価格か鮮度かそれとも産地か…野菜購入時の重視点を探る(最新)

2020/04/21 05:23

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2020-0404直接、あるいは調理などを施した上で口に入れることから、食品購入時のこだわりは他の商品以上のものがある人が多い。一方でそのこだわりがどのような点に向けられるのかは人それぞれ。今回はJC総研が2020年3月13日に発表した、農畜産物の消費行動に関する調査結果を基に、野菜に焦点を当てて、購入時の重視点をどこに据えているかについて確認を行うことにする(【発表リリース:農畜産物の消費行動に関する調査結果】)。


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野菜購入時の重視点は鮮度が一番、価格が二番


今調査の調査要項などは先行記事【お米を食べる機会は減っているのだろうか】を参照のこと。

野菜を購入している人に限定した上で、購入時にどのような点を重視しているかを5つまでの複数回答で尋ねたところ、もっとも多くの人がウェイトを置いているのは「鮮度」だった。60.1%の人が野菜は鮮度を重視して購入すると答えている。

↑ 野菜購入時の重視点(5つまでの複数回答、野菜購入者限定)(2019年度)
↑ 野菜購入時の重視点(5つまでの複数回答、野菜購入者限定)(2019年度)

次いで多いのは「販売単価」で56.9%。さらに「特売」が31.3%と続く。鮮度、販売単価、特売の3項目が野菜選別の際の重要な要素との結果に、うなづく人も多いだろう。

価格関連の動きを見ると、第2位の「販売単価」や第3位の「特売」以外にも「予算内」「見切品値引き」などが続く。対象となる種類の野菜であれば、鮮度や量、見た目などは二の次とする考え方だが、スーパーのセールス時間帯や特売コーナーによく足を運ぶ人は、「これだけライバルがいるのか」と思うかもしれない。

味わいにこだわる人も多い。「鮮度」はもちろんだが「旬」「味・食味」なども上位に挙がっている。他方「見た目・形」「色づき・つや」などの見た目を気にする人は「旬」などよりは少ない。他方「国産品」は「旬」の次だが上位につくほど重要視されている。

属性別、経年推移を見ると


この野菜購入時の重視点について、いくつかの区分で見ていくことにする。まずは回答者の属性別。年による野菜のこだわりの違いがよく出た形となっている。

↑ 野菜購入時の重視点(5つまでの複数回答、野菜購入者限定、上位陣、属性別)(2019年度)
↑ 野菜購入時の重視点(5つまでの複数回答、野菜購入者限定、上位陣、属性別)(2019年度)

既婚は「鮮度」「国産品」、単身は「販売単価」「量の程よさ」を他の属性より重要視している。それぞれの立場の事情(既婚は家族全員のため、単身は自分一人分のみのための食材を調達する。加えて単身はお財布事情が厳しい)が透けて見えてくる。また、特に「特売」「量の程よさ」は単身女性、「鮮度」「旬」「味・食味」は既婚女性が群を抜いて高い値を示しているのも興味深い。

調査年度別では、時代の流れを感じさせる動きが見受けられる。

↑ 野菜購入時の重視点(5つまでの複数回答、野菜購入者限定、上位陣)
↑ 野菜購入時の重視点(5つまでの複数回答、野菜購入者限定、上位陣)

多くの項目で回答率は漸減しており、複数のこだわりを示す人が減っていることが推測できる。一方で「販売単価」「特売」「見た目・形」「量の程よさ」などは増加の動きを見せている。各項目の順位が大きく変動するほどではないが、野菜の選択眼にも変化が生じているということか。


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