ネット上なら友達100人どころじゃない? 中高生のネットなつながり、その内情
2014/12/24 14:29
スマートフォンなどを用いてインターネット上のコミュニケーションサービスにアクセスし、色々な人と交流し、まるでその場にいるかのような充足感と密着感を実感する。他人と共に過ごす時間を心地よいものとし、意志疎通そのものが楽しくなってしまう。対面でのおしゃべりと同じ楽しみをいつ、どこででも出来ることから、老若男女を問わずコミュニケーションサービスは好評を博している。それでは歯止めが利きにくいことで周辺から心配の声すらうかがえる中高生は、各サービスをどれだけの人が利用して意志疎通をしているのだろうか。2014年12月9日付でベネッセ教育総合研究所が発表した調査報告書から、その実情を見ていくことにする(【発表リリース:中高生のICT利用実態調査 2014 報告書】)。
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今調査に関する各種要項は先行記事【パソコン、スマホにタブレット…いまどき中高生の所有率を探る】で確認のこと。その記事で詳細は解説しているが、今調査対象母集団では中学生が87.3%、高校生は96.6%がインターネットを利用している。さらにインターネットを用いる時間の6割から7割程度は、メールやチャット、ソーシャルメディア、ツイッターのような、意志疎通・交流サービスを利用している。
それでは具体的に、彼ら・彼女らはネット上の交流サービスで、どのような人たちと普段からやりとりをしているのだろうか。中高生で遭遇しうるリアルな場面での対面相手、そしてインターネット上で知り合った人・友達の選択肢を用意し、それぞれとネット上で交流サービスを使っての意思疎通をしているか否かを聞いた結果が次のグラフ。
↑ 普段次の人とメールやチャット、SNS、ツイッターでつながっているか(インターネット利用者限定)
大よそ学年が上がるほど利用率は上昇する。保護者から交流サービスの利用を許可されるようになる事例が増えることや、現実において接触した経験を持つ人が増え、交流する機会が増加するからに他ならない。また、高校生になると一気に値が増える項目が複数、特に「昔の学校の友達」で顕著に見られるが、これは高校に進学した後、交流範囲が一層、特に上下の学年間で広がるのと共に、かつて中学で仲が良かったものの高校が別々になった友達と、引き続き交流を続ける事例が多分に生じるからだろう。他の区分との重複も考えられるが、異性の友達とのネット上での交流をしている人も半数前後に及ぶ。
一方、インターネットで知り合った人・友達、つまり現実の世界での知人「では無く」、元々見知らぬ人で、ネットの上で知り合う機会を得た人との交流は、さほど多くない。大体2割から3割に留まっている。
この「インターネットで知り合った人・友達」(知り合った後に、現実で相対した経験があるか否かは今設問では問われていない)と普段からやりとりをしているか否かについて、詳しい属性別に仕切り分けしたのが次のグラフ。どの学年でも女子の方が圧倒的に多い。
↑ 普段次の人とメールやチャット、SNS、ツイッターでつながっているか(インターネット利用者限定)(インターネットで知り合った人、友達)
女子は男子5%ポイントから10%ポイント近く増しを示している。最大値は中学3年生の女子で31.6%。「普段」というからにはそれなりの頻度でのやり取りとなるわけで、女子のおしゃべり好きが改めて把握できる。
また性別区分までは公開されていないが、インターネット上での「知り合い」の状況を推し量るデータが次のグラフ。
↑ 普段ネットサービスでつながっている「インターネットで知り合った人・友達」の数(人数)
平均値は単純に属する回答者の値をすべて足して回答者数で割ったもの、中央値は値そのものの順に一列に回答者を並べ、その回答者の真ん中に居る人の値に相当するものである。中高生いずれも中央値が10台であるにも関わらず、平均値が85.3、178.3と異様に高い値が出ている。これはすなわち、ごく少数の人が思いっきり高値を示しているため、中央値には反映されず、平均値には反映されている事を意味する。ごく一部のヘビーユーザーがいて、ネット上で多数の知り合いとやりとりをしている次第。
具体的分布は公開されていないので想像でしかないが、中には4、500人位の「インターネットで知り合った人・友達」がいる高校生も存在するのではないだろうか。ヘビーな使い方には驚かされるばかりではある。
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