なぜ止めた? どうして登録しないのか? ツイッター非利用者のホンネ(2015年)(最新)
2015/05/18 15:30
Facebookやmixiなどと共に、日本に浸透しつつあるソーシャルメディアの一つとして知名度を上げつつあるツイッター(Twitter)。しかしライフメディアのリサーチバンクが2015年5月13日に発表した調査結果(【発表リリース:Twitter(ツイッター)に関する調査(2015年)】)によれば、現時点でアカウントを取得し利用している人は26%に留まっている。それでは過去に利用していたが今は使っていない人、さらにはアカウント取得そのものをした経験が無い人は、なぜツイッターから離れた、元々距離を置いているのだろうか。今件調査結果からその実情を探る。
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「ツイートが面倒」「何が面白いのか」価値を見いだせない実態
今調査は2015年4月23日から30日にかけてインターネット経由で10代から60代の男女に対して行われたもので、有効回答数は1800件。男女比・10歳区切りの世代構成比は均等割り当て。
今調査対象母集団においては、ツイッターそのものを知っており、「現在非利用(アカウント放棄)」「過去にアカウントを登録したことがある」人、つまり以前使っていたが今は使っていない人は全体の14.9%に達している。これらの人に、なぜツイッターを止めたのかを複数回答で聞いた結果が次のグラフ。
↑ なぜツイッター利用を止めて現在利用していないのか(過去に使っていた人限定)(複数回答)(2015年4月)
最上位項目は「ツイートが面倒」、次いで「面白さ・楽しさが分からない」さらには「ツイートすることがない」。これらの上位項目を見ると、多分に「ツイッターなるものが何だかよくわからない物」「何の意味があるのか、その価値が見いだせない」との認識が強いことが分かる。ワープロソフトなら文集の構築と構成、保存、ペイントソフトならお絵かき、ブログなら自己表現の場の構築と、インターネットやパソコンで使えるサービス・ソフトウェアは多かれ少なかれしっかりとした目的・構築対象が判明している。ところがツイッターにはそれに該当するものがない。要は「独り言をタイピングして、何が面白いの?」といったところである。先行する記事【全体で26%・10代女性は7割がアカウント持ち…ツイッターの利用状況(2015年)(最新)】で解説の通り、ツイッターは「短文ブログと新規更新情報取得のRSSシステムを掛け合わせたような、疑似的チャットシステム、ミニブログ」であり、要は希望する人には優先して逐次配信するブログのミニサイズと考えれば、理解はできるはずなのだが。
次いで多いのは「何をしたら良いのか分からない」。これもツイッターの本質、概念そのものがつかみきれていない感はある。確かにこれまではインターネット上のサービスにおいて類似するものが無かっただけに、説明しにくく、理解しがたい存在かもしれない。まだFacebookなら「世界規模のmixiみたいなもの」で大よそ理解してもらえるのだが。
これを男女別に見たのが次のグラフだが、「ツイートが面倒」「ツイートする時間が無い」で男性、「面白さ・楽しさが分からない」「何をしたらよいのか分からない」で女性が高い値を示している。
↑ なぜツイッター利用を止めて現在利用していないのか(過去に使っていた人限定)(男女別)(2015年4月)
男性はツイート行為に対する価値を見いだせず、労力の無駄だとの認識が強い。女性はどのような効用が見いだせるのかが「まだ」把握しきれていない感はある。ツイッターを利用した経験がありながら、そこから離れるという状況は、男女ではツイッターに対する心境面で小さからぬ違いがあるようだ。女性は何らかのきっかけで再びツイッターを使い始める可能性は多分にあるが、男性は女性と比べると復帰可能性は低そうな感じがする。
「そんなものは要らない」ツイッターに登録しない人達の気持ち
それではツイッターに登録した経験が無く、今もしてない人達(全体の55.6%)に、なぜ登録しないのかを聞いた結果が次のグラフ。最多回答項目は「ツイートしたいと思わない」とするもので、5割前後、女性に限れば過半数に届いている。
↑ なぜツイッターの登録をしないのか(利用したことが無い人限定)(複数回答)(2015年4月)
ツイッターの仕組みをある程度理解した上で、自分の戯言的な語りをわざわざネット上に書き記して不特定多数に披露することに、意味を見いだせない。その行動への価値が無いとの判断。仕組み・概念的にはブログやウェブサイトと似たようなものなのだが、書込み行為をツイート・つぶやきと表現しているため、わざわざその程度の言葉を文章にしたため、対外公知する必要性を覚えないと考えるのも理解は出来る。「自分には不要」と意味するところは同じだろう。
「面白さ・楽しさが分からない」との意見も少なくない。これは上記「かつて使っていたが距離を置いた」人達の理由の上位を占めている。ツイッターのつかみどころ無さは、既存の利用者離れだけでなく、参加予備軍的な人たちをも敬遠させているようだ。
男女別に見ると、ツイッターの使い方、楽しみ方の理解が足りずに敬遠している人が、男性よりは女性の方が多いように見受けられる。これは上記の「なぜツイッター利用を止めて現在利用していないのか(過去に使っていた人)」の傾向と同じ。ツイッターの利用スタイル、活用法の周知啓蒙が、今後女性陣の利用活性化には求められるかもしれない。
日本にツイッターの本格的な浸透が始まってからすでに4、5年が経過している。しかし今なお、「なんだかよくわからないもの」「何が楽しいのか」的なイメージを持つ人が多いのには、驚きを覚える人もいるだろう。本文中にもある通り、明確な目的意識を有するサービスではないため、そのような傾向が多分にあるのは仕方がない。
しかしその「つかみどころの無さ」にこそ、ツイッターの魅力を覚える人もいる。どのみち利用は無料なのだから、知り合いに利用者がいれば、一度その人に教えを請う形で使ってみるのも一興だろう。その上で必要性を感じなければ、退会するなりすればいいだけなのだから。
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