FacebookとTwitter、2大ソーシャルメディアのアメリカでの利用実態を探る
2015/01/12 09:56
ロシアや中国などのように自国語母体のサービスが主流の国、地域もあるが、世界全体で見ればFacebookが一番使われているソーシャルメディアであることに違いはない。また最近では写真・動画系に押され気味ではあるものの、ツイッターが数あるチャット系ソーシャルメディアの中では大いに注目されているサービスなのも事実。今回は両サービスに関して、アメリカの民間調査機関であるPew Research Centerが2015年1月9日に発表した調査結果から、生まれ故郷であるアメリカにおける利用状況を確認していくことにする(【発表リリース:Social Media Update 2014】)。
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全体では71%、若年層は9割近く…Facebookの場合
今調査の調査要項に関しては先行記事の【Facebookは伸び悩み、PinterestやInstagram、Twitterはグンと成長…米ソーシャルメディア利用実情】を参考の事。
次に示すのは各属性毎の、インターネット利用者におけるFacebookの利用状況。全体ではインターネット利用者のうち71%が、Facebookの利用経験あり、としている。
↑ Facebook利用状況(米、インターネット利用者限定)
全体比では前年の2013年から変化はしていない。何らかの形でシフトが起きているのか、それとも単に各属性で変わりなく利用されているのかを知ることが出来るわけだが、実際には中堅層のFacebook離れ、シニア層のFacebookへの接近という実態が確認できる。学歴別では高学歴者の利用が増え、年収別では高年収者が増えている。もっとも学歴と年収は多分に連動する関係があることから、両者は合わせて一つの事象と見てよいだろう。
詳細は機会を改めて解説するが、Facebookの利用者では次のような傾向が見受けられる。
・91%は実際の友達でフレンド登録者が居る。
・87%は旧友(昔の学校の同級生など)と連絡を取り合っている。
・58%は仕事の同僚と連絡を取り合っている。
・45%は両親がフレンド登録者。
・43%は子供がフレンド登録者。
・39%は実際に合ったことが無い人と連絡を取り合っている。
・36%は実際に近所づきあいのある人とフレンド登録をしている。
Facebookはツイッターなど他のソーシャルメディアと比べると、リアルな関係との間における相関関係が高いことで知られている。原則実名主義であることに加え、その由来を考えれば容易に理解はできるが、仕事や家族との関係の実態には、驚きを覚える人もいるだろう。
おおよそ1/4が利用者…Twitterの場合
同じくインターネット利用者におけるTwitter利用状況は次の通り。
↑ Twitter利用状況(米、インターネット利用者限定)
先行記事で記した通り、Facebookと違いTwitterではこの1年で大きな利用者増加が確認されている。その実態としては、女性よりも男性、高学歴・高年収者がより積極的に使い始めた形となっている。変化面での世代別や地域別の差異は特に見られない。もっとも現状では、若年層、高学歴・高年収、そして地方よりも都心部でTwitterが多用されている現状に変わりはない。
成長ぶりは注目すべきではあるが、それでもなおTwitterの利用状況はFacebookと比べて1/3程度でしかない。特に世代別における差異が著しく、Facebookでは最大でも1.6倍程度の差しか出ていないのに対し、Twitterでは3.7倍もの差が出ている。今後Twitterはさらに利用率の増加が見込まれるが、世代による差異は開いたままとなる可能性が多分にある(インターネットを利用できるか否かという、ネットギャップによるものではないことに注意)。Twitter運用側としては、世代間の格差を埋める、言い換えれば高齢層の利用を促進させるかが、大きな課題となることだろう。
■関連記事:
【FacebookとツイッターとTumblrと…世界のソーシャルメディアシェア事情(2014年)】
【Facebook、ツイッター、Googleプラス…主要ソーシャルメディアの利用度合い(ICMR2013版)】
【ツイッターはほぼ半々、Facebookは女性多し…アメリカにおけるソーシャルメディアでニュースを読む人事情(SNM2014版)】
【アメリカでのFacebookとツイッターの利用動向】
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