陸海空海兵隊沿岸警備隊…米国人にとってもっとも重要なのは? 信頼がおけるのは!?

2014/05/25 20:00

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日本の場合は軍では無く自衛隊で、他に海上保安庁などの組織が類するものとなるが、他国では大抵において敵性勢力の軍事的侵略行為から自国を守り、国権を維持するための国家的組織として軍が存在する。アメリカの場合は陸海空軍、さらには海兵隊、そして沿岸警備隊もそれに類するものとなる。それでは同国民の視点では、どの組織がもっとも同国を守るために重要だと思われているのだろうか。同国調査機関のギャラップ社が2014年5月23日に発表した調査結果から、その実情を探ることにする(【Americans Say Army Most Important Branch to U.S. Defense】)。



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今調査は2014年5月5日から8日にかけて、RDD方式によって選択されたアメリカ国内に在住する18歳以上の人に対して電話インタビュー方式で行われたもので、有効回答数は1028人。対象電話は固定電話と携帯電話が1対1。言語には英語とスペイン語が用いられ、国勢調査結果に基づいたウェイトバックが行われている。

冒頭にある通りアメリカには陸、海、空、海兵隊、湾岸警備隊と5つの主要軍的組織が存在する。州兵などもあるが、今件では取り上げられていない。それら5つの組織のうち、もっとも同国を守るために重要だと思うかとの問いに対し、一番多くの人が挙げたのは陸軍だった。ほぼ1/4の26%が「アメリカを守るためにもっとも重要なのは陸軍」と答えている。

↑ 回答時点で米国本土を守るためにもっとも重要なのはどの軍か(米、ギャラップ社調査)
↑ 回答時点で米国本土を守るためにもっとも重要なのはどの軍か(米、ギャラップ社調査)

次いで重要視されているのは空軍で23%、海兵隊19%、海軍が17%と続く。経年変化を見ると、空軍は年代を経るごとに重要だとの認識が減りつつあるものの、直近になってやや持ち直しの感はある。その分海兵隊は直近で多少値を下げ、空軍と立ち位置を逆転している。他方、陸軍の安定感は他の部局を凌駕するものであり、安定のトップといったところか。

レポートによれば、イラクやアフガニスタンにおける激しい地上での戦いが、これまでの「空軍が一番重要」という意見を持つ人を減少させ、陸軍をその分増やしたものと分析している。ビジュアル的な要素の大きい報道が、人の意識を変化させるという観点では、興味深い話ではある。

一方で国を守るために重要だと思われている対象が、そのまま誇らしく、信頼がおけ、頼もしい存在であるとの認識をされているとは限らない。どの組織がもっとも誉れ高いかとの質問には、断トツで海兵隊が最上位についている。しかも昨今に至るにさらにその度合いは上昇している。

↑ 回答時点で米国本土を守るためにもっとも誇らしく信頼がおけるのはどの軍か(米、ギャラップ社調査)
↑ 回答時点で米国本土を守るためにもっとも誇らしく信頼がおけるのはどの軍か(米、ギャラップ社調査)

レポートによれば海兵隊がここまで信頼を寄せられ誉高さを認識されているのは、その少数精鋭的なイメージ(実際そうなのだが)、数々の実録、さらには架空のドラマや映画などに登場するその雄姿が原因だと説明している。指摘の通りエリート部隊たる海兵隊の活躍を直接・間接的に描く作品は多く、それらのイメージが浸透していると考えれば納得は行く。

無論数字の低い対象組織に重要性が無いわけでは無く、信頼がおけないはずもない。あくまでも相対的な話でしかなく、また選択肢に挙げられていない組織もまた、同様の重要性を持ち責務を果たしていることはいうまでもない。

日本で同様の調査をした場合、どのような結果が得られるのだろうか。自衛隊や海上保安庁に対する評価は高まるばかりとの調査は出ているが、気になるところではある。


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