価格か料理の美味さか、男女で異なる「仕事の後の一杯」の場所選び(2014年)
2014/07/04 15:40
心身の疲れをいやす息抜きとして、あるいは趣味趣向として、さらには同僚・部下・上司とのコミュニケーションの機会として、仕事を終えた後の「飲み」は、会社勤めの人には欠かせない生活様式の一つとなっている。一時期は「飲みニケーション」なる言葉も浸透したが、今では個人主義的考えの強まりから、あまり使われなくなっているのも実情。一方で各種メディアでその姿が伝えられるに及び、一人で静かに飲み食いを行う「一人飯」が認知され、退社後に一人で飲みに行く事例もこれまで以上に増えている。今回はサラリーマンの小遣い事情を中心に活動様式を探る、新生銀行の定点観測的調査報告書「サラリーマンのお小遣い調査」の最新版をもとに、会社員達の就業後における「仕事の後の一杯」事情をほんの少しだけのぞいてみることにする(【発表リリース:サラリーマンのお小遣いは2年ぶりに上昇−「2014年サラリーマンのお小遣い調査」結果について】)。
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飲みに行くのは月に2回ちょっと
今調査の調査要件などは先行解説記事【2014年のサラリーマンこづかい事情】にある。そちらを確認のこと。今記事では追加調査要件である女性社員についても取り上げているが、女性は男性会社員の調査数のほぼ半分(536人)であるものの、世代別の均等割り当てなど他調査方法は男性社員と同じ。年齢配分比率などの点で差異はほとんど無い。
次に示すのは月平均何回ぐらい「仕事の後の飲み」に行くのかについて。年度初め、年末などは足を運ぶ回数は増え、夏も暑さをしのぐために通う事例もあり、冬は鍋で暖を取るのも兼ねて……と理由を重ねていくと一年中通う機会が増えてしまうが(笑)、ともあれ平均的な回数は男性2.4回、女性で2.1回。
↑ 仕事が終わった後、1か月平均で何回ぐらいお酒を飲みに行くか(回、2014年)
男性の世代別では40代がやや多く2.8回。ちょうど中間管理職的な立場にいることが多い世代であることを考えると、部下や上司との意志疎通も兼ねた機会と考えられる。また女性の2.1回は、例えば部署単位で男女を問わず、あるいは女性だけの「女子会」的なものも合わせてのものであることを考えると、いくぶん少なめかもしれない(世代別回数も確認したいものだが、公開されていない)。
お店を選ぶポイントは「安い」か「美味い」か「近いか」
それではそれらの「仕事の後の一杯」の場となるお店は、どのような基準で選んでいるのだろうか。まずは男女別。
↑ お酒を飲みに行く時に、お店を選ぶ主なポイントは(3つまで選択、上位6位、男女別、2014年)
ここまではっきりと男女の趣向の差が出るのも珍しい。上位3位のラインアップは変わりがないが、順位ががらりと変わっている。男性はまず「価格が安い、手頃」であり、次いで「料理が美味しい」、そして「場所が近い、便利」。いわば安・旨・近。ところが女性は「料理が美味しい」がトップ項目につき、次いで「価格が安い、手頃」。さらに「場所が近い、便利」と「お店の雰囲気が良い」が同列に並んでいる。女性は旨・安・近&良雰囲気。男性が実務的、効率的な点を重視する一方で、女性は雰囲気や食事までをも含め、全体的な雰囲気を楽しもうとしているのが分かる。
男性が効率を重要視する傾向は、世代を超えてのもの。
↑ お酒を飲みに行く時に、お店を選ぶ主なポイントは(3つまで選択、上位3位、2014年)
もっとも50代にもなると、「料理が美味しい」の回答値が61.7%と高値を付け、「価格が安い、手頃」とほぼ変わらなくなる。お財布事情にもある程度余裕が出来、健康面の上でも美味しいものを欲する願望が強まるようである。ただしそれでもなお、女性の美味しいものへのあくなき探究心にはかなわないようだ。
料理に関する女性のこだわりは「仕事の後の一杯」のお店選択で十分認識できたわけだが、この傾向はお昼時の食事でも表れている。
↑ ランチの店を選ぶ主なポイントは(3つまで選択、上位6位、男女別、2014年)
やはり昼食でも「料理が美味しい」の項目は女性の方が上。一方で「量が多い」は男性の方が高く、質の女性・量の男性という構図が見えてくる。
また一方で、「場所が近い、便利」「オーダー、料理が早い」との観点でも女性の方が回答率は高い。女性は昼食には男性以上に色々とこだわりを示すようである。
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