主要大都市圏での男女・年齢階層別喫煙率動向(国民生活基礎調査)(最新)

2023/09/29 02:32

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2023-0908先日から厚生労働省にて発表された年次定点観測的調査「国民生活基礎調査の概況」の最新版となる令和4年版(2022年版)を用い、たばこの喫煙率について複数の視点でその現状を確認している。今回は一部ではあるが、大都市圏における男女別、さらには年齢階層別に区分した上での喫煙率の状況を見ていくことにする。全国ベースの年齢階層区分による喫煙率はいくつかの調査で見受けられるが、地域によるものは滅多にないため、貴重な値であることに違いはない(【発表ページ:令和元年 国民生活基礎調査の概況】)。

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今調査の調査要件および注意事項は、今調査に関する先行記事の【世帯平均人数は2.25人…平均世帯人数と世帯数の推移(最新)】で解説しているので、必要な場合はそちらを参考のこと。

今調査では喫煙状況に関して20歳以上の人に「毎日吸っている」「時々吸う日がある」「以前は吸っていたが1か月以上吸っていない」「吸わない」「不詳」のいずれかに該当するかを尋ねている。そして「毎日吸っている」「時々吸う日がある」の回答者を喫煙者とし、全体に占める比率を算出したものを喫煙率としている。その喫煙率は全国、都道府県別の他に21大都市でも算出できるよう値が用意されているが、全部を掲示するのは煩雑にすぎるため、東京都区部、札幌市、仙台市、川崎市、京都市、大阪市、広島市、福岡市に限定して精査する。また他地域と比較がしやすいよう、縦軸の喫煙率区分はすべて統一する。

まずは東京都区部。いわゆる東京23区に限った値。

↑ 喫煙率(東京都区部、男女別・年齢階層別)(2022年)
↑ 喫煙率(東京都区部、男女別・年齢階層別)(2022年)

男性の喫煙率は40代後半がピーク。50代前半から下がり始める。興味深いのは女性の値で、20代後半と30代前半で低い値となっていること。それゆえに20代前半の高さが目立つ。また、女性は50代後半がピークとなっている。

続いて札幌市。

↑ 喫煙率(札幌市、男女別・年齢階層別)(2022年)
↑ 喫煙率(札幌市、男女別・年齢階層別)(2022年)

男性の喫煙率は40代前半で4割強、30代後半と40代後半から50代までは3割台と高い値。喫煙率の減少は40代後半から始まるが、減少度合いはゆるやかで、70代後半では2割近くの値を示している。北海道全体での喫煙率が都道府県別では第3位という高い値なのも、
でも2割を超えている。現役世代から引退世代の頭ぐらいまで押しなべて喫煙率が高いのが原因であることが分かる。寒い気候も影響しているのだろうか。

続いて仙台市。

↑ 喫煙率(仙台市、男女別・年齢階層別)(2022年)
↑ 喫煙率(仙台市、男女別・年齢階層別)(2022年)

寒い気候なら喫煙率が高くなるとの仮説に従えば、札幌市同様仙台市も高めの値が出ているのは納得できる。男性では減少は50代後半から始まっているが、70代前半までは2割以上を維持する。

他方女性は40代後半以降、60代前半までは1割以上を維持。60代後半でようやく1割を切っている。

県ベースで公共施設などの禁煙施策を実施している神奈川県に位置する川崎市。

↑ 喫煙率(川崎市、男女別・年齢階層別)(2022年)
↑ 喫煙率(川崎市、男女別・年齢階層別)(2022年)"

男性も女性も30代以降60代前半まで、高い値が維持されたの特異な動きを示している。ピークは男性で40代前半、女性は60代前半。

観光都市としても著名な京都市。

↑ 喫煙率(京都市、男女別・年齢階層別)(2022年)
↑ 喫煙率(京都市、男女別・年齢階層別)(2022年)

ばらつきがあり、男性は他地域と比べるといくぶん低めだが、30代後半から50代前半まで3割前後が維持される。他方、女性は50代以降に高い値が出る、変わった動きをしている。

先行する男女別の記事では「男女の差異がそれほど大きくない」との特徴が確認できた大阪府に位置する大阪市。

↑ 喫煙率(大阪市、男女別・年齢階層別)(2022年)
↑ 喫煙率(大阪市、男女別・年齢階層別)(2022年)

元々男性の喫煙率は高めで複数属性で3割台後半となり、さらに70代後半まで2割を切ることはない(若年層ですら1割台後半)。一方で女性の喫煙率も高く、ピークの40代後半では2割に届いているのが目にとまる。

中国・四国地方を代表して広島市。

↑ 喫煙率(広島市、男女別・年齢階層別)(2022年)
↑ 喫煙率(広島市、男女別・年齢階層別)(2022年)

男性のピークは40代前半、女性は40代後半。一方で85歳以上でも男性は1割近くを維持しているのが印象的。男性は20代後半から30代前半でも2割を超えている。

最後に福岡市。

↑ 喫煙率(福岡市、男女別・年齢階層別)(2022年)
↑ 喫煙率(福岡市、男女別・年齢階層別)(2022年)

全体的にも喫煙率は高めだが、男性では特に若年層で高率を示しているのが特徴。20代後半ですでに2割台後半となり、ピークは50代前半だが、70代前半までは2割超えを維持している。幅広い層でたばこが好かれているようだ。



今件はあくまでも一部の都市における統計的なもの。とはいえ各地域の特性が非常によく出ており、また都市によってはその地域のイメージに合致する値も示し、なるほど感を覚えさせる。特異な動きを見せた場所では、何らかの理由があり、その結果に至った可能性もあるだけに、その関連性を見出したいものではあるが。残念ながら国民生活基礎調査の結果単独では、それはかないそうにもない。


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