免許はあるけど自動車持っていない人、その理由は「維持費がかかる」「公共交通機関で十分」
2014/09/24 14:45
ライフメディアのリサーチバンクは2014年9月17日に、自動車に関する調査結果を発表した。それによると普通自動車免許を所有している18歳以上から成る調査対象母集団においては、自分が運転する自動車を所有している人は72%に達していることが分かった。一方持っていない人にその理由を聞いたところ、「維持費がかかるから」との人がもっとも多く4割を数える結果が出た。次いで「公共交通機関で間に合う」「日常生活で使うことが無い」が続いている(【発表リリース:自動車に関する調査】)。
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金がかかる、バスや電車で間に合う、使うことが無い
今調査は2014年9月4日から6日にかけて、普通自動車免許を有する18歳以上の人に対してインターネット経由で行われたもので、有効回答数は1500件。男女比、20代以下・30代・40代・50代・60代以上で均等割り当て。
居住地域や生活習慣、独身か既婚かなどさまざまな立場の違いで自動車の必要性は違ってくるが、それら各種環境を考慮区分せず、社会全体の分散度合いをほぼそのまま抽出した形で、現在自分が運転する自動車を所有しているか否かを聞いたところ、所有している人は72.0%に達していることが分かった。免許を持つが自動車を持たない人は28.0%となっている。
↑ 現在自分が運転する自動車を所有しているか
この「免許はあるが自動車を持っていない人」28.0%に、なぜ自動車を持たないのかを尋ねた結果が次のグラフ。もっとも多くの人が同意を示したのは「自動車の維持費がかかるから」で40.2%だった。
↑ 自分が運転する自動車を所有していない理由(複数回答)
免許はあるので運転はできる。自動車所有による便宜性も理解できる。しかし所有することで発生するガソリン代や駐車場代、整備費に車検代、各種税金など諸経費の負担が大きすぎ、とてもではないが使えないとするもの。実際に自動車を所有する人なら大いにうなづける話ではある。第4位の「自動車の購入費がかかる」も、金銭周りの負担が原因との点では近い回答といえる。
次いで多くの人が答えた回答は「公共交通機関で間に合う」。トップとほぼ同率の38.3%。バスや電車といった公共交通機関を乗り継ぐことで普段の移動は間に合うので、わざわざ自分の自動車を持つ必要はないとするもの。回答者の居住地域別の回答率が無いのが残念だが、多分に都市居住者の回答率が高いことは容易に想像できる。地方では逆に「公共交通機関では用が足りないから自動車を所有する」との事例が多々あるからだ。また都市居住者では「駐車場確保が難しい」の意見も多いことだろう。
「公共交通機関で間に合う」に近いのが「日常生活で使うことが無い」で36.7%。行動範囲が歩きや自転車(、さらにはバイクも含まれるだろう)の移動で済むため、あるいは子供などを引き連れて、多くの荷物を運びながらの移動の必要性が無いため、自動車を持つまでも無いとするもの。多分に一人暮らしによるところが大きいと考えられる。
一方昨今の一部自動車離れの原因と言われている「車に興味が無い」「欲しい車が無い」は少数派に留まっている。意外と言えば意外。
男女別に見ると……!?
これを男女別に見たのが次のグラフ。
↑ 自分が運転する自動車を所有していない理由(複数回答)(男女別)
大よそ男女で違いはないが、いくつかの項目では特異な動きが確認できる。例えばトップの「自動車の維持費がかかる」は男性の方が回答率がかなり高い。女性の場合は子供の送り迎えや買物の荷物の移送など必要場面が多くなることから、ある程度の維持費はコストとして許容し得るということか。類似項目の「自動車の購入費」がかかるも同様だろう。
他方「自分で運転したくない」とする回答は大幅に女性が多い。免許を有してはいるが、とっさの判断が苦手とする人も多く、また運転は疲れるからとの場合もある。運転を避けることに対する性別上の生物学的な差異は無いはずだが、心理的には女性の方が多いということか。あるいは「色々と面倒だし、配偶者が運転してくれるから」との考えがその奥にあるのかもしれない。
本文でも触れている通り、自動車の必要性は立ち位置や環境で大きく異なるため、あくまでも今件は一般論でしかない。トップの「自動車の維持費がかかる」とて、地方で自動車による移動が必要不可欠な場に置かれているなら、たとえ夫婦世帯で配偶者が自動車の運転を出来たとしても、コストが高くついても自分も運転したい・せざるを得ないと考える人は多いはず。
とはいえ、必要性が無い場合はともかく、金銭面で自動車を所有したくても出来ないとの回答が多いのは、現在の自動車周りの実情を明確に示しているようで、興味深い話ではある。
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