シニア層がイメージする「カッコいいシニア」とは?
2014/09/26 08:20
高齢者の少なからずは自分自身が高齢者扱いされると、自分の現状を再認識させられる、あるいは心境ではまだまだ若いと自認していたことから小馬鹿にされたと誤認し、いい気がしなくなる。一方、個々の頭の中では理想的なシニア像をイメージし、憧れ、自らもそのような姿を目指そうとする意図も有している。今回はソニー生命保険が2014年9月11日に発表した、50代から70代の男女に対して行った生活意識調査の報告書「シニアの生活意識調査2014」から、シニアが抱く「理想のシニア像」について確認していくことにする(【発表リリース:シニアの生活意識調査 2014】)。
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今調査は2014年7月11日から13日に渡ってインターネット経由で50歳から79歳の男女に対して行われたもので、有効回答数は1000件。男女比・世代構成比(50代と60代+70代)は均等割り当て。
冒頭でも記した通り、調査対象母集団は年齢的には中堅層からシニア層に該当する。もうすぐシニア、あるいはすでにシニア層に属している人たちは、どのような行為、姿勢こそ、真のシニア、カッコいいシニア、あこがれのシニア像だと考えているのだろうか。複数回答で答えてもらった結果が次のグラフ。
↑ どのようなシニアがカッコイイと思うか(複数回答)(上位陣)
最上位を行く回答は「社会のマナーやルールを守れる」でほぼ半数。見方を変えると(回答者自身も含め)多数のシニアは社会のマナーやルールの順守に関して、怪しいところがあるとの認識を持っていることになる。ほぼ同率で「威張っていない」が入っており、普段の生活態度の上で傲慢さや傍若無人ぶりが目立つ様相が容易にイメージされる。
上位二位は現状のネガティブさを強く覚えさせるものだが、続く回答は「服装がオシャレ」で35.8%。こちらは純粋な憧れを感じさせる。他にも「高い志や社会貢献意識」「英語など外国語が堪能」「スポーツをしている」「スマホ・タブレットなど最新機種を使いこなす」「こだわりを感じる小物を持っている」など、ハイソで文化的な、紳士淑女的なイメージを思い浮かぶ項目が多数目に留まる。ちょっとした挙動の端々から「成熟した大人感」の香りがする、完成した人間の洗練度合いがオーラを放つような、そのようなシニアを尊敬する、自分もなりたいと思うのは当然の話。
これを男女別に見ると、概して女性の方が回答率は高い。つまり女性の方が頭の中に抱く理想のシニア像に関して、より多彩なスペックを求めていることになる。
↑ どのようなシニアがカッコイイと思うか(複数回答)(上位陣)(男女別)
上位陣の項目では「スポーツ」「リーダーシップ」「スポーツカー・オープンカーに乗っている」のみが男性の方が高い値。いずれも納得の出来る内容ではある。他方「服装がオシャレ」「文学や絵画などへの知識が豊富」「英語など外国語がペラペラ」では男女差が特に大きい。見た目も知識の上でも紳士淑女なところに憧れを抱くのだろう。また「お店での店員さんへの接し方がスマート」も差異が大きいが、これは男性と比べて店で買い物をする機会が多く、必然的に「ダメなシニア」の実態を見ているからこそ、カッコいいシニアの姿を追い求めると考えれば道理は通るというものだ。
これらはあくまでも理想の姿で、すべての要目を兼ね備えるのは難しい。また知らず知らずのうちに項目に相反する、いわば「カッコ悪いシニア」を実演していることもありうる。例えば「スポーツカー・オープンカーに乗る」「スポーツをしている」などは個々の趣向によるものだが、多くは日々の生活の中で対面しうる状況。意識して行動すれば少しずつ、本当にカッコいいシニアに近づくに違いない。
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