夢か現実か・自動運転車に乗りたい? そしてその理由は!?(2015年)(最新)

2015/11/06 15:47

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昨今の自動車技術の発達ぶりは目を見張るものばかりで、十年ほど前には夢のような、さらには夢にすら思わなかったような技術が登場し、実装にまで至っている。その技術の一つが自動運転車。ロボットカーとも呼ばれているもので、各種センサーなどで現在位置を確認しながら、目的地まで自動で走行するもの。軍用の無人車両や、工場・鉱山などで用いられている作業用車両ベースではすでに実装が成されている。この自動運転車について、将来実用化されたら乗りたいか否かの現状を、ソニー損害保険が2015年11月5日付で同社公式サイトにおいて発表した、カーライフの実態に関する調査結果から確認していくことにする(【発表リリース:ソニー損保、「2015年 全国カーライフ実態調査」】)。



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今調査の調査要項は先行記事【車の負担、税金やガソリン代よりも重く感じるのは?(2015年)(最新)】を参照のこと。

冒頭でも触れた通り、自動運転車は現在限られた空間内での利用においてはすでに実用化されているものの、公道での一般人による利用は、自動車利用に関する国際ジュネーブ道路交通条約や各国の交通関係の法律により不可能な状態にある。

もっとも需要の高まりを受け、同条約の改定に関する論議が進み、各国でも法令の変更に向けた動きを見せている。またこの動きに合わせ、主要自動車メーカーやハイテク企業も開発を推し進めているのが現状。日本に限っても2020年の東京オリンピックに向けて多様な取り組みがなされており、例えば内閣府の【 戦略的イノベーション創造プログラム(SIP:エスアイピー) > 各課題の研究開発計画一覧】にある「6.自動走行システム 研究開発計画」によれば、「車の自律系システムと車と車、道路と車との情報交換等を組み合わせ、2020年代中には自動走行システムの試用を開始する」との題目が掲げられている。また「ITSによる先読み情報を活用し、2017年までに準自動走行システム(レベル2)、2020年代前半に準自動走行システム(レベル3)を市場化」との目標も確認できる。

なお「自動」の定義や目指している機能はさまざまで、完全な自動運転機能のものから、一部の運転を自動的に行うもの、緊急時には手動運転に切り替わるものなど、各レベルの自動化が定義されている。


↑ Googleによる自動運転車(Autonomous car)の解説映像(公式)。:A First Drive

この自動運転車について「実現し(製品化され利用できる機会が得られ)たら利用したいか」「実現した上で「人間が運転するよりも安全である」というお墨付きが得られたら」、2つの段階での実現時に利用したいか否かを聞いた結果が次のグラフ。

↑ 自動運転車が実現したら/自動運転が「人の運転よりも安全」と証明されたら、その機能を利用したいと思うか(利用したい率)
↑ 自動運転車が実現したら/自動運転が「人の運転よりも安全」と証明されたら、その機能を利用したいと思うか(利用したい率)

「安全」との証明が成された方が当然利用希望率は高くなるが、その証明が無くともほぼ7割台が利用を望んでいる。しかも性別、世代別の差がほとんどなく、属性の差異無く大きな期待が寄せられていることが分かる。「安全」のお墨付きがあれば利用希望率は実に8割を超えることになる。

ではなぜ利用を望むのか。今件に関しては今年分の調査では調査対象には無く、昨年の値の流用となるが、利用したい人にその理由を複数回答で聞いたところ、「長距離運転が楽」「眠い時や疲れた時に便利」といった、長時間運転時における運転者の負担軽減に期待する声が多数を占める結果となった。

↑ 自動運転機能を利用したい理由(複数回答、実現したら利用したい人限定)(2014年)
↑ 自動運転機能を利用したい理由(複数回答、実現したら利用したい人限定)(2014年)

他にも「知らない道でも迷わない」「渋滞時に便利」といったカーナビ的な使い方を求める声も大きい。また男女別では長時間運転の機会が多い男性は上位項目の「長距離運転が楽」「眠い時や疲れた時に便利」で、女性は「狭い場所での駐車・車庫入れに便利」「自分で運転するより安心」など、高い技能を求められる場面での自身の運転技能への不安感の点でより高い値を示しているのが興味深い。

なお選択肢上には無いものの、今後判断能力の劣化など高齢者におけるハイリスク状況での自動車の運転問題と絡み、自動運転機能、あるいはそれに準じた準自動運転モードを極力なサポート機能として認め、高齢者の運転時に役立てるとの発想もある。その観点でも、自動運転機能は今後大きな注目を集めることは間違いない。

開発状況を見る限り、1年2年での実用化は難しいものの、中期的には十分実働は可能な範ちゅうにある自動運転車。どのような形で登場することになるのか、今後の開発動向が楽しみだ。


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