20代の結婚と出産、これだけ年収があれば「いいかな」と思える水準は?(最新)
2026/01/29 02:53
結婚しない、あるいは結婚しても子供をもうけない若年層が増えているとの指摘がある。価値観の変化や他人との接触機会の減少、子育てをする環境の整備不足など想定される理由は多々あるが、大きな理由の一つとして挙げられるのが現状、そして将来の見通しまで含めての可処分所得の減少。要は金銭的な負担が大きいため、結婚、さらには出産・子育てをしない、できないといった説明である。それでは若年層は年収でどれほどの額面が確保できれば、結婚や出産を考えるようになるだろうか。SMBCコンシューマーファイナンスが2026年1月15日に発表した調査結果から、その心境を確認していく(【発表リリース:20代の金銭感覚についての意識調査2026】)。スポンサードリンク
「年収800万円あれば結婚検討」が半数強
今調査は2025年11月27日から28日にかけて、携帯電話を用いたインターネット経由で20代男女に対して行われたもので、有効回答数は1000件。男女・20代前半と後半の区切りで均等割り当て。未婚者863人、既婚者137人。調査協力機関はネットエイジア。グラフ中の調査年は公開資料の表記に準じている。今件における「年収」の定義は先行記事【自家用車と自宅、「これなら買ってもいいな」と若年層が思う年収は!?】を参照のこと。
冒頭で解説の通り、結婚や出産を敬遠する若年層が増えた理由は多々あるが、その一つが金銭的な問題。結婚や出産をすることで確実に金銭面での負担が増えるため、生活が立ち行かなくなるのを懸念し、諦める、積極的行動をしないというものである。それでは世帯年収(収入総額。税金や社会保険料込みの値)でいくらぐらいあれば、結婚や出産・子育てを考えるだろうか。
次に示すのは択一で答えてもらった「世帯年収がこれぐらいなら結婚を考えてもよい」とする額。棒グラフはそれぞれの回答値、折れ線グラフは累積回答値。後者はその額面なら結局どれだけの人が考えるかというもので、例えば「300万円」と答えた人そのものは3.7%しかいないが、「世帯年収300万円を提示されれば結婚をしようと考える人」の総計は「300万円」回答者以外に「200万円」「年収問わず」も含まれるため、累計の14.9%となる。

↑ しようと思える世帯年収は(20代、結婚、円)(2026年)
具体的金額区分別回答値では1000万円以上がもっとも多く、それに500万円、600万円、800万円が続く。
一方累積回答値を見ると、800万円で54.0%と半数強となっている。相手の存在を含め、結婚ができるか否かは他の条件も多分に絡んでくるのだが、世帯年収だけで勘案すれば、800万円が確保できれば半数強の人が結婚を検討するとのこと。他方、世帯年収がいくら上がっても結婚したいとは思わない人も3割強確認できる。
同様の調査は過去においても実施していることから、累積検討値を直近5年分に限り併記したのが次のグラフ。

↑ しようと思える世帯年収は(20代、結婚、累積、円)
2023年以降は前年比で減少を続け、2025年では前年比が非常に大きなものとなってしまった。そして直近2026年では、2025年以上に前年比が大きくなっているのが確認できる。ここまで結婚意欲が減少し続けている原因は何だろうか。やはり景況感の悪化が影響しているのだろうか。結婚観そのものにも変化が生じているのかもしれない。
子育てはどうだろうか
結婚に続いて出産・子育て。結婚以上に金銭的な負担も大きくなり、しかも出産前後に女性は就業できなくなることに加え、子供が成長するに連れて養育費など出費もかさ上げされるため、世帯年収に関しても慎重な値が示されるようになる。当然、子供の数が多い方が、世帯年収のハードルは上がる。今件では子育て1人に限定した設問となっている。

↑ しようと思える世帯年収は(20代、出産・子育て1人、円)(2026年)
結婚における累積回答値では年収800万円で半数強だった。同様の割合を出産・子育てで得ようとすると、年収は900万円以上となる。年収の観点では結婚よりも出産・子育ての方がハードルは高いとの認識なのだろう。
出産・子育てに対する年収における検討額も、過去の調査結果からの変化を確認できる(直近5年分について確認)。

↑ しようと思える世帯年収は(20代、出産・子育て1人、累積、円)
2023年以降において、結婚同様に前年からは落ち込む動きを見せている。特に2025年ではロシアによるウクライナへの侵略戦争で生じた物価高で、景況感が大きく後退しており、これが判断に大きな影響を与えたものと考えられる。直近2026年も2025年ほどではないが、落ち込みは続いている。
余談となるが、直近年における結婚、子育て1人それぞれの累積回答率をまとめたのが次のグラフ。

↑ 世帯年収と結婚、出産・子育ての動機づけの関係(20代、累積、円)(2026年)
結婚と出産・子育て1人との間には世帯年収100万円分ほどの差異が生じている。もっとも1000万円以上となると差異はあまり無くなるのが実情である。
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