はがきの年賀状は遠くになりにけり!? 出す人も枚数漸減中(2015年)(最新)
2015/12/05 15:20
毎年この時期になると書店やコンビニ、最近では郵便局においてですら目に留めるようになるのが、年賀状の印刷サービス。またパソコン界隈でも年賀状印刷用のカラープリンタのセールスが始まり、季節感を覚えさせる。さらにこの数年はソーシャルメディアなどを介してネット上から直接相手にはがきの年賀状を贈るサービスも多数展開され、時代の流れを感じさせてくれる。一方で、年賀状そのものを出さない人も増えているとの話もよく見聞きする。それでは年賀状(はがき)を出す人は実際に増えているのだろうか、それとも減っているのだろうか。ライフメディアのリサーチバンクが2015年12月4日に発表した、はがきによる年賀状の調査結果からその実態を確認していくことにする(【発表リリース:年賀状に関する調査。】)。
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今調査の最新版は2015年11月24日から30日にかけて、パソコンやスマートフォンを用いたインターネット経由で行われたもので、有効回答数は1200人。男女比・世代構成比(10代から60代まで10歳区切り)で均等割り当て。過去の調査もほぼ同時期に、同様の調査で実施されている。
まず最初に示すのは、回答時においてその翌年向けの年賀状(はがき)を出すか否か。原則「出す予定」「届いたら出す」「喪中のため出さない」「出さない」の4選択肢が用意されており、その選択肢から1つを選ぶことになっている。そのうち「出さない」「届いたら出す」の回答率推移を示したのが次のグラフ。「喪中」はともあれ、この2選択肢が増えれば増えるほど、年賀状(はがき)を出す人は減ったことになる。
↑ 個人的に来年の年賀状(はがき)を出す予定はあるか(「出さない」の人)(全体)
↑ 個人的に来年の年賀状(はがき)を出す予定はあるか(「届いたら出す」の人)(全体)
「出さない」はきれいな形で増加を示し続け、ついに直近年では1/4に届きそうな値にまで達している。「届いたら出す」は2012年用(調査は2011年末に実施)から選択肢に加わっているが、こちらは直近分でやや値を落としているものの、大よそ増加傾向にある。確かな意志で「年賀状(はがき)」を出す人が減り、出さない人、原則出さないが他人から届いたら返答の意味で出す消極的な人が増えていることが分かる。また「届いたら出す」よりも「出さない」人の方が多く、上昇度合いも確実であることから、年賀状(はがき)を出す行為は敬遠される傾向が強くなっているようだ(もちろん今件がインターネット調査であることは配慮すべき必要はある。ただし昨今ではインターネットの普及・利用率はかなり高い値を示しており、さらに調査時における利用端末がパソコンだけでなくスマートフォンも対象としていることから、社会全体の実情と大きな差異は生じていないものと考えてよいだろう)。
これを性別・世代別に仕切り分けしたのが次のグラフ。
↑ 個人的に来年の年賀状(はがき)を出す予定はあるか(「出さない」の人)(属性別)
↑ 個人的に来年の年賀状(はがき)を出す予定はあるか(「届いたら出す」の人)(属性別)
10代は学校での付き合いもあるため、それなりに出す人が居ることから、「出さない」の割合はいくぶん低くなる。もっとも高いのは20代で、それ以降歳を経るに連れて低くなってくる(=出す人が増える)。経年変化ではここ2、3年において男女とも若年層、特に10代から30代で年賀状(はがき)離れが進んでいることが容易に把握できる。また40代も直近2年間では大きく値を伸ばしている。
相手の様子をうかがい、ある意味もっとも合理的で確かな「届いたら出す」は、男女とも10代・20代に多い。女性はきれいな形で漸増しているが、男性は中堅層以降こそ少しずつ増えているものの、若年層は横ばい、さらには減る傾向すら見られる。これは直上のグラフの通り、その分「出さない」人が増えているから。男性若年層は「届いたら出す」の消極的な出す人までもが「出さない」人にシフトしていることになる。女性若年層が「届いたら出す」と「出さない」人の双方が漸増しているのとは対照的ではある。
ちなみに年賀状(はがき)を出す人においても、その枚数は漸減する傾向にある。年賀状を出す人に限定してその枚数を尋ねた設問における、枚数区分の中間値を用いて算出した概算値では、一部イレギュラーがあるものの、6年間で1割の減少が見られる。
↑ 年賀状(はがき)を出す人における概算枚数
電子メール様式の年賀状にシフトした人が増えているのも一因だが、年賀状(はがき)は出す人も減り、出す人の枚数も減っている状況、陳腐な表現だが「年賀状(はがき)離れ」が起きていることはほぼ間違いなさそうではある。
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