「身近な人とのコミュニケーション」が一番…高校生のソーシャルメディア利用理由とは?

2014/05/30 08:30

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携帯電話、特にスマートフォンの普及に伴い加速度的に浸透しつつある、ソーシャルメディアなどのインターネット上のコミュニケーションサービス。大人の間だけでなく、携帯を持った子供達の間にもあっという間に普及してしまい、今やそれなしには満足な交流も難しくなる事例もあるほど。それでは子供達は、何を目的にソーシャルメディアを利用しているのだろうか。今回は情報通信政策研究所が2014年5月14日に発表した「高校生のスマートフォン・アプリ利用とネット依存傾向に関する調査」の速報版の結果から、高校生におけるソーシャルメディアの利用目的を見ていくことにする(【発表リリース:「高校生のスマートフォン・アプリ利用とネット依存傾向に関する調査」<速報>を追加しました】)。



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リアルな知り合いとの交流が一番


今調査は2014年1月7日から31日までの間、154校の都立の全日制・定時制の高等学校に対して、郵送法による無記名自記式質問紙調査方式で行われたもの。有効回答数は1万5191票。学年・性別区分はほぼ均等割り当て。

先行記事【LINE、ツイッター、そしてFacebook…高校生のソーシャルメディア利用状況】などにある通り、調査対象母集団の高校生では9割超の人がソーシャルメディアなど(LINEは厳密はソーシャルメディアではないが、今件調査では含めている)を利用している。

↑ ソーシャルメディアなどの利用状況(高校生、2014年1月)(再録)
↑ ソーシャルメディアなどの利用状況(高校生、2014年1月)(再録)

それではそれらソーシャルメディアを利用している高校生たちは、どのような目的でアクセスしているのだろうか。複数回答で尋ねた結果が次のグラフ。最上位には「友達や知り合いとコミュニケーションを取るため」で71.8%の値を示すこととなった。

↑ ソーシャルメディア利用目的(高校生、2014年1月、複数回答、ソーシャルメディア利用者限定)
↑ ソーシャルメディア利用目的(高校生、2014年1月、複数回答、ソーシャルメディア利用者限定)

高校生の時分ではまだ行動範囲は限られており、付き合いのある人となれば学校や近所の人、幼馴染、塾の知り合い位がメインとなる。それらの人達とより気軽に、ハードルの低い意志疎通ツールとして、ソーシャルメディアを利用する事例が最大多数となっている。現実に会ったことがあり、その人となりを知っていれば、ソーシャルメディアで対話をしても大丈夫だという安心感もあるのだろう。

また「周りも使っている」も、意思疎通のために欠かせないツールとなっているという点ではこの「コミュニケーションを取るため」に近い。友達が持っていて自分が持っていないと話題に加われないとのパターンは良くある話だが(テレビ番組の視聴でもありがち)、コミュニケーションツールそのものがその対象なのだから、断絶感はさらに大きくなる。

次いで「暇つぶし」が過半数。多種多様な意見が交わされるソーシャルメディア内では、自分から書込みをして積極参加しなくとも、大いに時間をつぶすことができる。書込みで話に加われば、リアルタイムで反応が得られるかもしれず、さらに面白みは増す。「情報収集」も遊びか否か、その比率の違いはあるが、意図的にはそれに近い。

「学校・部活動などの事務的な連絡のため」も意外に多い。学校によっては緊急連絡網のルートの一つとして、ソーシャルメディアを使っているとの話も聞く。特に高校生ならば9割以上が使っている実態がある以上、それを利用するのはごく普通の話ではある。

女子は多種多様な目的意識を持つ


これを男女別に仕切り直したのが次のグラフ。

↑ ソーシャルメディア利用目的(高校生、2014年1月、複数回答、ソーシャルメディア利用者限定)(男女別)
↑ ソーシャルメディア利用目的(高校生、2014年1月、複数回答、ソーシャルメディア利用者限定)(男女別)

「その他」以外の全項目で男性を女性が上回っている。女性が多種多様な目的意識を持ってソーシャルメディアを利用していることが分かる。特に友達周りの目的や、マルチメディア関係、さらには有名人の動向チェックの選択肢において、男性の回答値との差異が大きく、口コミ用のツールとしてソーシャルメディアをフル活用している様子がうかがえる。

一方、学年別に見ると、歳を経るに利用目的が微妙に変化しているのが確認できる。

↑ ソーシャルメディア利用目的(高校生、2014年1月、複数回答、ソーシャルメディア利用者限定)(学年別)
↑ ソーシャルメディア利用目的(高校生、2014年1月、複数回答、ソーシャルメディア利用者限定)(学年別)

回答上位、特にエンタメ系や遊び系の回答項目の回答率が学年と共に減り、他人の意見を見分する項目が増加する。また「情報収集」「友達の近況確認」の項目はほぼ横ばいを示している。2年、3年と学年が上がるにつれ、単なる遊び用のツールとしての立ち位置から、より実用的な使い方が増えているようだ。



本文中でも触れたが、一部学校では連絡網のルートの一つにソーシャルメディアを組み込んでいる場合がある。またサークルや部活動でもソーシャルメディアで意思疎通を行うことがメインとなる事例も少なくないだろう。これもひとえに、高校生における携帯電話、特にスマートフォンの普及状況が後押しをしている。要はかつての電話のように、ソーシャルメディアが連絡用インフラとして使われているわけだ(無論今でも通話による電話のやりとりも用いられているが)。

電話は基本的に一対一の意志疎通となるが、ソーシャルメディアはそれに限らない。使い方を誤ると、取り返しのつかない状態になる。特に高校生をはじめとした未成年の場合は、ノリと勢いで一生を棒に振ってしまいかねない挙動に走るリスクを(大人以上に)有している。利用方法に関する注意事項、啓蒙を今一度しっかりと行うことが求められよう。


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