それでも読まれる紙の新聞、70代では72.7%が利用(最新)
2026/07/16 02:14
速報性や拡散性、画像や音声、動画などのマルチメディア性、蓄積と検索、リンクによる過去データの検証の容易さなど、インターネットはニュースを配信するのにプラスとなる特徴を多数持っている。これを受けて法人の新聞社やポータルサイト、当サイトのような個人にいたるまで、多様な立ち位置から、インターネット上にニュース・情報が提供されている。紙媒体としての新聞と、これらインターネット上のニュース系情報サイトは、どのような利用状況にあるのだろうか。総務省が2026年6月26日に情報通信政策研究所の調査結果として公式サイトで発表した「令和7年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」の公開値を基に、その実情を探ることにする(【情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査】)。スポンサードリンク
ポータルサイト提供のニュースが一番
調査要項などは今調査に関する先行記事【テレビは高齢者、インターネットは若年層…主要メディアの利用時間(最新)】を参考のこと。
今件では新聞やニュースサイトなど、ニュースを読んでいるテキスト系媒体の利用状況を尋ねている。紙媒体の新聞以外に新聞社が提供する有料サイト(日経電子版など)、同無料サイト(読売オンラインなど)、ポータルサイトが提供しているニュース配信サービス(Yahoo!ニュースなど)、ソーシャルメディアが提供しているニュース配信サービス(LINE NEWSなど)、さらにはキュレーションサービス(スマートニュースなど)、そしてそれらのいずれの方法でも読んでいないの選択肢を提示し、複数回答で答えてもらった結果が次のグラフ。

↑ ニュースを読んでいるテキスト系媒体(複数回答、年齢階層別)(2025年)
全体ではポータルサイトによるニュース配信利用がもっとも高く69.1%、次いでソーシャルメディアによるニュース配信が43.8%、さらに紙媒体の新聞が37.6%と続く。紙媒体の新聞がトップに付かなかったのは、今調査では2016年分以降9年連続。さらに紙媒体の新聞がソーシャルメディアによるニュース配信よりも下の順位となるのは2020年以降5年目。新聞各社が積極展開している新しいビジネスモデルこと、新聞社の有料サイトは利用率が3.4%にとどまっている。
年齢階層別に見ると、紙媒体の新聞利用率が歳を重ねるに連れて上昇していくのは、他の多数の調査結果からも容易に想像ができた通り。70代ではほぼ4人に3人が新聞を読んでいる。同時にインターネット経由のニュース利用が漸減しており、年齢とともに「インターネットから紙へ」が進んでいる状況が分かる。ただしピークは媒体によって異なり、例えばポータルサイトによるニュース配信では40代が、ソーシャルメディアによるニュース配信では20代がピークとなっている。新聞社の無料サイトはどの年齢階層でもさほど違いはないが、最高値をつけているのは40代。
有料無料を問わず、新聞社自身が提供するウェブ上のニュースよりも、それらを集約したポータルサイト提供のニュースやソーシャルメディア提供のニュース配信の方が需要が大きく、多数の人が利用している実情は皮肉な話。他サービスと一緒にまとめて利用できることや、多様なニュースの集約で幅広い情報を一括して確認できるメリットが好かれているのだろう。特定の出版社の発行本のみを集めた本屋より、さまざまな出版社発刊の本を集めたごく普通の本屋の方が需要が大きいのと同じではある。
一方、ソーシャルメディアでも付加価値施策の一環として展開を始めている、ポータルサイトと同様のニュース配信サービスの利用者は20代がピークで、6割近く。年齢階層別の動きはソーシャルメディアを利用している人の数の割合にほぼ連動している。ポータルサイトによるニュース配信サービスでも一部行われているが、ソーシャルメディアを利用するのと同じ感覚で読めるよう、ダイジェストでの提供が多いため、他人との交流をするかのように目を通している人も多分にいるのだろう。要は知人とのやりとりも、ニュース媒体経由からの情報取得も、同じ情報の斜め読み的な感覚で接しているものと考えられる。
昨今では各種メディアが公式アカウントを取得し、ソーシャルメディア上でニュースのダイジェストと記事ページへの誘導を書きこむ事例が増えている。この手法は今調査の回答用紙では「新聞社自身がX(旧Twitter)などで提供するものは『新聞社提供の無料サイト』に該当」との説明がされていることから、それを加算した上でも新聞社提供の無料サイトの利用者はさほど多くない実情を見るに、そのような形でのニュース取得者もまた、少数派のようである。
多様な意味で注目を集めているキュレーションサービスだが、こちらは全体で18.2%と少なめ。ただし中年層以降でいくぶん利用率が高く、中年齢以上の階層で新聞社による無料サイトを超えるほどの利用率を示している。
同様の調査は前年も行われている。そこで前年比を計算したのが次のグラフ。

↑ ニュースを読んでいるテキスト系媒体(複数回答、前年比、年齢階層別、ppt)(2025年)
ソーシャルメディアによるニュース配信は10代で大きく伸び、代わりに40代で大きく落ち込んでいる。また紙の新聞は40代で伸びている。ポータルサイトによるニュース配信も40代での伸びが目にとまる。
どれをもっとも使っているか
これら新聞・ニュースサイトのうち、どれを一番使っているかを聞いた結果が次のグラフ。

↑ もっとも利用しているニュース・テキスト系媒体(2025年)
全体ではポータルサイトによるニュース配信がトップで4割強、紙の新聞が2割強、ソーシャルメディアによるニュース配信が1割台、以上がトップ3。
年齢階層別動向では、10代はポータルサイトによるニュース配信がトップで3割強、次いでソーシャルメディアによるニュース配信がほぼ同率。20代以降もポータルサイトによるニュース配信がトップで、しかもウェイトが高まり、ソーシャルメディアによるニュース配信は減少していく。また40代以降は年齢とともに紙の新聞の値が増加し、70代ではポータルサイトによるニュース配信を超えて最大値となる。また、10-40代では紙媒体の新聞を挙げる人が1割未満にとどまっているのは注目に値する。
トップの媒体のみを挙げると、10-60代はポータルサイトによるニュース配信、70代は紙の新聞となる。新聞社の有料・無料サイトは「もっとも利用している」の選択としてはほとんどゼロ、誤差範囲でしかない。キュレーションサービスは1割前後。
前年比の計算結果は次の通り。

↑ もっとも利用しているニュース・テキスト系媒体(複数回答、前年比、ppt)(2025年)
全体ではポータルサイトによるニュース配信が増え、ソーシャルメディアによるニュース配信が減っている。40代ではソーシャルメディアによるニュース配信が大きく減っている。他方、70代で紙の新聞が大きく減っているのが気になるところ。紙の新聞からポータルサイトによるニュース配信にシフトしているのだろうか。
新聞社自身のニュースサイトは有料版がほとんど使われず、無料サイトも利用率は想像以上に低い。やはりまとめて一度に確認ができるポータルサイトによるニュース配信、そして常用しているソーシャルメディアによるニュース配信の利便性に、多くの人が魅力を覚えているようだ。
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