若年労働者の変化の実情(2018年→2023年)(最新)
2026/07/03 02:29
先行するいくつかの記事で厚生労働省が2024年9月25日に発表した、2023年時点における若年層(15-34歳)の雇用実態を調査した結果「令和5年若年者雇用実態調査結果の概況」を基に、若年層の就業状況を確認した。この調査は不定期で今回発表分も含め6回実施されているが、前回は2018年に実施され、その結果が2019年以降に発表されている。そこで今回は、前回調査の結果と比較することにより、若年層の就業状況の変化ぶりを確認していくことにした(【発表リリース:令和5年若年者雇用実態調査の概況】)。スポンサードリンク
今調査の調査要件、各種用語の意味については先行記事【若年労働者の割合など】を参考のこと。
最初に示すのは、全就業者(就業者)に占める若年層の割合。例えば総数では2023年において23.7%とあるので、全就業者のうち1/4近くは若年層、見方を変えれば7割以上は35歳以上で占められていることになる。4年の間にどれだけ若年層の比率が増えたか減ったかで、各産業の新陳代謝の度合い、高齢化、若い活力の混ざり具合が見えてくる。

↑ 就業者の若年就業者率(産業別)(2018年、2023年)
今グラフは正社員も非正社員も合わせてのものだが、それでもなお総数では若年層の比率が3.6%ポイント落ちている。若年層の肩身が狭い、採用されにくくなっている、見方を変えれば中年層以上が居残っている、中途採用されている状況が見受けられる(あるいは一度定年退職した社員が嘱託として再雇用される事例もあろう)。あるいは単に、若年層の人数そのものが減少していることが影響している可能性もある。
産業別に見ると、多くの産業で若年層比率が落ちているが、特に生活関連サービス業・娯楽業や宿泊業・飲食サービス業、サービス業(他に分類されない)など、第三次産業で大きな減少が確認されている。これからの人の割合が多い若年層を育てる余裕が少ないということだろうか。なお「サービス業(他に分類されない)」は具体的には廃棄物処理業、技術提供業(自動車整備業など)、労働者派遣サービス、コンサル、会員向けサービス、保守点検業などを指す。
他方、電気・ガス・熱供給・水道業では2018年の方が高い値を示している、つまり若年就業者の率が上がっている。新陳代謝が進んでいるということだろうか。
続いて、若年層当事者にはむしろこちらの方が気がかりであろう、「若年就業者における正社員率」。要は各産業で働く若年層(就業者全体ではないことに注意)の何割が正社員かを示したもの。建設業なら97.0%と大部分が正社員として働いていることになる。

↑ 若年就業者の正社員率(産業別)(2018年、2023年)
全体では5年前とほぼ変わらず6割強が正社員。減少している産業もその減り具合は小規模で、多くの産業では増加している。特に複合サービス事業やサービス業(他に分類されない)のような第三次産業では大きな増加が確認できる。特に人手不足が深刻化していると伝えられることが多い運輸業・郵便業や卸売業・小売業をはじめとした第二次産業において、あまり変化していないのは意外な感がある。
最後は直上のグラフとも関係があるが、年齢階層別や学歴別における、若年就労者における正社員率。学歴によって正社員として働いている人の割合にどれほど違いが生じているのか、そして5年でどのような変化が生じたか確認できる。

↑ 若年就業者の正社員率(調査時点で在学していない人限定、属性別)(2018年、2023年)
おおよその属性で正社員率の増加が見受けられる。就業条件の改善の一環として正社員化が進められ、その恩恵を受けているのだろう。特に15-19歳、高校卒や大学卒で増加ぶりが著しい。一方で30-34歳、中学卒や大学院修了のような一部属性で正社員率が減っているのが気になるところではある。
人それぞれで置かれた環境は異なるため、非正社員の方が望ましいとする人もいるだろうが、長期にわたり安定的な就業状況を望む人が圧倒的多数を占めているのは当然の話であり、必然的に正社員率の増加は好ましい話に違いない。
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