「人生は決められた道を歩むのみ」感がとりわけ強い日本人…世界各国の人生観(2017-2020年)(最新)
2021/01/30 05:06
人がどのような人生観を持ち日々の生活を営んでいくか、その内容はそれぞれ。自分の意志を尊重し信じ、判断次第でいかようにも異なる未来が切り開けると信じる人もいれば、将来はすべて決められた道のりの上にあり、毎日はその道を歩むだけと考えている人もいる。いわば運命に関するとらえ方について、国による違いはあるのだろうか。今回は世界規模で国単位の価値観を定点観測している【World Values Survey(世界価値観調査)】から、国ごとの違いを確認していくことにする。
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今調査「World Values Survey(世界価値観調査)」に関する概要、調査要項などは先行記事の【世界各国の「新聞・雑誌」や「テレビ」への信頼度】を参照のこと。
今回焦点を当てる設問は人生観に関するもので、「個人の判断が影響を与えるか」というもの。これは人生というものが各個人の判断でどのようにでも変化をし得るものか、それとも個人の選択・判断も影響を与えることはなく、すべて決められた道を歩むのみなのか、どちらが回答者自身も含めた世間一般の考えに近いかというもの。いわゆる「宿命論」を信じているか否かという、哲学的な話ではある。
↑ 人生は自分の判断でどのようにでも変化しうるか、まったく自由が無くすべて決められた道を歩むのみか(1(固定)-10(自由)の選択肢での平均値)(2017-2020年)
10段階で回答してもらい、その平均値をとっているため、理論的には中庸の値は5.50となる。その観点ではすべての国でその値を超えており、自由意思で人生はどのようにでも変えられるとの意見が全部の国で多数派を占めていることになる。
より高い、つまりより強く「自分の意思で人生を切り開ける」と考えている国はメキシコやコロンビアが上位についており、ラテン系の意志の強さが見えてくる(その割にはスペインがやや低めなのが気になるが)。また、アメリカ合衆国が上位にあるのも目に留まる。半ば強引にも見える押しの強さも、この意志による自己開拓的な心境が裏付けとなっているのかもしれない。
一方日本はといえば、今回の精査対象国ではギリシャに続いて低い6.05。中庸の5.50よりは上であるものの、他国と比べて多分に宿命論に縛られている、達観している感はある。日本人自身としても、この結果に納得する人も多いはず。
人生観は多分に個人の性質に加え成長時の周辺環境に左右されるため、その国の社会文化や環境が大きく反映されることになる。同じ人が別の国で生まれ育てば、成長の過程で習得する人生観も大きく変わっていく。
今件は各国出身の人達の行動様式を振り返る、あるいは今後の動向を予想する際に、少なからぬ参考となることだろう。もちろん個々の人の特性も大きく影響するため、型にはめて区分するのではなく、最終的には一人一人の内面を見極めるのが必要であることは言うまでもない。
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