消費・節約の優先順位が分かる!? 若年層が思う「豊かな生活のために確保したい」対象とは

2014/12/16 14:50

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「人はパンだけで生きているのではない」との言葉にもある通り、単に生き続けるだけではなく、心身共に豊かさを覚えるため、人はさまざまな消費活動を果たしていく。一方で「若者の●×離れ」の言葉に代表される通り、若年層は消費をし難いとの話もある。それでは彼ら・彼女らは豊かな生活を送るため、どのような対象に金銭を費やしたいと考えているのだろうか。SMBCコンシューマーファイナンスが2014年12月10日に発表した調査結果から、現状を垣間見ていくことにする(【発表リリース:20代の金銭感覚についての意識調査】)。


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食費に趣味娯楽、そして通信


今調査は2014年11月14日から18日にかけて、携帯電話を用いたインターネット経由で20代男女に対して行われている。有効回答数は1000件。男女比・20代前半と後半の仕切りで均等割り当て。調査協力機関はネットエイジア。

若年層の消費活動が低迷しているとの話はよく見聞きするが、それは同世代の可処分所得が減退傾向にあることが大きな要因となっている。ではそのような状況下で、取捨選択を迫られた場合、生活費の中でどのような項目・対象を「豊かな暮らしを送るために」確保したい、つまり削減対象からは除外したいと考えているのだろうか。「豊かな暮らし」は特定の条件・具体例は提示せず、その言い回しから各回答者想像できる内容を意味するものとする。

例示されたものの中では、変動費でもっとも多い同意が得られたのは食費、ほぼ同率で趣味・娯楽費で大よそ3/4。固定費では通信費で4割近くとなった。

↑ 生活費の費目の中で「豊かな暮らしを送るためになるべく確保したい」ものは何か(複数回答)
↑ 生活費の費目の中で「豊かな暮らしを送るためになるべく確保したい」ものは何か(複数回答)

若年層の間では「豊かな暮らし」は自らの趣向、そして食生活が対象となる場合が多いようで、食費と趣味に対する費用を削ることは、豊かな生活に大きなダメージを受けることを意味するとの解釈になるようだ。通信費はもちろん携帯電話代を意味し、プランをグレードダウンして自由な使い方が出来なくなったり、さらには携帯電話そのものの利用を止められるとなれば、まさに「豊かな暮らし」とは疎遠なものとなるとの認識(あるいはアプリの利用、アプリ内での課金のセーブも含まれるだろう)。食費はともかく、趣味や娯楽と多分に被る事を考えると、携帯電話の存在が、若年層には多分に「豊かさ」を表すものとなると考えても良い。

嗜好品費(たばこやお茶、お酒、お菓子など)は衣服・美容品費とほぼ同率。次いで交際費などが入る。固定費では水道・光熱費や住宅費などがやや高め。特にないとの意見は2%足らずでしかない。

男女で異なる「豊かな暮らし」に必要な対象


これを男女別に見たのが次のグラフ。

↑ 生活費の費目の中で「豊かな暮らしを送るためになるべく確保したい」ものは何か(複数回答)(男女別)
↑ 生活費の費目の中で「豊かな暮らしを送るためになるべく確保したい」ものは何か(複数回答)(男女別)

食費や趣味・娯楽費は男女ともにあまり変わりない。一方で衣服・美容費や日用品費、健康医療費など変動費の多くの項目で、女性は男性以上に高い回答率を示している。女性は男性以上に「豊かな暮らし」を体現化するために求める要素が多く、それが回答率の高さにも表れたようだ。

差異は変動費ほどではないが、固定費でも女性の方が概して回答率は高い。唯一自動車関連費は男性の方が上だが、これは利用状況の違いによるもの。また趣味趣向的な観点で自動車を利用する人の割合の違いでもある。



回答率の違いは、それぞれの項目に対する優先順位にも連動すると見て良い。例えば何かを節約しなければならない時、食費や趣味・娯楽費よりも交通費を削る思惑が働くというところ。しかしながら削りたい・削りたくないと、削りやすい・削りにくいはまた別の問題で、交通費は削減が難しいが(節約のために電車に乗らずに徒歩で出勤するというのも難しい)、食費は比較的容易に削ることが出来る。このギャップが生じている部分が、若年層における「生活が厳しい」との思惑を強める一因なのだろう。

つまり「削りたくない、削ると豊かな生活に支障が生じる」という項目ほど、金額面では削りやすいため、余計に厳しさを感じてしまうというものだ。節約の必要性が無い状況を生み出すのが一番の解決策ではあるのだが……


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