固定電話の利用率、平日は10代ゼロ%・20代0.9%…コミュニケーション系メディアの利用状況(最新)

2025/04/12 02:38

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2025-0326インターネットの普及と技術進歩に伴い、コミュニケーションの形も通話からデジタルに、そしてデジタル内でも電子メールからソーシャルメディアへと、その利用頻度や注力度合いは確実にシフトしつつある。利用のしやすさ、気兼ねの度合い、融通の利き易さなどでメリットが多い手段の方が多く使われるのは当然の成り行きだからだ。今回は総務省が2024年6月21日に情報通信政策研究所の調査結果として公開した「令和5年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」の公開値を基に、個人が意思発信のために用いるメディアの利用状況について確認していくことにする(【情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査】)。

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10代の固定電話行為率、平日ではゼロ%


調査要項などは今調査に関する先行記事【主要メディアの利用時間(最新)】を参考のこと。

次に示すのは平日におけるコミュニケーション系メディアの行為率。要はどの程度利用されているか。例えば10代のソーシャルメディアの値は58.2%とあるので、10代の6割近くは平日において、ソーシャルメディアを使ってコミュニケーションをしている計算になる。また、これらのツール以外にもコミュニケーション手段は存在する(直接口頭、手紙、貼り紙など)ことにも留意する必要がある。

↑ コミュニケーション系メディアの行為率(平日)(2023年)
↑ コミュニケーション系メディアの行為率(平日)(2023年)

全体では5割近くが電子メールを利用している。次いでソーシャルメディア、携帯電話(通話)と続く。固定電話(通話)の行為率が低いのは、自宅にある人が少ないのも一因だろう。

年齢階層別に見ると、コミュニケーション系メディアの年齢階層間格差、様態の違いの大きさが改めて認識できる。10代はソーシャルメディアが一番多く、そこから随分と値を落とす形で電子メールが続き、携帯電話(通話)がどうにか顔をみせる。固定電話はゼロ%。固定電話が使えるような環境下でも、よほどのことがない限り、携帯電話を使わずにわざわざ固定電話を使うこともあるまい。

20代になると電子メールの行為率も上がるが、まだソーシャルメディアの方が行為率は上。しかも10代以上に使われている。そして固定電話(通話)は0.9%でしかない。

30代でもまだソーシャルメディアの方が電子メールよりも行為率は上だが、40代以降は順位が逆転し、ソーシャルメディアは漸次減っていく。興味深いのは携帯電話(通話)の行為率が20代以上は年齢とともに増えていくこと。若年層より高齢層の方が、携帯電話を介した通話を積極的に行っている。また、高齢層ではデジタル系でも電子メールはそれなりに使われており(60代でも過半数)、注目に値する。

休日のコミュニケーションは


今件は休日でも調査が行われ、結果が公開されている。そこで休日の動向と、さらに平日との差異を算出した結果をグラフ化する。

↑ コミュニケーション系メディアの行為率(休日)(2023年)
↑ コミュニケーション系メディアの行為率(休日)(2023年)

↑ コミュニケーション系メディアの行為率(休日における平日との差異、ppt)(2023年)
↑ コミュニケーション系メディアの行為率(休日における平日との差異、ppt)(2023年)

減少度合いに違いはあるが、携帯電話(通話)と電子メールは増え、ソーシャルメディアは減る傾向がある。平日に利用できなかったメディアを休日に使うために増える傾向は容易に想像できるが、その逆が出ているソーシャルメディアは学校や仕事の合間に利用することが多いのだろうか。あるいは仕事そのものでソーシャルメディアを使うため、休日は使わないとのパターンかもしれない。携帯電話(通話)と電子メールは逆に、学校や仕事中では使いにくいのかもしれない。



余談ではあるが、平日における前年調査分、つまり2022年分との差異を計算した結果が次のグラフとなる。

↑ コミュニケーション系メディアの行為率(平日、前年比、ppt)(2023年)
↑ コミュニケーション系メディアの行為率(平日、前年比、ppt)(2023年)

全体ではすべてが減少している。特に電子メールの減り方が著しい。ソーシャルメディアですら増加せずに減少しているのは驚くべき話に違いない。単なる調査上のぶれの範囲とも解釈はできるが。

今後さらなるスマートフォンの普及に伴い、ソーシャルメディアを中心とした、コミュニケーションツールのデジタルへのシフト化が進むことは間違いない。それに連れてコミュニケーション全体のさらなる増加もまた、推し進められていくのだろう。


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