30代までは携帯とテレビのセットがポイント…ながら視聴動向を探る(2014年)

2014/10/18 14:45

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先行する記事【「テレビを観ながらネットする」はどこまで浸透しているのだろうか(2014年)】などで、テレビと携帯電話の相性の良さ、具体的にはテレビ番組を視聴しながら携帯電話をも利用している人が多いことを、情報通信政策研究所が2014年9月26日に発表した「平成25年 情報メディアの利用時間と情報行動に関する調査」の詳細版の各種データから確認した。今回はその話についてさらに切り込む形で、世代別の動向を見ていくことにする(【情報通信政策研究所:平成25年 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査】)。



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食事時、そして夕食後の休息時間に利用が伸びるテレビ&携帯


今調査の各種調査要項は先行記事【「LINEの次にGoogle+が高利用率」総務省の調査結果を検証する】を参考のこと。また今件の「テレビ(リアルタイム)」とはテレビ受信機で番組を放送中に観賞すること(録画の再生は含まれない)、携帯電話とは従来型携帯電話とスマートフォンの双方を意味する(携帯電話の操作内容そのものは特に問われていない。ゲームでもソーシャルメディアでも実用アプリの使用でも構わない)。そして行為者とは特定時間帯において10分以上対象を連続して実行した人を指す。

次に示すのは各世代全体における、テレビのリアルタイム視聴と携帯電話の利用を並行して行っている人の割合。例えば10代の7時代は7.2%とあるので、10代全体の7.2%はテレビを観ながら携帯電話の操作を10分以上連続して行っていることになる。

↑ テレビのリアルタイム視聴と携帯電話利用の並行利用者の時間帯別行動者率(2013年、平日、世代別)
↑ テレビのリアルタイム視聴と携帯電話利用の並行利用者の時間帯別行動者率(2013年、平日、世代別)

↑ テレビのリアルタイム視聴と携帯電話利用の並行利用者の時間帯別行動者率(2013年、休日、世代別)
↑ テレビのリアルタイム視聴と携帯電話利用の並行利用者の時間帯別行動者率(2013年、休日、世代別)

まずはテレビを視聴していないと携帯電話との並行利用は不可能であることから、大よそテレビの視聴動向と似たような形のグラフが形成されている。平日は3食の食事時、そして夕食後。休日はあまり日中の変動は無く、夕食後のプライベートタイムに大きく伸びる。

一方で世代ごとの違いも見えてくる。平日では10代は学校に居る場合が多いため低迷しているが、夕食前後になると大きく伸びる。そして早めに就寝することから、20代・30代と比べて失速も早い。20代や30代はピーク時においても他の世代より行為者率は高く、特に夕食後では最大でほぼ1/7程度の人が「テレビ&携帯」の利用をしている。

休日では就寝前のピーク動向で、平日よりも確かな「10代の早寝」傾向が見えている。またテレビ視聴に限れば概して歳を経るほど行為率が上がる一方、携帯電話との並行利用となると年齢による差異がほぼ逆転し、若年層ほど高い値を示すことになる(10代はやや特例だが)。興味深い動きに違いない。

10代はテレビ視聴者の半数近くが携帯との並行利用


続いてこれを、各世代の人数比率では無く、その世代のテレビ視聴行為者率で見たのが次のグラフ。テレビを観ている人のうち、何割が同時に携帯電話を操作しているかを確認したものである。深夜帯はテレビ視聴者数そのものが少ないことから、ぶれが大きくなってしまっているが、傾向は十分つかみ取れる。

↑ テレビのリアルタイム視聴行為者に占める携帯電話並行利用者の時間帯別割合(2013年、平日、世代別)
↑ テレビのリアルタイム視聴行為者に占める携帯電話並行利用者の時間帯別割合(2013年、平日、世代別)

↑ テレビのリアルタイム視聴行為者に占める携帯電話並行利用者の時間帯別割合(2013年、休日、世代別)
↑ テレビのリアルタイム視聴行為者に占める携帯電話並行利用者の時間帯別割合(2013年、休日、世代別)

ややばらつきはあるか、10代・20代は平日午前で5割、午後は4割、休日は大よそ5割がテレビと携帯のながら利用をしている。これが30代は3割に落ち、40代と50代は平日2割・休日1割、60代は1割足らずという形になる。そして時間帯における変動はあまり見られないのが特徴的ではある。特に中堅層以降は平日よりもむしろ休日の方が、並行利用率が低いのには意外さを覚える人も多いかもしれない。時間が取れることから、テレビ視聴をするにしてもテレビにのみ注力し、他の媒体には手を出さない「専門視聴」スタイルを取っているのだろう。



元々テレビはごく若い世代とシニア層が強い関心を抱き利用している。しかしテレビのみで単独視聴しているか、他の媒体との並行利用をしているかの点で、両世代には大きな違いが生じている。その傾向が今回はっきりと分かったことになる。

今後さらに携帯電話、特にスマートフォンの普及率が増加していくにつれ、テレビと携帯電話の並行利用者はどのような変化を遂げていくのか。若年層が歳を経るに連れて、中堅層以降も値を積み増ししていくのか、それとも時が流れても中堅層以降は低いままなのか。その時、テレビや携帯電話が今と同じ姿形をしているか否かは分からないが、気になる話ではある。


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