LINE、ツイッター、そしてFacebook…高校生のソーシャルメディア利用状況

2014/05/20 15:30

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急速に進むスマートフォンの浸透と共に、高校生の間にもソーシャルメディアなどのデジタルコミュニケーションサービスが加速度的に普及しつつある。ほんの数年前までには信じられない、目も疑うような普及率の高さを、ここ1、2年の各調査結果で見聞きする。情報通信政策研究所が2014年5月14日に発表した、「高校生のスマートフォン・アプリ利用とネット依存傾向に関する調査」の速報版からも、その実情を知ることができる。今回はその調査結果から、高校生が具体的にどのようなソーシャルメディアなどを利用しているかについて、見ていくことにしよう(【発表リリース:「高校生のスマートフォン・アプリ利用とネット依存傾向に関する調査」<速報>を追加しました】)。



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トップはLINE、そしてツイッター、Facebookと続く


今調査は2014年1月7日から31日までの間、154校の都立の全日制・定時制の高等学校に対し、郵送法による無記名自記式質問紙調査方式で行われたもの。有効回答数は1万5191票。学年・性別区分はほぼ均等割り当て。

今調査に関する先行記事の通り、今調査対象母集団では9割以上の人がソーシャルメディアなど(LINEは厳密にはソーシャルメディアでは無いので、このような表現を用いている)を利用している。

↑ ソーシャルメディアなどの利用状況(高校生、2014年1月)(再録)
↑ ソーシャルメディアなどの利用状況(高校生、2014年1月)(再録)

そこで具体的にどのようなソーシャルメディアなどを利用しているかを聞いた結果が次のグラフ。次以降のグラフは調査対象母集団全体、あるいは個々の属性比であることに注意。例えばLINEは85.5%とあるので、高校生全体の85.5%がLINEを使っている(書き込みをする、見るだけ双方)ことになる。ソーシャルメディア利用者限定では無い。

↑ ソーシャルメディアなどの利用状況(個別、高校生、2014年1月)
↑ ソーシャルメディアなどの利用状況(個別、高校生、2014年1月)

もっとも使われているのはLINE。次いでツイッター(Twitter)。操作系統、見た目も似通ったサービスなだけに、親和性も高いのだろう。そして一段下がってFacebook、Google+が続く。先日ゲームアプリの盛況さで大いに話題に登った、国内大手ソーシャルメディアサービスのmixiは13.3%に留まっている。

性別と学年別…属性別利用状況


これを属性別に見たのが次以降のグラフ。まずは男女別だが、興味深い動きを示している。

↑ ソーシャルメディアなどの利用状況(個別、高校生、2014年1月)(性別)
↑ ソーシャルメディアなどの利用状況(個別、高校生、2014年1月)(性別)

上位にあるLINEやツイッターのようなチャット系サービスでは女性の利用率は男性と比べて非常に大きなものとなっている。特にツイッターは14.2%ポイントもの差が出ている。ところがFacebookやGoogle+のような日記併用的なサービス(mixiでは特にその傾向が強い)ではあまり変化が無く、MobageやGREEのようなゲームをメインとするサービスでは逆に男性の方が高い利用率を示している。とりわけMobageでは男女間で6割増しもの差が出るほど。

これらの動きを見ると「女性はチャット」「男性はゲーム」「日記系は男女共に」という意図のもと、ソーシャルメディアなどのサービスを愛用すると考えれば、各属性別の動きにも納得がいくというものだ。

続いて学年別。

↑ ソーシャルメディアなどの利用状況(個別、高校生、2014年1月)(学年別)
↑ ソーシャルメディアなどの利用状況(個別、高校生、2014年1月)(学年別)

低学年ほどLINEやツイッターのようなチャット系、高学年ほどFacebookやmixiのような日記系のサービスを多く利用するようになる。趣味趣向の変化に伴い、単なるチャットから多種多様なやりとり・情報収集がし易い、そして自己表現の幅が広がる日記系サービスに移行していると考えればスムースな流れとなる。

一方で現在がスマートフォンの普及時期にあり、低学年ほどスマートフォンの利用率が高い状況を合わせて考察すると、スマートフォンとの相性がすこぶる良いチャット系サービスが多用されているだけという考え方もできる。もっともチャット系に限らず、列挙されたすべてのサービスにおいて、スマートフォン利用者の方がそれ以外(従来型携帯電話利用者など)よりも利用率が高いため、理由をそれだけに限定することは難しい。一因としてはあるかもしれないが。



「スマホの普及率が高い低学年ほど、チャット系サービスを多用するのではないか」との仮説。これについては、あと数年で高校生におけるスマートフォンの普及過渡期が終わることから、この2、3年のうちに結論が出せることになる。もし1年生から3年生まで同程度のスマートフォン利用率となり、それでもなお「低学年ではチャット系、高学年では日記系」という動きを示し続ければ、歳を重ねるに連れて利用性向が変わると判断できることだろう。


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