「固定電話は必要」4割強、「今後減っていく」はほぼ3/4
2014/08/22 15:00
携帯電話の普及浸透、電話利用のライフスタイルの変化に伴い、固定電話は携帯電話に取って代わられつつある。一方で固定電話そのものは今なお多くの世帯で設置され、利用され続けている。それでは現状、固定電話はどの程度の人が必要だと思っているのだろうか、またどれほどの人が今後は減っていくと考えているのだろうか。ライフメディアのリサーチバンクが2014年8月20日に発表した、固定電話に関する調査結果から、世代別の実情・心境を確認していくことにする(【発表リリース:固定電話に関する調査】)。
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今調査は2014年8月6日から8月8日にかけて20歳以上の男女に対しインターネット経由で行われたもので、有効回答数は1500件。男女比、10歳区切りの年齢区分(60代は60歳以上)で均等割り当て。
先行の別途記事で解説しているが、今調査対象母集団では8割強の人の世帯で固定電話が現役の電話として使われている。
↑ 自宅で固定電話を導入しているか(再録)
かつて使っていたが電話線などを抜いてしまっているのではなく、実際に電話として使用している以上、何らかの必要性を感じての設置ではあるが、いざ「その固定電話、本当に必要?」と聞いてみると「必要」と回答できる人は全体で4割程度しかいない。
↑ 現時点で自分自身は固定電話を必要だと思っているか
世代別では歳を経るほど必要派は増加しているが、それでも現在固定電話を自世帯に導入している人の割合と比べるとはるかに低い。これは「自分は要らないと思っているが同居人が必要なので」「置いているけれども実際には必要ないっぽいな」「分からない」などの思惑を持つ人が、多分に固定電話を導入している人に居るものと考えられる。特に「分からない」との回答率は世代による差異がさほど大きく無く、固定電話の必要性に関する疑問は、世代をこえたものであることが分かる。
一応高齢者の方が固定電話の必要性を認識しているのは事実であり、60代以上では6割以上が必要性を覚えている。しかし現状認識は冷静で、今後固定電話は減っていくだろうとの考えを持つ人は全体で3/4に達し、世代による差異がほとんど無い結果が出ている。
↑ 携帯電話の普及で公衆電話が減ったように、今後、固定電話も減っていくと思うか
減少しないと考えている人は2割前後。むしろ若年層の方が若干高めなのが意外なところ。もっとも若年層では同時に「無くなる」とする意見も多いので、両極端なだけなのかもしれない。
料金体系や回線の混雑状況をのぞけば、携帯電話も固定電話も通話の上では大きな違いが無い。セットプランやFAX、インターネット回線確保のために必要不可欠な場合、ビジネスでの利用を考えるとさすがに「無くなる」ことは無いものの、今後はさらに固定電話を使わない層が増え、利用率が低下していくことは容易に想像できよう。
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