テレビとネット動画、中高生はどちらにより夢中なのか
2014/12/22 11:21
テレビ(が提供する番組)は老若男女を問わず楽しめる娯楽メディアとして、昔から人々に親しまれてきた。一方で昨今ではインターネットの急速な普及と、そのネットで配信される動画(映像)に大きな注目が集まり、テレビと同じように視聴を楽しむ傾向が強まっている。番組同様に動画を視聴可能なインターネットテレビも好評を博しており、両者の関係をライバル的な存在と見る見解もある。今回は2014年12月9日付でベネッセ教育総合研究所が発表した調査報告書から、特にネット動画に夢中といわれている中高生における現状を確認していく(【発表リリース:中高生のICT利用実態調査 2014 報告書】)。
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今調査に関する各種要項は先行記事【パソコン、スマホにタブレット…いまどき中高生の所有率を探る】で確認してほしい。その記事でも解説の通り、今調査対象母集団では中学生が87.3%、高校生は96.6%がインターネットを利用している。また、そのインターネット利用者の8割前後は動画サイトを日常的に視聴している。
一方で小中学生においても、今なおテレビは主要な娯楽ツールの一つに違いない。それでは同じ映像を視聴する対象として、インターネット上の動画とテレビ視聴の時間、どちらが長いのだろうか。元資料には平日の一日あたりの視聴時間について大よその区分別の回答率が列記されているが、その中央値と回答率から平均値を算出した結果が次のグラフ。双方とも全員を対象としているので、当然インターネットを利用していない人は「インターネットの動画視聴時間はゼロ」で計算に盛り込まれている。
↑ インターネット上の動画(YouTubeやニコ動など)とテレビを観る時間(時間、平日1日あたり、概算平均)
いずれも高校生の方が時間は短くなっているが、これは多分に勉学をはじめとする学校行事に時間を奪われることによるもの。とはいえ、自分一人で占有できるインターネット上の動画の減少具合は、テレビ視聴時間の減り方程では無い(それぞれ中学生の値から18%、28%の減少)。
一方、インターネット上の動画視聴時間と比べれば、テレビ視聴時間は遥かに長い。大よそ2倍ほどの差が確認できる。注力度、観る側の要望にどこまで答えているかなど諸条件の違いはあれど、単純な時間比較ではテレビはまだまだ中高生にとっても、映像メディアとしては主役の座にあるようだ。
個々において双方の時間を比べ、どちらが長いかを聞いた結果でも、動画視聴の方が長いとの回答は少数派に留まっている。
↑ ネット動画とテレビ映像の視聴時間の比較
ただし上記の減退率の違い同様、高校生の方が動画視聴時間の方が長い人の割合が増えており、少しではあるがテレビからネット動画へのシフトが起きていることが分かる。今件調査は単年のみのもので、時間的経過は不明であるものの、今後来年以降も同様の調査が行われれば、経年データを取得することが可能となる。「色々と」難しいところではあるが、是非とも実施を願いたいところだ。
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