大学生などに聞いた「就職するならどんな会社?」

2014/12/12 08:15

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大学4年生ならばそろそろ内定が決まった人の数がそうでない人の数を上回り、すでに卒業記念旅行のプランを立てている人も少なくないであろう昨今。雇用市場は改善の方向を示しているものの、一生の行く末を決めることになる就職先の決定は、ほとんどの人にとって人生最大の分岐点ともいえることから、気をもんでいる人も多いに違いない。今回は建設業界に特化した人材派遣・人材紹介サービス「コンストラクションエンジニアリング」を展開しているエヌ・アンド・シーが2014年12月10日に発表した調査結果から、現在の大学生・大学院生が望む、将来就職する場合に望む職場の条件に関し、確認をしていくことにする(【発表リリース:「建設・不動産業界に関する意識調査」】)。



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今調査は2014年11月15日から25日にかけて携帯電話を用いたインターネット経由で、関東在住の20-29歳の大学生・大学院生に対して行われたもので、有効回答数は2000件。男女比は均等割り当て。理系・文系比率は947対1053。

中には自営業を始める人、保護者の後を継ぐ人なども居る可能性はあるが、多分に卒業後は企業や組織に就業するであろう調査対象母集団に対し、どのような企業・組織なら就職したいと思うかについて、複数回答で選択肢から選んでもらった結果が次のグラフ。最上位項目は「職場の雰囲気が良い会社」で、6割強の人が求めている条件であることが分かった。

↑ 就職するとしたらどのような会社・組織に就職したいか(複数回答)
↑ 就職するとしたらどのような会社・組織に就職したいか(複数回答)

昔ほど終身雇用制への当てがあるわけでは無く、積極的な転職を勧める声も小さくない昨今。だが、やはり一定期間は同じ場に足を運び、他人との時間と場所の共有をする以上、雰囲気が良くないとその場にいるだけでストレスがたまり、心身ともに病んでしまいかねない。あまりにも居心地が良すぎると業務の効率も逆に落ちそうな気もするが、一定レベルの良さは求められよう。

次いで多くの人が望む職場の条件は「給料が良い会社」。55.1%の人が掲げている。環境が良くて働き甲斐があり、残業が少なくとも、手取りが不満足ではさまざまな面で不安・不便さを感じることになる。プライベートにおけるやりくりどころか日常生活もままならなくなるかもしれない。経営者の中にはこの点を誤解し「好きなことが出来るのだから手取りは少なくても良いだろう」と豪語する人もいると聞くが、正当な労働・結果には正当な対価が支払われるのは好き嫌い以前の当たり前の話でしかない。この点は次点となる「雇用が安定している会社」もほぼ同義といえよう。いくら手取りが良くても、次から次へと従業員が解雇されるような環境では、結局中長期的に見て手取りが良いとは言えないからだ。

仕事にやりがいを求める声も小さくない。「自分のやりたいことが出来る」「自分の得意なことが活かせる」などが上位に見受けられる。他方、「残業の少ない会社」も1/3強と回答率は高い。

会社選びの話の際に話題に登ることが多い「社会貢献度が高い」「有名」「従業員規模が大きい」などは就職先を選別する際の魅力としては、あまり高い評価を得られていない。大手となれば必然的に上位項目の条件も合致しやすくなるが、有名どころや規模が大きいなどの条件は、それ自身は求められていないようだ。

ちなみに男女別で集計し直し、男女間で5%ポイント以上の差があった項目と、その男女それぞれの回答率を示したのが次のグラフ。差異が大きい順に並べてある。

↑ 就職するとしたらどのような会社・組織に就職したいか(複数回答)(男女間で5pt以上開きがあった項目)
↑ 就職するとしたらどのような会社・組織に就職したいか(複数回答)(男女間で5pt以上開きがあった項目)

当然といえばそれまでの話なのだが、「女性の活躍を推進する会社」は男女間が一番大きい。しかも男性はほとんど求めていないことが分かる。次いで「職場の雰囲気が良い」「福利厚生が充実」「雇用が安定」などが続く。自分自身の能力関連の項目は比較的男女差があまり大きくなく、安心感の中で就業を継続できる環境が求められているようにも見える。

また「男女間で5pt以上開きがあった項目」にもかかわらず、女性の方が上回る項目のみ登場していることから、女性は男性以上に職場に対して多様な要望を抱いていることがうかがえる。良し悪しは別として、女性を積極的に雇用することを考えている企業では、女性の要望にしっかりと耳を傾ける必要があるのだろう。


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