食料品は店頭価格上昇で堅調、衣料品は軟調だが住関品はそこそこ…2025年9月度チェーンストア売上高、前年同月比プラス2.4%

2025/10/23 14:27

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2025-1023チェーンストア(スーパーマーケットやデパートなど)の業界団体である【日本チェーンストア協会】は2025年10月23日付で同協会公式サイトにおいて、チェーンストアの2025年9月度分販売統計速報(月報)を発表した。その内容によると2025年9月は食料品においては節約志向による買い控え傾向は継続しているが、店頭価格の上昇が後押しして堅調、衣料品はやや軟調だが住関品はまずまずの動きだった。結果として、売上総額の前年同月比はプラス2.4%(店舗調整後)を示す形となった(【同協会内発表リリース一覧ページ】)。

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今データは協会加入の46社・9429店舗に対して行われた調査結果によるもの。店舗数は前回月比で28店舗増加、前年同月比で128店舗増加している。売場面積は前年同月比100.7%となり、0.7%の増加。売場面積あたりの売上額は前年同月比でプラス0.4%を示す形となった。

各主要分野別では前年同月比でそれぞれ次のような値を示している。数字はすべて店舗調整後(いわゆる「既存店」)。店舗の増減が売上に反映され、各店舗の実態を確認する際に状況が困難にならないよう、昨年同月の時点では存在していない店舗の分を除いた値で算出されている。

■総販売額……1兆60億2794万円(前年同月比102.4%、+2.4%)

・食料品部門……構成比:71.7%(前年同月比101.6%、+1.6%)

・衣料品部門……構成比:3.8%(前年同月比92.6%、−7.4%)

・住関品部門……構成比:19.3%(前年同月比101.6%、+1.6%)

・サービス部門…構成比:0.2%(前年同月比106.5%、+6.5%)

・その他…………構成比:5.8%(前年同月比129.1%、+29.1%)

※販売金額には消費税額は含まず

食料品は価格上昇で堅調。
住関品は軟調。
農産品は、キャベツ、大根、なす、トマト、ミニトマト、カットサラダ、カット野菜などの動きはよかったが、じゃがいも、玉ねぎ、ピーマン、きゅうり、レタス、ほうれん草、小松菜、菌茸類などの動きは鈍かった。果物では、すいか、桃、ぶどう、キウィフルーツ、バナナ、カットフルーツなどは好調だったが、梨、りんご、みかん、柿などの動きは鈍い。無駄を省く、手間をかけずに使えるカット系のセットは昨今のトレンドではあるが、個別商品の相場が高い時にはとりわけ人気が出る。そして相場安で農産品が不調な時にもカット野菜やカットサラダ、カットフルーツはよく動いており、野菜の相場動向を問わずに需要が高まっている感はある。最近は色々な野菜の組み合せをすることで種類も多様になり、例えば鍋物や野菜炒めなど、対象料理向けに用意されたものもある。

畜産物は豚肉、鶏肉が好調、牛肉が軟調。鶏卵は好調だが加工肉は軟調。

水産品は、刺身、まぐろ、生さんま、真あじ、いか、いわし、塩銀鮭、サーモン、うなぎ、冷凍魚、生筋子、海藻類などの動きはよかったが、たこ、生かつお、ぶり、生秋鮭、えび、貝類、漬魚、開き物、ちりめんなどの動きはいまいち。惣菜では温惣菜は、天ぷら、フライ、唐揚げ、中華、ピザなどが好調だったが、焼鳥、焼き魚などは軟調。要冷惣菜は、和惣菜・洋惣菜ともに動きはよく、米飯、寿司も好調。その他食品は、米、飲料、牛乳、乳飲料、乳製品、ヨーグルト、冷凍食品、アイスクリーム、菓子パン、涼味麵、レトルト、納豆、インスタントコーヒー、和菓子、スナック、米菓、ビスケット、キャンディ、グミなどがよかったが、食パン、スープ、中華チルド、カップ麺、豆腐、おでんセット、洋風調味料、缶詰、デザート、ワイン、チューハイ、ビールなどの動きは鈍い。

衣料品では紳士衣料はセットアップ、スラックス、半袖ワイシャツ、カジュアルシャツ、長袖ポロシャツ、ショートパンツ、トップス、Tシャツ、婦人衣料はシャツ・ブラウス、カジュアルパンツ、トップス、夏物レギンス、カットソーなどが堅調。

住関品では日用雑貨品は、ペーパー類、ラップ・ホイル類、据置型ゲーム機、キャラクター文具、子供用おむつ、たばこなどの動きは好調だが、マグボトル、携帯型ゲーム機、トレーディングカード、和食器、玩具、カセットコンロ・ボンベ、タオルなどの動きは鈍い。医薬・化粧品は、カウンセリング化粧品、フェイスケア、ハンドソープ、衣料用洗剤・柔軟剤、殺虫剤などの動きがよく、総合感冒薬、胃腸薬、ドリンク剤、マスク、メイクアップ、制汗剤、シャンプー・リンス、住居用洗剤、除湿剤などは軟調。

「その他」項目は前回月から続く形で好調さを見せ、プラス29.1%。サービスはプラス6.5%とプラスに。サービスは旅行関係やチケット販売などが他の業種(多分にインターネット経由やコンビニ販売だろう)に奪われているのだろうが、それでも増加を示した。

次回月となる2025年10月は9月同様に新型コロナウイルスの流行という特殊要因があるが(5類感染症指定で流行が無くなったわけではない)、行動規制のたぐいはなく、外出機会を後押ししている。気温は西日本を中心にきわめて高く、北海道の北部で低い。降水量は日本海側で多い。衣料品は今回月同様、厳しい値となるかもしれない。


↑ 今件記事のダイジェストニュース動画。併せてご視聴いただければ幸いである



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