PinterestとInstagram、2大写真系ソーシャルメディアのアメリカにおける利用状況は?

2015/01/12 14:06

このエントリーをはてなブックマークに追加
アメリカ発のソーシャルメディアで日本でも浸透著しいものといえば【FacebookとTwitter、2大ソーシャルメディアのアメリカでの利用実態を探る】で解説したFacebookとTwitterがよく知られている。一方で写真・画像にスポットライトをあてたソーシャルメディアとしてはPinterest、Instagram、Tumblrなどが知られており、アメリカをはじめとして諸外国では盛況を博しており、日本でも少しずつ利用率を高めつつある。今回はそのうちPinterestとInstagramの2サービスについて、アメリカの民間調査機関であるPew Research Centerが2015年1月9日に発表した調査結果から、同国の利用実態を確認していくことにする(【発表リリース:Social Media Update 2014】)。



スポンサードリンク


女性の圧倒的な利用感…Pinterestの場合


今調査の調査要項に関しては先行記事の【Facebookは伸び悩み、PinterestやInstagram、Twitterはグンと成長…米ソーシャルメディア利用実情】を参考の事。

日本ではFacebookやTwitterと比べて今一つな知名度のPinterestやInstagramだが、そのサービスの内容は以前【Pinterest、Instagram、Tumblr…米におけるサイト上でのマルチメディア共有サービス利用動向】【Pinterest、Instagram、Tumblr、確実に浸透中・サイト上での画像・映像共有サービス】で解説した通り。要は「Pinterest…他人にも閲覧してもらえる動画や写真のウェブ・スクラップブック」「Instagram…他のソーシャルメディアとの連動性が高い、動画や写真の共有アプリ」とまとめられる。いずれもスマートフォンが普及浸透したからこそ世に生まれ出でることとなったサービスに違いない。

その2サービスのうちPinterestだが、アメリカの成人における利用状況を確認した結果は次の通り。全体ではインターネット利用者のうち28%が利用している。

↑ Pinterest利用状況(米、インターネット利用者限定)
↑ Pinterest利用状況(米、インターネット利用者限定)

今回Pew Researchが呈した4サービス、Facebook・Twitter・Pinterest・Instagramの中でPinterestが他サービスと比べて大きく異なる値を示しているのが、男女による利用状況の違い。他は男女差があっても精々数%ポイントだが、Pinterestは3倍強もの差をつけて女性が多用しているのが確認できる。女性に限ればインターネット利用者の5人に2人以上が使っている計算になる。デザイン性や操作のし易さ、きれいなものの収集という感覚のサービスであることが大いに受け入れられたのだろう。

世代別では若年層、学歴別では高学歴、年収別では高年収の方が利用率が高い。これは他サービスと変わる所が無い。興味深いのは居住地別で、地方ほど利用率が高い結果が出ている。

前年からの変移を見ると、すべての属性で増加。伸び悩みそうな高齢者層でも大きく上昇し、1年間でほぼ倍増との値を示している。操作のし易さが好まれたのだろうか。この勢いなら次年分となる2015年の計測値でも、大きな伸びが期待できそうだ。

若年層に超人気…Instagramの場合


Pinterestは既存のコンテンツの整理手帳のようなものだが、Instagramはコンテンツそのものを創って他人と共有するためのコミュニケーションツールと表現できる。創作意欲をかきたてる、気軽に自作を他人にアピールできる点は、特に若年層に受け入れられている。

↑ Instagram利用状況(米、インターネット利用者限定)
↑ Instagram利用状況(米、インターネット利用者限定)

男女別ではいくぶん女性の方が利用率が高いが、その差はPinterestほどではない。一方、世代別では大きなギャップが生じている。2014年ではシニア層も6%にまで値を引き上げたが、それでも18-29歳の53%(過半数!)と比べればほぼ1/9でしかない。創作は室内でも可能だが、写真の見栄え、可能性を考えると積極的に屋外に出ている人の方が、Instagramの価値を見出しやすく、活用もし易い。行動的な若年層が大いに利用しているのもうなづける。6秒までの再生が可能な短時間動画投稿サービスのVineが若年層に圧倒的な支持を受けているのと同じである。

面白い動きを示しているのは世代別だけでは無い。学歴別、年収別では属性別の差がさほど見られない。写真や動画を気軽に撮って広める行為は、学歴や年収の幅を超えて楽しめるということなのだろうか。他方地域別では意外にも、都市部の方が利用率が高い。それだけ撮影したくなる素材が多いと判断されているのか、あるいは都市部の方が若年層の居住比率が高いため、結果として利用率も高いものとなるのかもしれない。

経年変化を見ると、Pinterest同様にどの属性でも大きな上昇が確認できる。特に2013年の時点でほとんど使われていなかった属性、シニア層や地方居住者の利用率上昇が著しい。サービスが確実に末広がり的に浸透し始めたあかしともいえる。



ソーシャルメディアに該当する、そして調査元のアメリカで普及しているサービスには、他にVineやTumblr、そしてYouTubeなどが思い浮かぶが、今調査結果の発表ではそれらの利用状況は公開されていない。Vineは未確認だが、TumblrやYouTubeはPew Research Centerでも定期的に調査を行っているはずなので、機会があれば利用動向が公開されるものと考えられる。

今件項目からはアメリカにおいてはPinterestは女性、Instagramは若年層において突出した支持を集めていることが分かった。日本ではどのような状況なのだろうか。精査可能な調査結果があれば、確認していきたいところではある。


■関連記事:
【InstagramとSnapchat、写真や動画を共有する新たなアプリの米利用性向】
【写真や動画の共有アプリ、InstagramとPinterestの米利用性向】
【FacebookとツイッターとTumblrと…世界のソーシャルメディアシェア事情(2014年)】



スポンサードリンク



このエントリーをはてなブックマークに追加
▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2024 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー|X(旧Twitter)|FacebookPage|Mail|RSS