子供にネット機器は何歳頃から持たせるべきだろうか?

2014/07/25 11:30

このエントリーをはてなブックマークに追加
スマートフォンの利用が半ば以上当たり前となり、インターネットが日常生活の上では必要不可欠なインフラとして認識される昨今、成長過程にある子供達を持つ保護者にとって、頭の痛い問題の一つが「いつ頃から子供をインターネットへの接続端末に触れさせるか」。インターネットが無かった頃には存在しなかった、新たな育児問題として注目を集めつつある。果たして幼少児から触れさせるべきか、それともある程度の分別がついてからの方が良いのか。情緒教育との兼ね合わせもあり、難しい問題に違いない。デジタルアーツが2014年7月14日に発表した調査では、実際にゼロ歳から小学校低学年の子供を有する保護者に対してその質問を投げており、その回答が確認できる。現状社会における具体的な考え方の一例として、参考になるに違いない(【発表リリース:≪未成年の携帯電話・スマートフォン使用実態調査≫小学校低学年の約7割が自分専用の端末を所有、女子高校生の約8割が望まないサイトが表示された経験あり】)。



スポンサードリンク


今調査は2014年6月20日から24日にかけてインターネット経由で行われたもので、今件項目部分は未就学児から小学3年生の子供を末子に持つ保護者が対象。有効回答数は600人。保護者の男女比、子供の年齢区分(0-3歳、4-6歳、小学校低学年)でほぼ均等割り当て。

冒頭でも触れた通り、育児において「子供にインターネット接続機器を触れさせるタイミング」は重要かつ保護者に頭痛のタネとなる問題ではある。保護者の意志、教育方針、周辺環境などさまざな条件で決定される事項であり、一概に正解があるとはいえないが、次に示すのは今件調査対象母集団に尋ねた「子供のインターネット接続端末機器の使用開始に最適だと思う年齢」。ただし回答者が自分の子供に、すでに該当端末に触れさせているか否かは今件項目では問われていない。

↑ 子供のインターネット接続端末機器使用開始に最適だと思う年齢(択一、ゼロ歳-小学校低学年の子供を持つ保護者限定)
↑ 子供のインターネット接続端末機器使用開始に最適だと思う年齢(択一、ゼロ歳-小学校低学年の子供を持つ保護者限定)

最多回答区分は小学校低学年で28.2%。次いで4-6歳・小学校高学年がほぼ同率。小学校に上がる前にすでに触れさせても良いとする保護者は3割足らずに留まり、少なくとも小学校以降とする保護者が7割を超えている。

これを保護者の性別、さらに子供の年齢区分に細分した上で答えを再整理したのが次のグラフ。非常に興味深い結果が出ている。

↑ 子供のインターネット接続端末機器使用開始に最適だと思う年齢(択一、ゼロ歳-小学校低学年の子供を持つ保護者限定)(父親、子供の年齢別)
↑ 子供のインターネット接続端末機器使用開始に最適だと思う年齢(択一、ゼロ歳-小学校低学年の子供を持つ保護者限定)(父親、子供の年齢別)

↑ 子供のインターネット接続端末機器使用開始に最適だと思う年齢(択一、ゼロ歳-小学校低学年の子供を持つ保護者限定)(母親、子供の年齢別)
↑ 子供のインターネット接続端末機器使用開始に最適だと思う年齢(択一、ゼロ歳-小学校低学年の子供を持つ保護者限定)(母親、子供の年齢別)

全体では小学校低学年が最多回答率だったが、子供の世代別では大きな変化が生じている。一部例外を除けば、男女の保護者とも「現在の自分の子供の世代」でインターネット接続端末に触れさせるべきだと考えており、今の自分の子供がネット接続機器へのファーストコンタクトのタイミングであると自覚している人がもっとも多いことになる。

またこちらも一部例外を除くと、最多回答率の次に多い世代区分は2つ先の世代。例えばトップが小学校低学年なら中学生、0-3歳なら小学校低学年。要は「自分の子供にはいますぐ触らせるべき」が最多で「もうちょっと時間を開けてから」がそれに続くという構造は、どの世代の子供を有する保護者でも同じパターンであることが分かる。

唯一イレギュラー的な例外事例として存在しているのが、0-3歳児の子供を持つ母親。その年齢ではなく、小学校低学年を「はじめの一歩」とすべきであると回答しており、「2つ先の世代」法則も合致しない。その他回答項目でも父親と比べると多少ながらも子供の年齢でやや上の歳ほど高い値が出ていることから、母親は父親と比べ、子供のインターネット接続機器への接触には、慎重な姿勢を示していると見て良いだろう。



冒頭などでも触れているが、「育児の中で子供にいつ頃からインターネットに触れさせるか」という問題については、状況が生じてからまだ10年前後しか時間が経過していないこともあり、明確な答えは出せていない。今件結果もあくまでも一つの参考事例として、認識してほしい。

今後はタブレット型端末の普及に伴い、より子供のインターネットへのアプローチも容易なものとなる。いつ頃からOKを出すのかは結局保護者の判断次第であるが、その際に必要な啓蒙・ルールを教えとく事が欠かせないのは言うまでも無い。


■関連記事:
【ゲーム機は意外なネットへの窓口…小中高校生のゲーム機・携帯音楽プレイヤー・タブレット機の利用状況など(2014年)(最新)】
【70%…アメリカの子供へのタブレット機浸透ぶりを示す数字】
【子供にスマホやタブレットで絵本アプリを読ませたい? 希望者は約3割に留まる】
【世帯ベースで2割超、高年収では6割近くも…タブレット機普及動向(2014年)(最新)】
【子供用パソコン未整備学校は1割前後…小中学校のICT機器整備状況】



スポンサードリンク



このエントリーをはてなブックマークに追加
▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2024 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー|Twitter|FacebookPage|Mail|RSS