何かと気になる他人の貯蓄額、フリーランスと正社員の違いは?
2014/11/18 15:27
仕事をしている点では同じだが就業スタイルでは相対する立場の、正社員とフリーランス。それぞれ多種多様な職種があり、手取りも貯蓄出来る余裕度も千差万別だが、平均的にはどれほどの貯蓄額を有し、どちらがより多くの額を示しているのだろうか。他人のお金周りの話は案外分かりにくいこともあり、ましてや職のスタイルが異なれば想像もつきにくく、色々と気になる話ではある。今回はライフネット生命保険が2014年11月5日に発表した、フリーランスの働き方とお金に関する調査結果から、その実情を垣間見ることにする(【発表リリース:フリーランスの働き方とお金に関する調査】)。
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今調査は2014年10月21日から22日にかけて携帯電話を用いたインターネット経由で、20歳から49歳の男女に対して行われたもの。有効回答数は1000。フリーランス(自営業・自由業・個人事業主)500人・正社員500人。実施機関はネットエイジア。
冒頭でも触れている通り、正社員にもフリーランスにも多様な職種があり、貯蓄出来る余裕度も千差万別。あくまでも平均的な額を、との目的の元に、調査対象母集団に現在の貯蓄額を自由回答で尋ね、その結果を金額区分別に精査したのが次のグラフ。貯蓄に関する具体的な定義は公開されていないが、普段の生活に用いる流動性の高い口座の貯金では無く、例えば定期預金や積立預金のような、普段は手を付けないタイプの、流動性の高い金融資産と見て良いだろう。要は世間一般に「貯蓄」と呈されて該当する類のものである(例えば持ち家があったとしても、それを「貯蓄」と呼ぶ人はあまりいない)。
↑ 現在の貯蓄額(自由回答)
金額区分が均等でないことからやや分散度合いが分かりにくい部分もあるが、大きく分けると「極めて少額」「100万円前後」「500万円位」「1000万円以上」の4つの山が出来ているのが分かる。もっとも多いのは100万円前後の山で、50万円から300万円台まで合わせると、フリーランスで35.6%、正社員で36.8%に達する。一方で100万円未満の仕切りではそれぞれ46.6%・44.4%となり、いくぶんフリーランスの方が低い雰囲気を覚えさせる。
ところが1000万円以上に限定すると、正社員が9.4%なのに対しフリーランスは12.2%。この層が全体平均を大きく引き上げているようで、平均額はフリーランスが431万円なのに対し、正社員は359万円に留まっている。ただし貯蓄額がゼロという人はそれぞれ22.2%・18.4%と3.8%ポイントも正社員の方が高い値を示している。
これらの動きから、貯蓄額は平均額ではフリーランスの方が高めの値が出るが、それは多分に高額貯蓄額者が牽引している、そしてフリーランスは正社員と比べて二極化の傾向があると見て良いだろう。本来なら平均値だけでなく中央値(回答値の順に回答者を並べ、ちょうど真ん中の人数に該当する人の値)もあると、より詳しい状況が把握できるのだが。
年齢や職種にも多分に左右されるが、やはり気になるのは貯蓄額がゼロや10万円内外の人。何か緊急的な支出が求められた際に、これでは対応することは難しい。お金、財は多種多様な状況の変化、事態の発生に備えるための予備兵力、保険的な役割を果たすことを認識し、安心できる日々を過ごせるだけの備えをしてほしいものである。
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