「歩きスマホ規制すべし」非保有者71%、保有者でも5割近く
2014/05/30 15:30
歩行中のスマートフォンの操作に伴い周囲への注意感心が薄れ、他人や建物との衝突、足を踏み外すなどの思わぬ事態に発展する事例が多々あることから、その行為「歩きスマホ」が社会問題化し、注目を集めている。歩行中に他の行為をすることで注意力が散漫になる状況は携帯ゲーム機の操作や読書、音楽プレイヤーでの音楽聴取などでも変わりがないのだが、スマートフォンは概して集中度がそれらと比べて非常に大きいため、より周囲への注意が散漫になり、リスクが増大してしまう。そこで一部には条例などで規制をすべきとの声も上がっている。この「歩きスマホ」問題に関して、ライフメディアのリサーチバンクでは2014年5月28日に調査結果を発表しているが、それによれば全体では6割近く、スマートフォンを持たない人に限れば7割以上の人が「歩きスマホは何らかの形で規制をすべきだ」と考えていることが分かった(【発表リリース:歩きスマホに関する調査】)。
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過半数が「歩きスマホ規制すべし」
今調査は2014年5月16日から21日に渡ってインターネット経由にて10代から60代の男女に対して行われたもの。有効回答数は1200件。男女比、10歳区切りの世代構成比は均等割り当て。
先行する記事【歩きスマホの実経験6割強、やってることはメールや地図、通話】の通り、今調査対象母集団の53.8%はスマートフォンを所有しており、そのうち61.9%は「歩きスマホ」をしている。全体比では33.3%、ほぼ1/3と小さからぬ比率となっている。また調査対象母集団全体では14%の人が、歩きスマホをしている人にぶつかった経験を有している。
↑ 「歩きスマホをしている人」と自分がぶつかりそうになった経験はあるか(調査対象母集団全員対象)(再録)
同じ携帯電話でも従来型携帯電話が主流だった頃から、この「ながら問題」は取り上げられていたが、集中度が段違いなスマートフォンの普及で、一挙に深刻化した感はある(操作系の問題もあろう)。そこでこの「歩きスマホ」について、法令や条例などで何らかの規制をした方が良いのか否かと尋ねた結果が次のグラフ。「した方が良い」の具体的な強度までは尋ねていないが、するべきか否かとの二択(+態度留保・分からない)においては、するべきであるとの回答が過半数に達していた。
↑ 「歩きスマホ」を「歩きたばこ」のように法令や条例などで規制した方が良いと思うか
類似事例として「歩きたばこ」を挙げていることから、それほど厳密で厳しい取り決めで無いことは予想できるが、不文律では無く成文法である以上、現状とは大きな変化が生じるには違いない。それを求める人が59.5%で6割近く。する必要はないとの意見は2割強に留まり、意見留保も2割足らず。男女別では女性の方が成文化にやや好意的で、男性の方が反発心は大きい。
そして回答者自身がスマートフォンを利用しているか否かは大きな判断基準となっている。成文化への賛成は所有者では5割足らずに留まっている一方、非保有者は(当然、ぶつけられる側のみなので)7割以上が賛成している。「歩きスマホをしているか否か」「歩きスマホをしている人にぶつかった経験があるか否か」別の意見も見たいところだが、残念ながら今調査ではその項目は無い。
「成文化されても続ける」6割
それでは仮に、「歩きスマホ」規制法的なものが施行されたとして、今現在「歩きスマホ」をしている人は、その法の取り締まり対象となる場面で「歩きスマホ」を続けようとするだろうか。
↑ 仮に「歩きスマホ」が法令や条例で規制されても歩きスマホをするか(現在歩きスマホをすることがある人限定)
取り締まり方の強度や罰則内容に、多分に影響される部分はあると思われるが、一般論として法規制が入っても、歩きスマホをこれまで通り続けると回答した人は1割強。控えるようにする、見方を変えればしないわけではない人は5割近く。合わせて6割は「法で取り締まられるようになっても、続けるだろう」と答えている。
自制する人は3割、分からない人は1割足らず。男女別では男性の人が「分からない」との回答率が高く、自分の行動制止に自信が持てない人が多いことが分かる。
交通機関利用上の喚起、携帯電話事業者側の啓蒙運動など、「歩きスマホ」に関する注意は以前と比べて随分と目につくようになった。しかし状況が改善されているとの話は耳にしない。スマートフォンの利用率が増加し、利用者の幅も拡大し、使える機能の魅力も増大しているからだろう。
弊害が大きくなる一方で、自主規制による効果が望めなければ、実法による強制力のある取り締まりが求められるようになる。現在はまさにこの状況にある。成文法での規制は効果も高いが、同時に柔軟性にも欠ける面が出てくる。成文法での規制が望ましいとは言い切れない。
利用者各位においては現状を十分認識し、窮屈な状況にならないよう、判断をして行動に移して欲しいものである。
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