中高生に聞きました「テレビやネット、しながら勉強やってます!?」
2014/12/29 10:06
大人の少なからずは深夜放送のラジオを聴きながら、受験勉強や定期テスト前の勉強をした経験があるはず。利用可能なメディアが増えた昨今では、同じように勉強中の「ながら視聴」の対象も増え、さらにインターネットを用いたコミュニケーションサービスをしながらの勉学というパターンもあり得る。実態としてどれほど、そしてどのようなメディアによる「ながら勉強」が行われているのだろうか。2014年12月9日付でベネッセ教育総合研究所が発表した調査報告書を基に、中高生の現状を確認していくことにする(【発表リリース:中高生のICT利用実態調査 2014 報告書】)。
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今調査に係わる調査要件など各条件は先行記事【パソコン、スマホにタブレット…いまどき中高生の所有率を探る】で確認のこと。その記事で詳細を説明しているが、今調査対象母集団では中学生が87.3%、高校生は96.6%がインターネットを利用したと答えている。それではその普及率下において、彼ら・彼女らはどのようなメディアを用いた「ながら勉強」をしているのだろうか。インターネット利用者限定では無く、全体に複数回答形式で聞いた結果が次のグラフ。
↑ 自宅で次のようなことをしながら勉強をすることがあるか
中高生とももっとも多く行われている「ながら勉強」の対象は「携帯音楽プレイヤーやスマートフォンで音楽を視聴」。中学生では5割強、高校生では7割近くが経験ありとしている。選択肢にはラジオ聴取が無いが、それに近い音楽の視聴は多くの中高生に「ながら勉強」の対象として行われていることになる。BGM的に使っていると考えれば、大いに納得できるというもの。
次いで多いのは中学生では「テレビを見聞きしながら」。こちらは中学生では4割強、高校生では4割近く。テレビが主要な娯楽である中高生には、勉強の際にもテレビが欠かせない人も多いのだろう。もっともテレビの画面をしばしば観て注力するか、BGMのように音だけを聴き、時折目を配る程度のバックグラウンド動画的に認識しているのか。今件選択肢では双方が含まれるため、その注力の度合いは定かではない。
高校生では「テレビを見聞きしながら」よりわずかに高い値で「メールやチャットを書きながら」が上位についている。テレビの見聞きは受動的だが、メールやチャットの書き込みは能動的で、ある程度注意を集中させないとまともな行動は不可能。勉強の上でのながら行動のはずが、主従が逆転してまうことも多分にあるのではないだろうか。
その他「インターネット上の動画サイト視聴」や「チャットやSNSを見ながら」も高校生の方が中学生より高い値を示している。高校生は中学生と比べて「テレビよりもネットの動画を見る時間が長い」と回答している人の割合も多く、それだけネット上のコンテンツに夢中になっている割合が多い。結果として勉強中も多様なネットコンテンツに気を配りながらやってしまう人が多いものと考えられる。
直上で挙げた「ラジオを聴きながら」をはじめ、他の「ながら勉強」の対象メディアも想定されるが、それらも含めて今件の5項目に該当しない人は中学生で1/4程度、高校生では1/7程度しかいない。勉強の最中に他の行動をすることに否定的な保護者には、好ましくない結果ともいえよう。
「勉強中に能動的な行動、メールなどの書き込みをしては気が散るのでは」との懸念もある。実際今項目の付随データでは、メールやチャットの書き込みをしたり、ソーシャルメディアなどの書き込みを見ながらの項目において、成績が上位・学校が進学校系の回答者ほど低い値が出ている。
あくまでも相関関係のみの立証で、因果関係までは説明できないものの、音楽を聴いたり動画を見るタイプの受動的な「ながら勉強」では差異が生じていないことも合わせ、考察配慮する価値は大いにあるといえよう。
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