食料品は農産物の相場高や店頭価格上昇で堅調、衣料品は季節物が動かず…2024年11月度チェーンストア売上高、前年同月比プラス3.5%

2024/12/24 14:43

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2024-1224チェーンストア(スーパーマーケットやデパートなど)の業界団体である【日本チェーンストア協会】は2024年12月24日付で同協会公式サイトにおいて、チェーンストアの2024年11月度分販売統計速報(月報)を発表した。その内容によると2024年11月は食料品においては節約志向による買い控え傾向は継続しているが、農産物の相場高や店頭価格の上昇が後押しして堅調、衣料品は平年と比べて高気温のためか季節物が動かずトントン、住関品は好調だった。結果として、売上総額の前年同月比はプラス3.5%(店舗調整後)を示す形となった(【同協会内発表リリース一覧ページ】)。

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今データは協会加入の47社・9307店舗に対して行われた調査結果によるもの。店舗数は前回月比で11店舗増加、前年同月比で1515店舗減少している。売場面積は前年同月比92.7%となり、7.3%の減少。売場面積あたりの売上額は前年同月比でプラス1.9%を示す形となった。

各主要分野別では前年同月比でそれぞれ次のような値を示している。数字はすべて店舗調整後(いわゆる「既存店」)。店舗の増減が売上に反映され、各店舗の実態を確認する際に状況が困難にならないよう、昨年同月の時点では存在していない店舗の分を除いた値で算出されている。

■総販売額……1兆666億9971万円(前年同月比103.5%、+3.5%)

・食料品部門……構成比:68.4%(前年同月比105.0%、+5.0%)

・衣料品部門……構成比:5.5%(前年同月比100.2%、+0.2%)

・住関品部門……構成比:21.3%(前年同月比107.6%、+7.6%)

・サービス部門…構成比:0.2%(前年同月比99.0%、−1.0%)

・その他…………構成比:4.6%(前年同月比78.4%、−21.6%)

※販売金額には消費税額は含まず

食料品は価格上昇で堅調。
衣料品は季節物が動かず。
農産品は白菜、長ねぎ、じゃがいも、トマト、ミニトマト、キャベツ、レタス、れんこん、きのこ類、カット野菜、カットサラダなどの動きはよかったが、きゅうり、人参、玉ねぎ、なす、ピーマン、ブロッコリー、ほうれん草などの動きは鈍かった。果物では、りんご、柿、いちご、ぶどう、バナナ、梨・洋梨、キウィフルーツなどは好調だったが、みかんなどの動きは鈍い。無駄を省く、手間をかけずに使えるカット系のセットは昨今のトレンドではあるが、個別商品の相場が高い時にはとりわけ人気が出る。そして相場安で農産品が不調な時にもカット野菜やカットサラダ、カットフルーツはよく動いており、野菜の相場動向を問わずに需要が高まっている感はある。最近は色々な野菜の組み合せをすることで種類も多様になり、例えば鍋物や野菜炒めなど、対象料理向けに用意されたものもあるほど。

畜産物は豚肉と鶏肉が好調で、牛肉が軟調。鶏卵は軟調だが加工肉は好調。

水産品は、刺身、まぐろ、ぶり、サーモン、さんま、うなぎ、塩鮭などの動きはよかったが、あじ、まだら、いか、開き物、えび、かに、しらす・ちりめん、貝類、数の子などの動きはいまいち。惣菜では温惣菜は、フライ、天ぷら、オードブル、唐揚げ、グラタン、焼鳥が好調だった。要冷惣菜は、和・洋惣菜ともに好調。弁当、寿司も好調。その他食品は、米、チルド飲料、野菜系飲料、アイスクリーム、ヨーグルト、冷凍食品、冷凍野菜、パスタ、ふりかけ、海苔、缶詰、漬物、納豆、豆腐、蒟蒻、チョコレート、ウイスキーなどがよかったが、乳製品、牛乳、パン類、カップ麺、麺類、スープ、ピザ、インスタントコーヒー、鍋つゆ、練物、食用油、佃煮、和・洋菓子、スナック、プリン・ゼリー、清酒、焼酎、ビールなどの動きは鈍い。

衣料品では紳士ものはドレスシャツ、カジュアルシャツ、カジュアルパンツ、ポロシャツ、薄手アウター、ボトム、婦人ものはブラックフォーマル、セーター、シャツ・ブラウス、カジュアルシャツ、ニット、カットソー、ボトムなどが堅調。

住関品では日用雑貨品は携帯型ゲーム機、玩具、マグボトル、キッチン用品関連、トイレ・バス用品、ペーパー類、鍋、タオル、たばこなどの動きは好調だが、カードゲーム、ゲームソフト、和食器、行楽用品、雑誌、文具、年賀用品などの動きは鈍い。医薬・化粧品は、制度化粧品、オーラルケア、フェイスマスク、衣料用洗剤・柔軟剤、台所用洗剤、医薬部外ドリンク、血圧計、除湿剤、殺虫剤、防虫剤などの動きがよく、マスク、総合感冒薬、鼻炎薬、除菌ジェル・シート、ヘアケア、ボディケア、住居用洗剤、入浴剤、健康食品、カイロは軟調。

「その他」項目は前回月から続く形で軟調さを見せ、マイナス21.6%。サービスはマイナス1.0%とマイナスに。サービスは旅行関係やチケット販売などが他の業種(多分にインターネット経由やコンビニ販売だろう)に奪われていたのだろう。

次回月となる2024年12月は11月同様に新型コロナウイルスの流行という特殊要因があるが、行動規制のたぐいはなく、外出機会を後押ししている。気温は全国的に低く、特に北海道と北陸、九州でかなり低い。降水量は日本海側全般で多く、太平洋岸で少ない。冬物の動きが大きなものとなるだろう。


↑ 今件記事のダイジェストニュース動画。併せてご視聴いただければ幸いである



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