回転寿司店を選ぶ条件、ネタが新鮮、近所、それよりも(最新)

2024/04/26 02:30

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2024-0416居住地域や通勤環境次第では複数チェーン店の回転寿司店へ足を運ぶことができる幸運な人もいる。その場合、どの店を訪れるべきか、色々と考えをめぐらすことになる。最終的に決断し、店の選択をする際に、どのような観点を判断基準にするのだろうか。マルハニチロが2024年3月25日に発表した回転寿司に関する消費者実態調査から、回転寿司店選択の際に振り分け条件とする項目、見方を変えれば回転寿司店に求められている要素について、確認していくことにする(【発表リリース:回転寿司に関する消費者実態調査2024】)。

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安い、新鮮、そして近所


今調査に関する調査要項は先行する記事【利用者70.5%、そのうち月一以上は39.7%…回転寿司の利用実態(最新)】を参照のこと。

該当調査対象母集団(月一以上で回転寿司に行く人)に対し、回転寿司店を選ぶ基準、重視している点を尋ねた結果が次のグラフ。冒頭でも触れたが、これらは見方を変えると、回転寿司店がお客やお客予備軍から求められているポイントでもある。

↑ 回転寿司店を選ぶ際に重視している点(複数回答、上位陣、月一以上回転寿司店利用者限定)(2024年)
↑ 回転寿司店を選ぶ際に重視している点(複数回答、上位陣、月一以上回転寿司店利用者限定)(2024年)

最多回答項目は「値段が安い」で42.4%。回転寿司と対で表現される、カウンター越しに注文する、ちょっと高めの寿司屋での寿司を「回らない寿司」と表現することがあるが、そこでの寿司は何より値段が高いのが特徴。それと比較すれば回転寿司はまさに値段の安さが魅力でありセールスポイントであることから、この点が最上位に来るのも納得はできる。一方で「ネタが新鮮」は第3位で29.1%。単に安いだけではなく、新鮮で美味しいものであることも問われている。

なお2017年調査までは選択肢に「美味い」がありトップの回答値を示していたが、2018年以降の調査では除かれている。寿司の多くは新鮮味と美味さが密接にかかわるため(何しろ生ものばかりである)、「ネタが新鮮」とほぼ同義と判断し、選択肢からは除外されたのだろう。

「家や外出先などの近所」は第2位で30.8%。手間暇をできるだけかけたくないからか、あるいは単に遠出してまで回転寿司を選ぶ必要がないとの認識なのか。似たような選択肢としては「駐車場」で24.0%。家族で来店する場合が多々あること、そして回転寿司店は駅前などの公共交通機関を使って容易に足を運べる場所にあるとは限らないことから、納得がいく(この事情はファミリーレストランも変わらない)。

「ネタの種類が豊富」は第4位で26.4%。値段が安くネタが新鮮でも、多様な種類のネタが楽しめなければ、回転寿司店に来た意義は半減してしまう。今調査の平均値では一度の回転寿司店利用による平均利用皿数は9.9皿(寿司のみでサイドメニューは含まず)。全種類を網羅するわけではないのだから、それほど多種類でなくともと考える人もいるだろう。しかし実際に繰り返し利用していく、利用しやすい回転寿司店の条件を考えると、選択肢は多い方がよい。前回来店時はマグロ中心に攻めたので、今回はえびやイクラを中心に選んでみようと思っても、肝心の種類そのものが少なければ、その選ぶ楽しさも半減してしまう。「たくさんの種類から好みを選べる」のもまた、回転寿司店の魅力の一つに他ならない。

「タッチパネルで注文」「店内に清潔感」「テーブル席」など店舗内環境の整備を求める声も多い。一人回転寿司をするにしても、家族で憩いのひとときを楽しむにしても、単に料理そのものの味を手頃な価格で堪能するだけでなく、雰囲気をも満喫したい、逆にわずらわされたくないとする需要が大きいのが分かる。

回転寿司のトレンドの変化


今調査項目はほぼ同一スタイルで2013年と2015年以降にも実施されている。そこで同じ項目部分の回答値を抽出し、併記できるものを直近10年分についてまとめたのが次のグラフ。なお上記の通り「美味しい」は2018年以降では選択肢から外れたので除外した上で、2024年時点でトップ10に入った選択肢のみをグラフに反映させている。

↑ 回転寿司店を選ぶ際に重視している点(複数回答、上位陣、月一以上回転寿司店利用者限定)
↑ 回転寿司店を選ぶ際に重視している点(複数回答、上位陣、月一以上回転寿司店利用者限定)

おおよその項目で2016年までは上昇し、それ以降では下落する傾向が見られる。2022年以降でやや数字が持ち直しているのも特徴的。実は2013年の設問では「最大5つまでの」の制限があり、いくらでも選べる2015年以降と比べ、必然的に回答値が低めに出てしまっているのは仕方がないところ。しかし2015年以降は同一条件で行われており、それでもなお2016年までは増加を示していたのは興味深い。

2024年分では前回年の2023年分と比べて多数の項目で前年分と比べて減っている。単なる偶然なのか、それとも回転寿司に対する思い入れ、あるいは要望が弱くなったのだろうか。


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