従来型か、スマホか、タブレット型端末か…モバイル端末利用率動向(最新)
2025/04/14 02:38


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全年齢階層で従来型携帯電話よりスマートフォンがはるかに上
調査要項などは今調査に関する先行記事【主要メディアの利用時間(最新)】を参考のこと。
次に示すグラフは年齢階層別の従来型携帯電話、スマートフォン、タブレット型端末の利用率。所有率ではないので、所有権の有無は考慮外(10代では特に利用していても自分の所有物ではない可能性がある)。

↑ スマートフォン・従来型携帯電話・タブレット型端末利用率(年齢階層別)(2023年)
例えば10代ではスマートフォンと従来型携帯電話の回答値の合計が100%を超え102.1%となることから、双方の端末を同時に利用している人が少なからずいることが分かる。利用スタイルとして使い分けているか、あるいは単に移行の過程にあるかは人それぞれだが、双方項目の年齢階層別の回答値を見るに、従来型携帯電話からスマートフォンへの移行が若年層から少しずつ起きていることが推定できる。60代ではまだ7人に1人ほどが従来型携帯電話を利用しているが、40代までは1割にも届かない。
スマートフォンの利用率は20代がピークで、それ以上の年齢では50代まではほぼ同じで60代にて減少。従来型携帯電話は10代が最小値で、50代以上で1割を超える。現時点では60代までのすべての年齢階層でスマートフォンの方が上。
他方タブレット型端末だが、40代がピークを示しているが、値そのものは携帯電話ほど年齢階層別の差異が出ていない。これは先行記事などで触れているが、個人所有の事例がさほどなく、世帯別での所有機として家族皆で使う事例が多々あり、年齢階層別の利用率の差が出にくいことが要因と考えられる。また全体値で従来型携帯電話の値を超えて4割前後なのも、注目に値する。
1年間の変化をたどる
スマートフォンの急速な浸透ぶりは他の調査でも多数の事例で確認できるが、今調査でもそれを裏付ける結果が出ている。次に示すグラフは、今件調査の前回年版、つまり2022年の状況の結果を確認し、今回の2023年分と比較して1年間でどこまで変わったかを算出したもの。例えば全体のスマートフォンの値はプラス0.4%ポイントとあるので、全体においては前年から0.4%ポイント、スマートフォンの利用率が増加したことになる。

↑ スマートフォン・従来型携帯電話・タブレット型端末利用率(前年比、年齢階層別、ppt)(2023年)
従来型携帯電話の10代での大きな減少と30代・50代以上での大きな増加、10代と30代・40代・60代でのタブレット型端末の大きな増加が目にとまる。スマートフォンはすでにほとんど100%に近い値にあるため、伸びしろはあまりなく、増加度合いもおとなしい。従来型携帯電話の増加は統計上の誤差によるものだろうか。増える原因が見当たらない。
従来型携帯電話よりもスマートフォンの利用率が極めて高く、一方で従来型携帯電話は高齢層でそれなりに利用されている、携帯電話の利用状況。家庭共用スタイルが多く年齢階層間格差があまり出ないタブレット型端末。飽和状態に近づき、利用率が天井のような動きをしているスマートフォンの普及の波。携帯電話関連、モバイル系の他調査でかいま見られた動向が、ずばりそのまま明確化した形で現れる結果が出ている。60代でも今や9割以上がスマートフォンを利用しており、従来型携帯電話の利用者は1割程度でしかない。
高齢層の利用スタイルを想像すれば、ここまでスマートフォンの利用率が高くなったのは驚きではある。LINEのように、利用のためにはスマートフォンが事実上必要不可欠となるサービスが、高齢者のスマートフォンの利用率向上を後押ししたのだろうか。
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