すばり聞きましょう、あなたの貯蓄額は今いくら?
2014/06/27 15:30
金銭関連の話は他人に聞くのが難しい。多分にプライベートな内容に踏み込むことになるからだ。しかし誰にも共通する、そして他人の実情を知りたいテーマであるのも否定できない。今回はメディケア生命保険が2014年6月17日に発表した、消費税増税後の節約術・貯蓄術に関する調査結果から、そのお金周りのテーマの一つ、「現在の貯蓄額」について、現状を見ていくことにする(【発表リリース:消費税増税後の節約術・貯蓄術に関する調査】)。
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ゼロ円は1割近く、答えたくないも1/3
今調査は2014年5月9日から15日に渡って、20歳から59歳の男女に対して携帯電話を用いたインターネット経由で行われたもの。有効回答数は1000件。男女比・10歳区切りの世代構成比で均等割り当て。調査実施機関はネットエイジア。
次に示すのは現在の貯蓄額を額面区分で答えてもらったもの。なお今件における貯蓄とは、郵便局における預金、銀行の貯金など、直接金銭を積み立てるものに限定し、有価証券などは含まれないものとする。
↑ 現在の貯蓄額(単一回答)
貯蓄ゼロ円との回答が9.7%とほぼ一割。日常生活で消費するために用いる口座はともかく、貯蓄性の高い口座そのものを持たない、持っていても実質的に残高がゼロとの人がこれだけいる。それを除くとボリュームゾーンは50万円未満で18.0%、以下額面と共に回答率は漸減するが、700万円台以降は逆にほんの少しずつだか増加の傾向を示す。貯蓄額に関しては二極化が起きていると見ることもできる。また匿名回答にも関わらず、「分からない・答えたくない」とする意見も32.4%おり、実態が非常に低い・高いいずれにせよ、自分の貯蓄内容は知られたくないとする人が多いことが改めて認識できる。
これを世代別に見たのが次のグラフ。
↑ 現在の貯蓄額(単一回答)(世代別)
ややばらつきがあるが、「ゼロ円層はどの世代でも一定数存在」「50万円未満は若年層ほど多く、特に20代では3割を超える」「分からない・答えたくないは年上ほど多い」などの傾向がある。それぞれの世代の特性を考えると、納得の出来る動きではある。
回答者のうち「分からない・答えたくない」をのぞいた人で平均値を算出すると、具体的な姿が見えてくる。
↑ 現在の貯蓄額(万円)(単一回答を基に算出した平均額。「分からない・答えたくない」の回答除く)
20代の額面が低いのは仕方ないとして、40代がやや低めなのは意外。子供がいる世帯では一番お金がかかる時期(高校から大学)でもあることから、積み立てを降ろしてやりくりした結果、貯蓄額も減らさざるを得なくなったのだろう。また50代は一応約500万円という結果が出ているが、「分からない・答えたくない」の回答率が約45%もあり、その多分は少額ではなく結構な額であることを考えると、実質的にはもう少し上の額だと考えられる。
額面があるから楽しみなのか、楽しみだから額面が増えるのか
今件を「銀行通帳」(郵便局の預金口座の通帳も含む)を見るのが楽しみか否かという、金銭周りの趣味趣向で属性化し、その差異を確認したのが次のグラフ。
↑ 現在の貯蓄額(単一回答)(銀行通帳を見るのが楽しいか否か別)
額面が一定額、自分の満足できる内容であるからこそ通帳を見るのが楽しいのか、それとも通帳を見るのが楽しいからこそ貯蓄に励むようになり結果として貯蓄額も積み増しされるのか。ニワトリと卵の関係のようであり、どちらが先かは特定できないが(恐らく双方とも正解で、相互作用的なものなのだろう)、通帳を見るのが楽しみな人ほど、貯蓄額も大きくなる傾向がある。また「分からない・答えたくない」との回答は通帳を見るのが楽しみで無い人の方が圧倒的に多く、額面が少額なゆえに答えたくないのに加え、元々滅多に通帳には目を通しておらず、自分の貯蓄額を把握できていないであろうことが推測できる。
なお「分からない・答えたくない」をのぞいた平均額は、通帳を見るのが楽しみ派は499万円、そうでない派はほぼ半分の237万円に留まっている。通帳を見て楽しむこととその額面の間に因果関係があるわけでは無いが(あるのならそれこそ「通帳を見て楽しむ貯蓄テクニック」なるものが出来てしまう)、貯蓄用の通帳に目を通し、定期的に実状を把握することから「貯蓄道」は始まるのかもしれない。
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