日本の若者が抱えるネガティブシンキング、各国比較で上位独走!?

2014/06/12 08:30

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内閣府は2014年6月に諸外国の若者における意識調査の結果を発表した。それによると日本を含む7か国から成る構成国の若年層においては、最近悲しい事やゆううつな事、一人ぼっちでの寂しさなど、ネガティブな思いを抱いた人の割合は、ほぼ日本が最多回答率を示していることが分かった。多項目で韓国が日本に続き、逆にドイツやフランスは低めの値が出ている(【発表リリース:平成25年度 我が国と諸外国の若者の意識に関する調査】)。



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今調査は2013年11月から12月にかけて日本、韓国、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、スウェーデンを対象に13歳から29歳の男女に対して、各国の主要言語を用いてインターネット経由で行われたもので、集計数は各国とも約1000。それぞれの国の人口構成比を元に、性別・世代区分別、さらには地域区分別の割り当てを行っている。

過去の経歴全般では無く、回答時点で直近一週間に限定し、つまり見方を変えれば常日頃、心の状態として「悲しい」「ゆううつ」「ひとりぼっちで寂しい」といった、どちらかといえば内向的、ネガティブな心境を抱いている状態か否かを聞いた結果が次のグラフ。まずは日本人に限定した回答だが、「一人ぼっちで寂しい」が5割強とやや低めなのを除けば、得てして7割以上、3/4前後が同意を示している(回答選択肢は「あった」「どちらかといえばあった」「どちらかといえばなかった」「なかった」の4択で、そのうち「あった」「どちらかといえばあった」の合計)。

↑ この一週間につぎのようなことを感じたことがあったか(あった派合計)(日本)
↑ この一週間につぎのようなことを感じたことがあったか(あった派合計)(日本)

実体としては「あったか無いかと聞かれれば、どちらかならば『あった』が該当する」というやや弱めの回答が半数を占めているのだが、それでもマイナス思考的な回答率の高さがうかがえる。2013年11月から12月において、日本で何か特異な、若年層の心境をなえさせるような出来事は見当たらないことから、日常茶飯事的な心理状態の実情と見て良いだろう。

これを今回調査の7か国で比較したのが次のグラフ。

↑ この一週間につぎのようなことを感じたことがあったか(あった派合計)(各国比較)
↑ この一週間につぎのようなことを感じたことがあったか(あった派合計)(各国比較)

「一人ぼっちで寂しい」が韓国に抜かれているものの、全体的に日本の回答値の高さが目立つ結果が出ている。今件は若年層に限定した回答ではあるものの、日本人は心理的に沈んだ状態であると自覚することが多い、ポジティブな考え方が苦手との話は良く見聞きするが、それを裏付ける結果となっている。

また全般的にはドイツやフランスの低さが目に留まる。「一人ぼっちで寂しい」はドイツでは27.1%、フランスでは30.5%しかなく、日本や韓国の半分程度に留まっている。世帯構成人数の差異も一因だと考えられるが、世帯構成とはあまり関係が無いように思える他の項目でも類似の傾向が出ていることから、それはあくまでも一要素に過ぎないのだろう。



今件項目に限らず、日本の若年層の回答傾向として、内向的、マイナス思考的な項目で他国と比べて高い値が出ている。レポートには識者の解説も複数掲載されているが、その中に「日本人は他の国の人と比べて、『自分が他人に役立つ存在である』と認識することで、初めて自分の満足・充足感を得る傾向が強い」との分析がある。

つまり他国では「自分は自分だから自分の考えで行動し、それで満足」なのに対し、日本では「自分は社会の一員で他人とのつながりの中で生きているので、他人に認められて役立ってもらうことで、存在価値を見いだせる」傾向が強いというものである。

この分析が正しければ、日本の若年層においてマイナス思考が強いのは、他人に認められる場が少ない、認められるような能力が発揮できないのが要因として考えられる。それがすべてというわけではないが、あながち的外れでも無い感はある。


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