセスしていない。1日1回以上の利用者は13%に限られている。

Pinterestは週に一度も利用していない人が過半数。Twitterは毎日利用している人は1/3強だが、その一方で週一未満の人も4割居る。Instagramは毎日利用がほぼ半数。利用頻度はかなり高め。

そしてFacebookだが、毎日利用者は7割。一日複数回利用に限っても5割近くに登っている。利用者の13%しか週一未満の利用者は居ない。いかに多くの人がFacebookにのめり込み、アクセスを重ねているかが分かる。

Facebookは「とりあえず」的存在


利用頻度だけでなく、他サービスとの併用度合いでもFacebookは秀でている。次に示すのはインターネット利用者に対し、今回取り上げた5サービスのうちいくつを利用しているかを聞いたもの。1つも使っていない人は21%、1つのみは28%、2つは24%などとなり、52%は複数のソーシャルメディアを同時に使っている計算になる。

↑ ソーシャルメディアの複数利用状況(米、インターネット利用者限定)
↑ ソーシャルメディアの複数利用状況(米、インターネット利用者限定)

2013年からの変移を見ると、ゼロ・1つが減り、2つ以上の回答者が増えている。複数のソーシャルメディアを包括的に利用する人が増えているのが分かる。

それでは具体的に、どのようなマルチ利用をしているのだろうか。それを見たのが次のグラフ。

↑ ソーシャルメディアの複数利用状況(具体的実情)(米、インターネット利用者限定)
↑ ソーシャルメディアの複数利用状況(具体的実情)(米、インターネット利用者限定)

読み方がやや複雑だが、例えば横の段のTwitterは「Twitterを利用している人」を意味する。棒グラフの一番左側にある58%は「Twitter利用者のうち58%は、Instagramも併用している」と読む。当然、Twitterの項目ではTwitter自身の部分は空白となる(Twitter利用者に「Twitter利用してる?」と聞けば全員がハイと答えるに違いが無いからだ)。

まず最初に目に留まるのがエメラルドグリーンのFacebookの値の大きさ。これはTwitter・Instagram・Pinterest・LinkedInそれぞれの利用者はFacebookを併用している人が多数に及んでいることを意味する。一方Facebook利用者は他の4サービスの併用率は3割前後でしかない。状況としては「とりあえずFacebook」で、併用して他のサービスも利用する、かもといった形になる。

他のサービスの連動性を見ると、Twitterは他との相性がやや良好、LinkedInはいくぶん低迷の感はある。もっともその違いは精々数%程度のものなので、特性と結論付けるほどのものは無いのかもしれない。



「若者のFacebook離れ」という語呂の良さから、日本でもよく見受けることができるFacebook衰退論。少なくともかつてのような飛躍的成長ぶりはもう見られないのは間違いない。他方アメリカに限っても、定番中の定番的なポジションについたこともまた事実。管理運営側が適切な対処を施し、巧みな運営を忘れない限り、この絶対的なポジションは末永く維持されるに違いない。


■関連記事:
【FacebookとツイッターとTumblrと…世界のソーシャルメディアシェア事情(2014年)】
【Facebook、ツイッター、Googleプラス…主要ソーシャルメディアの利用度合い(ICMR2013版)】
【ツイッターはほぼ半々、Facebookは女性多し…アメリカにおけるソーシャルメディアでニュースを読む人事情(SNM2014版)】
【アメリカでのFacebookとツイッターの利用動向】



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