1割は「勉強時に使ってる」子供の勉強とスマホ、タブレットとの関係
2014/07/19 14:00
保護者の立場で子供のインターネットとの接触により生じる状況を想像すると、ソーシャルメディアやゲームなどの多用、悪用など、とかく心配事が多い。一方、インターネットの利用環境は子供の学習意欲を高めたり、様々な調べもののツールとして用いるなど、プラスの効用も十分以上に期待できる。それでは実態として、どれほどの子供達が勉強時にパソコンやスマートフォン、タブレット型端末を使っているのだろうか。英会話のGabaが2014年7月10日に発表した調査結果(【発表リリース:小中学生の教育とコミュニケーションに関する保護者調査】)から、小中学生におけるインターネットアクセス端末と勉強との関係を確認していくことにする。
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今調査は小学生または中学生の子供(複数子供がいる場合は末子)を持つ20代から50代の男女(保護者)に対し、インターネット経由で行われたもの。有効回答数は1000人。回答者性別と子供の学校種類区分(小学生低学年・同高学年・中学生)、子供の性別区分でほぼ均等割り当て。調査会社はネットエイジア。
子供が保有している・いないを問わず、スマートフォンやタブレット型端末、パソコンを「勉強時に」何らかの形でツールとして使っているか否かを尋ねたのが次のグラフ。あくまでも勉学用のサポートとしてであり、息抜きのゲーム用やチャット用として、ではないことに注意。
↑ 子供は自宅での勉強時に次の端末を使用しているか
スマートフォンやタブレット型端末はほぼ同率で1割強。それに対してパソコンは3割近くが利用されている。調べものなどの利用では大画面で表示も速い、パソコンが一番使いやすい。機動力もあまり必要ない。さらに保護者へのアピールも出来る。その上勉学用のソフトウェアも多数用意されている。勉強のツールとしてパソコンが一番なのも納得がいく。
しかしこれがスマートフォンやタブレット型端末を「子供が」保有しているか否かで仕切り直すと、状況は大きく変わってくる。
↑ 子供は自宅での勉強時に次の端末を使用しているか(端末保有・非保有別)
スマートフォンを保有している子供は実に5割近く、タブレット型端末ともなると6割近くが「勉強時に使っている」と答えている。具体的な使い方は今件調査では問われていないが、用語や事象に関する調べごと、状況確認のための動画視聴など、多彩な利用方法が考えられる。また、手元に置いてすぐに使えるため、それこそ辞典のような感覚で使えるのもメリットの一つ。パソコン(保有の有無では問われていないが)と比べても高い利用性向を示しているのも、表示機能よりも便宜性が好まれているのだろう。
また、スマートフォンやタブレット型端末を保有することで、操作そのものに慣れ、それらを使うことを日常生活の中でごく普通に行うようになり、その一環として勉強でも使っているに過ぎないという見方も出来る。いわば腕時計などのように、自らと一体化し、それを用いるのを当たり前とする考え方を有しているというものだ。保護者たる立場の大人が、何か疑問に思うことがあればすぐにネット経由で検索したり、動画でその実態を確認したり、地図サービスで場所を特定するような行為を、子供もしているのに過ぎないと考えれば、道理は通るというものである。
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